国境なき子どもたち設立25周年を記念して9月からスタッフインタビューを連載してきました。最終回となる第16回は、KnKの会長、寺田のインタビューをご紹介します。

【25周年企画】KnKと私(16) -会長 寺田 朗子-
「共に成長するために」の心こそが一番大切と信じます。
私はMSF日本の傘のもとで生まれた「国境なき子どもたち(KnK)」の誕生も、そしてその後のより充実した組織になって行くさまもずっと見続けてきました。でも、すぐそばにいながらも、支えるという立場でしかありませんでした。直接のかかわりを持ったのは2009年からです。KnKの一歩外にいた時にも、中に入った時にも、強く感じていることがあります。
それは、本部事務局スタッフや現地のスタッフたちが、机上の紙とペンのプランではなく、子どもたちにとってベストなことは何か、をしっかりと考えて「するべきこと」を決めてゆく姿です。このスタッフがいるからKnKはよい仕事をすることができるのだと痛感しています。自慢の仲間たちです。

東京のKnK事務局スタッフたちと(2018)
一番の基本「食べること」の安定がみえるようになったころ、「学ぶこと」への心の高まりが強く目覚めてゆきます。ドミニクにその思いを伝える若者の話を聞いた時、胸がドキドキしました。その当初のドミニクの熱い心を、今のスタッフたちは時代に合わせながら、具現してくれていると思っています。

パキスタンの女子教育普及活動を視察(2012)

フィリピンの子どもたちと(2015)

ツアーガイドになったカンボジア「若者の家」の卒業生と。アンコールワットにて(2016)
その後数年ごとに現地に行きましたが、初めはすさまじいデコボコ道が、その次には人里近くを通ると道のわきに電信柱用の木が転がされていて、その次はそれが立ち並び、さらには街の近辺だけだった灯りが道を照らすようになり、道路もほぼ舗装…そして行き交う車、トラック、バイク、すべてどんどん新しくなっていきました。
KnKの「若者の家」で暮らす少年少女も、当初のいわゆる「手に職を」という形から次第に「大学への進学」に興味を抱いてゆくのも当然でしょう。
この地球上で暮らす人間という存在が、この先、どういう立場になるのかは正直な話、私にはみえません。暮らしにくい日々を過ごすことになるのか、協力し合って自分たちの日々を大切に過ごすのか、次の世代に託したいと思います。

カンボジア「若者の家」の卒業生とその家族と一緒に(2016)
会長 寺田 朗子

新たなマンスリーサポーター25名を募集
スタッフインタビュー
- KnKと私(1) -創設者 ドミニク・レギュイエ-
- KnKと私(2) -ヨルダン プロジェクト・コーディネーター 大竹 菜緒-
- KnKと私(3) -広報・ファンドレイジング/支援者対応 村松 知恵子-
- KnKと私(4) -カンボジア プロジェクト・コーディネーター 倉持 真弓-
- KnKと私(5) -マネージング・ディレクター/FR 松浦 ちはる-
- KnKと私(6) -カンボジア、バングラデシュ事業担当 三喜 一史-
- KnKと私(7) -理事 栗林 まどか-
- KnKと私(8) -広報・ファンドレイジング/支援者対応 岡田 茜-
- KnKと私(9) -ヨルダン事業担当 佐々木 恵子-
- KnKと私(10) -マネージング・ディレクター/広報 清水 匡-
- KnKと私(11) -フィリピン、パレスチナ事業担当 久野 由里子-
- KnKと私(12) -理事 玉村 翔吾-
- KnKと私(13) -マネージング・ディレクター/パキスタン事業担当 大竹 綾子-
- KnKと私(14) -ヨルダン/シリア難民支援 事業総括 松永 晴子-
- KnKと私(15) -カンボジア プロジェクト・コーディネーター 福神 遥-
- KnKと私(16) -会長 寺田 朗子-