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【25周年企画】KnKと私(9) -ヨルダン事業担当 佐々木 恵子-

国境なき子どもたち設立25周年を記念して、関係者のインタビューを連載します。

KnKと私(9) -ヨルダン事業担当 佐々木 恵子-

どこに暮らしていても、のびのびと自分らしく生きることができる子どもであれるよう、国内外の事業を通じ、その環境づくりの一助を担えたらと思っています。

– 前職とKnK入職のきっかけ、理由を教えてください。

前職は大阪にある国際交流協会で地域の多文化共生を進める業務に携わっていました。外国にルーツを持つ子どもたちの学習サポートや居場所づくり、留学生の交流事業等に関わる経験を通して、多様な人がつながって同じ地域で暮らす豊かさを教えてもらいました。

その後、大学院留学し、フィリピン滞在中にKnKの存在を知りました。ちょうどヨルダンでKnKのイラク避難民支援事業が開始されたことを知り、インターンとして参加、イラクからヨルダンに避難してきた子どもたちとヨルダンに暮らす子どもたちを対象に互いの理解を促す活動に力を入れていたことや団体の理念である共に成長する、という理念に惹かれ、大学院卒業後、KnKの東京事務局に入職しました。

ヨルダンでのインターン時代(2008)

ヨルダンでのインターン時代(2008)

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– 通常、どのような業務を行っていますか?

普段は、東京の事務局から、担当している事業の進捗管理や予算管理、また各種助成金への申請や報告書作成、助成元との連絡調整などの業務に当たっています。以前は年に数回、事業地に出張にも行っていたのですが、子どもが生まれてからはその回数は減り、ここ数年は行けていません。そのため、担当国の現地派遣員とは、業務上の確認や協議はもちろんですが、雑談する時間も大切だと考えており、密に連絡を取りながら日々の業務を進めています。また、最近では、国内事業として、中高生向けの講座の企画運営にも関わっています。
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– 業務をする上で大切にしていることは何ですか?

「支援する側」と「支援を受ける側」の間にあるパワーバランスには敏感でいたいと思っています。こちらの思い込みでことを進めていないだろうか、どちらを向いて、誰のために仕事をしているのか、私たちが活動することで傷ついたり、嫌な思いをする人がいないだろうか、ということを自身に問い続け、すべての業務において意識していきたいです。

パキスタン出張時に子どもたちと(2011)

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– これまで最も困難だったエピソードを教えてください。

東日本大震災では、団体としてはこれまでにない規模の寄付金が一気に寄せられ、それらをどのように被災した方々に届けるのが良いのか、悩みながら活動したことが心に残っています。特に発災から1~2カ月は迅速な対応が求められ、短期間で行政や企業、他支援団体と調整しながら、主に岩手県沿岸部を回り、支援の内容を決めていきました。すべての要望に応えられないこともあり、選定基準を設定せねばならず、その調整と判断に苦慮しました。

また、ヨルダンのザアタリ難民キャンプでの支援活動を始めた初期は、緊急時の教育支援について助成元の理解を得るのが難しく、支援の内容について軌道修正をせざるを得ない時もあり、現地のニーズに100%応えられない悔しさやもどかしさがありました。

ヨルダンの首都アンマンで小学校の校長先生とミーティング(2019)

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– これまで最も嬉しかったエピソードを教えてください。

嬉しかったこととは少し違うかもしれませんが、東日本大震災の支援活動では、必要なモノや活動を必要とされる場所に届けるために協力してくださる方が多くいらっしゃり、非常にありがたく感じたのを覚えています。特に岩手県沿岸部には何度も訪問させてもらい、被災状況について詳しく説明してくださる自治体の方や活動に必要な情報や人につないでくだる地元の方など、私たちが訪問するたびに時間を割いて協力してくださった方々の協力のもと、私たちも活動を続けることができました。

同じく岩手県陸前高田市では、「走る!子どもセンター」の構想から関わり、実際に納車され、仮設住宅を回り、子どもたちが宿題をしたり、遊びに来たり、思い思いに過ごす様子が見られた時には感動しました!

「走る! KnK子どもセンター」の卒業式。子どもたちや関係者と記念撮影(前列右から2人目/2016)

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– 休みの日(OR仕事をしていない時)は何をして過ごしていますか?

平日の朝は5時半からオンラインでのバランスボールを使ったエクササイズを2年ほど続けています。国内外の仲間とzoom上でつながり、朝から有酸素運動してスッキリ一日をスタートできるのが気に入っています。週末は、家族で子どもが楽しめる場所を探して出かけることも多いです。一人時間があれば、マッサージや映画、お笑いを楽しんでいます。

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– 今後、KnKの活動を通じてご自身が取り組みたいことを教えてください。

私の息子は車いすユーザーなのですが、一人一人が尊重される社会とはどのように作っていけばよいのだろうか、息子を取り巻く状況を通じて、より考えるようになりました。KnKもビジョンの一つとして掲げている「子どもたちが互いの違いを認め合い、友情を育み、共に成長できる社会」の達成に向け、どこに暮らしていても、のびのびと自分らしく生きることができる子どもであれるよう、国内外の事業を通じ、その環境づくりの一助を担えたらと思っています。

ヨルダン首都、アンマンの小学校にて(2019)

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– KnKが各地の苦境にある子どもたちと共にあるためには、新たな仲間が必要です。彼らに向けたメッセージをお願いします。

子どもの成長は待ったなし!そんな子どもたちに少しでも良い環境と機会を作り出すことは、私たち自身の生きやすさにも繋がると思います。どんな社会であれば、子どもも私たちも自分らしく生きていけるのか、一緒に考えて続けていきましょう。

認定NPO法人国境なき子どもたち(KnK)
ヨルダン事業担当
佐々木 恵子

 

新たなマンスリーサポーター25名を募集

これからも教育機会を提供することで、各地の子どもたちが主体的に生き、自己決定ができる人生を歩めますよう、25周年を記念して新たなマンスリーサポーターを25名募集します。
(募集期間:2022/9/1~12/31)

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