活動ニュース

各地での活動

ヨルダン/シリア難民支援

中東地域にありながらも天然資源に乏しく、外国からの短期的な投資による資本流入や、地域における治安情勢の影響を社会的にも経済的にも大きく受けるヨルダン国。脆弱な経済の中、これまで周辺国から多くの難民を受け入れてきました。現在では、国内の人口の約7割が元々パレスチナ難民と言われており、2011年のシリア危機以降、シリアから多くの人々が流入してきています。

こういった状況下、ヨルダン国内では、難民受け入れによる物価や家賃の高騰などの影響を受け、貧困層の拡大が懸念されています。

シリア難民の流入、疲弊する受入れ国
2017年4月時点、ヨルダンには約65万人のシリア難民がUNHCRに難民登録されており、そのうち、8割がキャンプ外のホストコミュニティと呼ばれる都市部や郊外にて避難生活を送っています。ホストコミュニティに避難している難民は、シリア国境と接しているヨルダン北部のイルビッド、マフラックや首都アンマンおよびザルカなどの都市部に集中しています。

長引く紛争の影響を受け、シリア難民は孤立を深め、生活手段の欠如に直面し、危機的な状況におかれています。特にシリア難民の子どもは、児童労働や早期結婚、性的搾取、武装勢力への関与等のリスクに晒されており、学校に通わせることをとおして物理的に子どもを保護する必要があります。また、ヨルダン人の子どもにとっては、シリア人を受け入れるために学校が二部制になったことで、勉強時間の短縮などの影響から教育の質が落ち、学校から遠ざかっていたシリア人だけでなく、ヨルダン人の学力低下も危ぶまれています。

シリア人に学校教育を受けていない「失われた世代」の発生を防ぐためにも、またヨルダン人が難民受け入れ前のような質の備わった授業が受けられるためにも、不断の教育支援を提供することは国際的な支援枠組みである、シリア難民に対する人道危機への「地域対応計画」においても優先課題と設定されています。両国にとっての国づくりに貢献できる人材育成のためにも子どもたちへの教育支援は欠かせません。

活動概要

支援期間 2007年10月~継続中
活動地 アンマン、マフラック県
支援内容 ・ザアタリ難民キャンプの中学校2校にて、基礎力向上を目指す授業を実施。
・ヨルダン首都アンマンの公立校7校にて、シリア難民およびヨルダン人生徒に対する補習授業を実施。同時に教員研修およびヨルダン教育省の能力強化も実施。
支援対象 ・ヨルダンで避難生活を送るシリア人青少年 3,670名、ヨルダン人青少年588名【直接裨益者】
・ヨルダン教育省職員、学校長、ヨルダン人教員、シリア人教員補佐 156名【直接裨益者】
※ ヨルダンにおけるKnKの活動は、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム助成金(イラク・シリア難民・国内避難民支援)の活用ならびに日本の皆さまからのご寄付で成り立っています。

支援の紹介

シリアとヨルダン、2つの国の子どもを教育で笑顔にしたい

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ザアタリ難民キャンプにおける教育支援

キャンプ内の中学校2校でヨルダン人講師、シリア人アシスタントを雇用し、演劇、音楽、作文の授業を提供しています。こうした授業は、トラウマやストレスを抱える子どもにとっては自己表現の機会ともなっています。

また各教科には、全ての学習の基礎となるアラビア語やシリア人生徒の苦手意識が強い英語の補習要素も取り入れ、子どもたちの学力向上も促しています。
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ホストコミュニティにおける教育支援

難民が多く暮らす首都アンマンの公立校7校で、シリアとヨルダンの子どもを対象に補習授業を実施しています。授業では両国の子どもが机を並べ、アラビア語・数学・英語を学び、授業の合間には課外活動に参加し、友情を育んでいます。

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国情報

ヨルダンという国

中東にあり、地理的にアジア、アフリカ、ヨーロッパの中継地という位置にありました。西側にヨルダン地溝帯が走り、その東方にゆるやかな高原が広がります。東部は砂漠なので耕地はヨルダン渓谷の両岸だけです。16世紀から400年間オスマン帝国(今のトルコ)に支配されました。ヨルダンのアラブ人の独立を助けるという名目でイギリスとフランスがオスマン帝国と戦い、オスマン帝国が負けました。しかし1919年、勝利したイギリスはヨルダンを独立させず委任統治領にして支配下におきました。第二次大戦後にイギリスが委任統治を放棄し、1946年にアラブ連盟の一員となりヨルダンは独立しました。1967年の第三次中東戦争で、重要な農業地帯であるヨルダン川の西岸はイスラエルに占領されてしまいました。人口は645.9万人(2013年世銀)で大半がイスラム教徒です。およそ7割のパレスチナ系住民を抱えています。2013年3月以降は隣国シリアの情勢悪化により63万人ものシリア難民が流入しています。 製造業などが主で衣料品などを輸出しています。経済の基礎がまだ弱く外国の援助に左右されることも多いです。

記事一覧

正式名称 ヨルダン・ハシェミット王国 / Hashemite Kingdom of Jordan
国旗 ヨルダン
面積 8.9万平方キロメートル(日本の約4分の1)
人口 759.4万人【2015年、出典:世界銀行】
首都 アンマン
時差 日本との時差は7時間。ヨルダンが正午のとき、日本は19:00。
サマータイム期間(4月から10月頃まで)は時差6時間。  【地球の歩き方】
政体 立憲(世襲)君主制、元首は国王
元首 アブドッラー2世・イブン・アル・フセイン国王陛下(1999年即位)
民族 アラブ人(98%)。パレスチナ難民が多い。  【地球の歩き方】
宗教 イスラム教 93%、キリスト教等 7%
言語 アラビア語(英語も通用)
気候 四季があるが、春と秋が非常に短い。冬場は雪が降ることもある。
1年を通して乾燥している。  【地球の歩き方】
主な産業 製造業、運輸・通信業、金融業
名目GDP 375.1億米ドル(2015年世銀)
一人当たりGDP 4,940米ドル(2015年世銀)
通貨と為替レート ヨルダン・ディナール(JOD)
1JOD=約1.41米ドル=約161円(2017年1月)
「こんにちは」 アッサラームアレイコム
「さようなら」 ビッサラーマ
「ありがとう」 シュクラン
【出典:外務省/2017】

国と子どもに関するデータ

5歳未満児死亡率の順位 96位 2015年
5歳未満児年間死亡人数 1000人あたり 4人 2015年
1人あたりのGNI 5,160米ドル 2015年
成人識字率 93% 2009-2014年*
男子若者(15-24歳)の識字率 99% 2009-2014年*
女子若者(15-24歳)の識字率 99% 2009-2014年*
電話を持っている人の比率 148% 2014年
インターネットユーザーの比率 44% 2014年
男子初等教育純出席率 98% 2009-2014年*
女子初等教育純出席率 98% 2009-2014年*
男子中等教育純出席率 74% 2009-2014年*
女子中等教育純出席率 77% 2009-2014年*
児童労働(5-14歳)の比率 2%x,y 2009-2015年*
1日1.9米ドル未満で暮らす人の比率 0%以下 2009-2013年*

*: データが、列の見出しで指定されている期間内に入手できた直近の年次のものであることを示す。
x: データが列の見出しで指定されている年次もしくは期間以外のもの、標準的な定義によらないもの、または国内の一部地域のみに関するものであり、地域平均や世界平均の算出には含まれていないことを示す。
y: データが標準的な定義によらないもの、または国内の一部地域のみに関するものではあるが、地域平均や世界平均の 算出に含まれていることを示す。
: データなし。

【出典:世界子供白書2016】

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