各地での活動
インド(~2010)
2004年12月26日に発生したスマトラ沖地震・インド洋大津波はアジアの国々を襲い、多数の未成年者を含む23万人の死者・行方不明者と甚大な被害をもたらしました。KnKはインド、インドネシア、タイの三ヶ国において、被災した青少年の支援を行いました。 このうち、インドにおいては南東部のヴィランガニで、現地NGOのDPWAと共に被災した子どもたちのための施設「KnKホーム」を運営し、2010年末まで彼らの成長を見守り、寄り添いました。
活動概要
支援期間 | 2005年1月~2010年12月 |
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活動地 | タミルナドゥ州ヴィランガニ |
支援内容 | 04年12月のスマトラ沖地震・インド洋大津波による被災児の受け入れ施設「KnKホーム」を運営、安定した衣食住と教育機会を提供。※インドへの支援は2010年12月をもって終了しました。 |
支援対象 | スマトラ沖地震 ・インド洋大津で被災した青少年【12歳から22歳の男女、約30名(2010年当時)】 |
支援の紹介
「KnKホーム」
「KnKホーム」は2005年1月に開設されました。家や家族を津波で失った40人ほどの子どもたちがここで共同生活しています。両親を病気で失ったために親戚に育てられていたが経済的に余裕がなくなりKnKホームに来た子や、母親が再婚したものの津波で母親を亡くし義理の父親にも見捨てられてしまった子など、KnKホームの子どもたちは津波以前から家庭に何らかの困難な事情を抱えている子どもがほとんどです。彼らはここで共同生活を送りながら学校に通いました。
2005年8月にはこのホームで暮らす青少年9名を対象に心理ケアを目的としたビデオワークショップを実施しました。
「KnKホーム」で暮らすティラカワディ(15歳)
津波で家が全壊し父親を亡くしたティラカワディがKnKホームに来たときはまだ10歳でした。母親一人では子どもたちを養うことができず、親戚もみな貧しかったためどこも引き取り手はありませんでした。KnKホームに受け入れられた子どもたちの中でも年少に入るティラカワディはとてもひょうきんで年上の女の子たちにも可愛がられ、いつも誰かに面倒を見てもらっていました。それがいまでは自分より年下の子の面倒をみるまでに成長しています。頑張って勉強してお母さんを助けるのが夢だそうです。
ビデオワークショップ
■開催期間 : 2005年8月20日~9月10日
■参加者 : スマトラ島沖地震・インド洋大津波で家族や友人を失った青少年11名(12歳~16歳の男女)
■完成作品 : 『あの津波を忘れない』(16分)
■内容 :
KnKは2004年の津波発生以来、インドのヴィランガニにおいて現地NGOの協力のもと、KnKホームを運営し約50名の青少年を対象に支援を行っています。津波で家族や親戚、家を失うなど、心に深い傷を負った子どもたちが、このビデオ制作を通じて仲間たちと経験を共有するでトラウマを克服し、お互いの気持ちをいたわり合うまでに成長しました。
国情報
インドという国
紀元前1500年頃のアーリア人の侵入に始まり古代にはヒンドウー王朝、中世にはイスラム王朝、近世にはイギリスによって統治されました。第一次大戦後、民族運動が高まり、マハトマ・ガンディーが主張した非暴力運動が大きなうねりになっていきました。1947年にイギリスの植民地から独立するとき、ヒンドゥー教のインドとイスラム教のパキスタンが分裂して二つの国に分かれました。独立後もカシミール地方の領有をめぐってパキスタンと対立し、1962年には中国と国境での紛争が起こりました。今もカシミール問題や中国との緊張した関係が続いています。国内でもカースト間で貧富の差が大きいことや、大多数を占めるヒンドウー教徒とイスラム教徒との宗教対立が残っています。
北にはヒマラヤ山脈があり、人口の三分の一が住むガンジス河流域の平野を経て高原状のインド半島に及びます。高い山、砂漠、大平野、海岸線など多様な地形を持ち、言語もヒンディー語のほかにたくさんあります。ムンバイ、コルコタなどの大都市そして内陸部にまで工業化が押し進められていますが、一方でまだ60%以上の国民が農業に従事しており、生産性が低く貧しい人たちの多い地域もあります。人口は約11億2千万人で世界第2位です。
正式名称 | インド / Republic of India |
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国旗 | |
面積 | 328万7,469平方キロメートル(インド政府資料:パキスタン、中国との係争地を含む)(2011年国勢調査) |
人口 | 14億1,717万人(2022年世界銀行資料) |
首都 | ニューデリー(New Delhi) |
時差 | 日本より3時間30分遅れ。日本が正午のとき、インドは午前8時半。 【地球の歩き方】 |
政体 | 共和制 |
元首 首相 |
ドロウパディー・ムルム大統領 ナレンドラ・モディ首相 |
民族 | インド・アーリヤ族、ドラビダ族、モンゴロイド族等 |
宗教 | ヒンドゥー教徒79.8%、イスラム教徒14.2%、キリスト教徒2.3%、シク教徒1.7%、仏教徒0.7%、ジャイナ教徒0.4%(2011年国勢調査) |
言語 | 連邦公用語はヒンディー語、他に憲法で公認されている州の言語が21 |
気候 | 7月~8月は雨季。11月~2月頃が乾季でベストシーズンと言われている。 |
主な産業 | 農業、工業、IT産業 |
名目GDP | 3兆3,851億ドル(2022年:世銀資料) |
一人当たりGDP | 2,389ドル(2022年:世銀資料) |
通貨と為替レート | ルピー 1ルピー=1.77円(2023年9月1日) 1米ドル=82.72ルピー(2023年9月1日) |
「こんにちは」 | ナマステー |
「さようなら」 | フィル ミレンゲー |
「ありがとう」 | ダンニャワード |
国と子どもに関するデータ
出生数 | 23,114千人 | 2021年 |
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5歳未満児年間死亡人数(1000人当たり) | 31人 | 2021年 |
若者(15-24歳)の識字率(男子) | 93% | 2013-2022年* |
若者(15-24歳)の識字率(女子) | 90% | 2013-2022年* |
初等教育修了率(男子) | 92% | 2013-2022年* |
初等教育修了率(女子) | 91% | 2013-2022年* |
中等教育修了率(男子) | 82% | 2013-2022年* |
中等教育修了率(女子) | 79% | 2013-2022年* |
高等教育修了率(男子) | 46% | 2013-2022年* |
高等教育修了率(女子) | 40% | 2013-2022年* |
児童労働(5-17歳)の比率(男子) | ー | 2013-2021年* |
児童労働(5-17歳)の比率(女子) | ー | 2013-2021年* |
*: データが、列の見出しで指定されている期間内に入手できた直近の年次のものであることを示す。
−: データなし。
【出典:世界子供白書2023】