各地での活動
フィリピン
16世紀半ばから約400年にわたり植民地下にあったフィリピンは、その時代に大土地所有制が形成され、その後も農地改革が進まなかったことが現在でも残る貧富の格差の大きな要因となっていると指摘されています。GDP成長率は2012年以降5%以上を保っていますが、国際貧困ライン以下で暮らす人の割合は16.6%(アジア開発銀行、2018年)と貧困削減のペースは遅く、格差是正にはつながっていません。
また、しつけとして体罰や暴力が行われがちなフィリピンにおいて、暴力や虐待にさらされる青少年、家庭から逃げ出し路上生活を余儀なくされる青少年、経済的な理由で学校に通うことができない子ども、子どもの不適切な逮捕、拘留など、子どもの権利が十分に保障されていない現状が続いています。
最新ニュース
- 2026.01.13【友情のレポーター30周年】陸とプロヴィルの手紙 / 2010年フィリピン取材
- 2025.11.18【フィリピン「若者の家」】「自由に変身!仮面ワークショップ」
- 2025.10.03【友情のレポーター30周年】鈴とジョパイの手紙 / 2017年フィリピン取材
活動概要
| 支援期間 | 2001年11月~継続中 |
|---|---|
| 活動地 | マニラ首都圏ケソン市、カラオカン・ノース市 |
| 支援内容 | ・自立支援施設「若者の家」の卒業生およびコミュニティ(2カ所)の青少年に奨学金を通し、通学支援を行っています。 |
| 支援対象 | 貧困家庭出身の子ども、暴力や虐待に遭った青少年等【直接裨益者約16名(2026年7月現在)】 |
*KnKは、東京マラソン財団チャリティRUN with HEARTの寄付先団体です。
支援の紹介
若者の家(現在休止中)

若者の家
2001年11月よりスタートしたKnKフィリピンの「若者の家」は、伊藤忠商事株式会社のご支援により2009年12月に新設されました。虐待、育児放棄にあった子どもや路上生活をしていた子どもたちは、この「若者の家」で共同生活を送り、スタッフによる適切なケアや教育を受けることができました。2026年6月までに「若者の家」の子どもは全員卒業し、その後、新たな子どもの受け入れは休止しています。KnKは現在「若者の家」を巣立った子どもたちの個々の状況に応じて、スカラシップ/奨学金を通し通学支援を行っています。
コミュニティでの支援
カラオカン・ノース市のバゴンシーランとケソン市のパヤタスという二つのスラム地域でノンフォーマル教育や啓発活動などを行ってきました。バゴンシーランは貧困家庭が多数存在し、犯罪率も高い地域と言われています。またパヤタスは、以前は「スモーキーマウンテン」として知られたゴミ山のふもとの居住区です。 KnKはこの2ヵ所の地域においてチルドレンセンターを運営し、学校に行くことのできない子どもたちに教育の機会を提供しました。同時に、青少年自身が地域の子どもたちに関する課題を行政に伝えたり、子ども向けの活動を実施するなど、青少年の組織化、社会参加を後押ししました。2026年6月以降、KnKは、バゴンシーラン、パヤタスの青少年に対しスカラシップ/奨学金を提供し通学を支援しています。


国情報
フィリピンという国
マレー系の人々が住んでいたので、かつてはイスラム教でした。1521年にポルトガルのマゼランが上陸した時、キリスト教も入ってきました。マゼランは改宗と服従を要求したため反撃にあって戦死します。その間にスペインが何度も遠征隊を送り込み、征服しました。 1665年にスペインの植民地になり、スペイン皇太子フェリペにちなんでフィリピン島と名づけられました。それから三世紀の間キリスト教の布教や貿易に力を注ぎながらスペインが統治しました。大土地所有者と広大な領地をもつ修道会が生まれる一方で先住民は過酷な労働に苦しめられました。19世紀後半から民族主義運動が各層に広がっていきました。 1898年アメリカとスペインとの戦争がおこりスペインが破れた結果1902年にフィリピンはアメリカの植民地となりました。太平洋戦争中の3年間は日本の占領下におかれましたが、戦後1946年7月に独立しました。政情不安が続く中、マルコス大統領が1965年から10年以上も独裁的政治をおこないましたが、1986年の政変以降は大統領選によって政治がおこなわれています。 主な産業は農業で貧富の差が大きいです。人口は約1億800万人で90%がカソリック信者です。7,000以上の島から成り多くの火山があります。
| 正式名称 | フィリピン共和国 / Republic of the Philippines |
|---|---|
| 国旗 | |
| 面積 | 298,170平方キロメートル(日本の約8割)。7,641の島々がある。 |
| 人口 | 1億903万5,343人(2020年フィリピン国勢調査) |
| 首都 | マニラ(首都圏人口約1,348万人)(2020年フィリピン国勢調査) |
| 民族 | マレー系が主体。ほかに中国系、スペイン系及び少数民族がいる。 |
| 言語 | 国語はフィリピノ語、公用語はフィリピノ語及び英語。180以上の言語がある。 |
| 宗教 | ASEAN唯一のキリスト教国。国民の83%がカトリック、その他のキリスト教が10%、イスラム教は5%。(ミンダナオではイスラム教徒が人口の2割以上) |
| 時差 | 日本との時差はマイナス1時間。日本が正午のとき、フィリピンは午前11時。 【地球の歩き方】 |
| 政体 | 共和制 |
| 元首 | フェルディナンド・マルコス大統領(2022年6月30日就任) |
| 気候 | 熱帯性気候。年間を通じて暖かく、年平均気温は26~27℃。6~11月が雨期、12~5月が乾期と一応分かれているが、地域によってかなり差がある。 【地球の歩き方】 |
| 主な産業 | ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)産業を含むサービス業(GDPの約6割)、鉱工業(GDPの約3割)、農林水産業(GDPの約1割)(2021年) |
| 名目GDP | 3,936億米ドル(2021年、出典:IMF) |
| 一人当たりGDP | 3,572米ドル(2021年、出典:IMF) |
| 通貨と為替レート | ペソ 1ペソ=約2.7円 (2023年10月) |
| 「こんにちは」 | マガンダン ハポン |
| 「さよう なら」 | パアラム |
| 「ありがとう」 | サラマット |
国と子どもに関するデータ
| 出生数 | 1841千人 | 2024年 |
|---|---|---|
| 5歳未満児年間死亡人数(1000人当たり) | 27人 | 2023年 |
| 学習貧困率(男子) | 92% | 2001-2023年(R) |
| 学習貧困率(女子) | 90% | 2001-2023年(R) |
| 初等教育修了率 | 96% | 2000-2024年(R) |
| 中等教育修了率 | 82% | 2000-2024年(R) |
| 高等教育修了率 | 73% | 2000-2024年(R) |
| 児童労働の比率 | – | 2010-2023年(R) |
(R): データが、列の見出しで指定されている期間内に入手できた最新の年次のものであることを示す。
–: データなし。
学習貧困率: 世界銀行とユネスコ統計局によって定義された指標で、「10歳までに、短い適切な文章を読んで理解することができない子どもの割合。」
児童労働の比率(経済活動および/または家事): 調査時点で児童労働に従事している5~17歳の子どもの割合。以下の条件を満たす子どもは、児童労働に従事しているとみなされる。(a) 5~11歳の子どもで、調査対象週に1時間以上の経済活動および/または21時間以上の無償の家事労働に従事した者、(b) 12~14歳の子どもで、調査対象週に14時間以上の経済活動および/または21時間以上の無償の家事労働に従事した者、(c) 15~17歳の子どもで、調査対象週に43時間以上の経済活動に従事した者。
【出典:世界子供白書2025】






