各地での活動
ヨルダン/(シリア難民)
中東地域に位置するヨルダンは、天然資源に乏しく、周辺地域の政治・経済情勢の影響を受けやすい国です。これまで多くの難民を受け入れており、2026年4月時点、約41万人の難民・庇護希望者がUNHCRに登録されています。その約94%をシリアからの人々が占め、約8割が難民キャンプではなく都市部や郊外で生活しています。2024年12月のシリア政変以降、帰還する人々もいますが、安全や生活基盤への不安など様々な理由から、多くはヨルダンでの生活を続けています。多様な背景を持つ人々が共に暮らすヨルダンでは、互いに理解し尊重できる人材の育成が重要な課題となっており、教育現場では子どもたちの社会性や協働する力を育む取り組みが求められています。
最新ニュース
- 2026.05.29【ヨルダン】特別活動の専門家をヨルダンに招聘ーその活動と理念を伝える
- 2026.03.27【ヨルダン新規事業】子どもたちの「安心して学べる教室」をつくる取り組みを開始
- 2026.02.25海外派遣員(プロジェクト・コーディネーター)(募集終了:4/21)
活動概要
| 支援期間 | 2007年10月~継続中(シリア難民支援:2013年3月~) |
|---|---|
| 活動地 | アンマン県、マフラック県(ザアタリ難民キャンプ含む)、カラク県 |
| 支援内容 | ・公立学校にて、子どもたちの社会性育成を目指し、日本式教育の特別活動(学級会、縦割り班活動等)の実施をサポートしています。 ・特別活動に関する行政職員や教員と共に、ヨルダンにおける特別活動の普及と継続を可能とする制度や仕組みづくりに取り組んでいます。 ・ザアタリ難民キャンプでは、保護者研修も行っています。 |
| 支援対象 | ・アンマン及びマフラック県(ザアタリ難民キャンプ)、カラク県の公立小中学校34校 ・ヨルダン教育省、教育局 (2026年5月現在) |
*KnKは、東京マラソン財団チャリティRUN with HEARTの寄付先団体です。
支援の紹介

ザアタリ難民キャンプにおける教育支援
2013年より、シリア難民の子どもたちの継続的な就学を支えるため、キャンプ内の公立校の中で教育支援を行っています。アラビア語の補習授業を通じて基礎学力の向上を図るとともに、音楽や演劇、作文などの活動を取り入れ、子どもたちが楽しみながら学び、自信や表現力を高める機会を提供してきました。また、児童労働や早期結婚など、難民キャンプに暮らす子どもたちにとって、身近な課題について考える特別授業も実施してきました。
2023年から2025年にかけては、JICA草の根技術協力事業の一環として、教員研修や日直当番、学級会の実践、保護者の学校活動への参加促進に取り組みました。事業終了後も、教育省や学校と連携しながら、行政主導での活動を支援するとともに、保護者向け研修や課外活動を通じて、子どもたちが安心して学び成長できる環境づくりを進めています。

夏休みのキャンプの学校で縦割り班活動を試行。異学年間の交流を深めた。

キャンプ内保護者向け研修。子どもとのより良いコミュニケーションについて学ぶ。
ホストコミュニティにおける教育支援
2018年より、難民と受入地域の子どもたちが共に学ぶヨルダンの公立学校において、日本の特別活動(※)を参考にした教育実践を支援しています。日直当番や学級会、異学年で協力する縦割り班活動などを通じて、子どもたちが互いを尊重しながら協力し、自ら課題を見つけて解決する力や社会性を育むことを目指しています。
これまで、ヨルダン教育省や教育局と連携し、現地の学校環境に合わせた実践ガイドラインや教員向けハンドブックの作成、教員研修の実施、学校での実践支援やモニタリングに取り組んできました。2023年から2025年にかけては、アンマン県およびマフラック県の学校で、特別活動を推進する教員の育成や保護者の学校活動への参加促進にも取り組みました。
2026年からは、アンマン県、マフラック県、カラク県を対象とし、外務省日本NGO連携無償資金協力事業として、学級活動を通じた非認知能力の育成と安心・安全な学習環境づくりを推進しています。これまでの取り組みを活かし、地域の教育行政と連携し、教員研修や各校での学級活動の実践支援を通じて、学校、地域が連携した子どもの成長を支える仕組みづくりを進めています。
※特別活動=学級活動や児童会、クラブ活動、学校行事を通じて、子どもたちの社会性を育み、学校生活の充実や改善を図る教育活動

アンマンの小学校。終わりの会での日直当番の様子。

特別活動インストラクター養成研修。教員らが学級会への理解を深める。
国情報
ヨルダンという国
地理的にアジア、アフリカ、ヨーロッパの中継地という位置にあり、シリア、イラク、サウジアラビア、イスラエル・パレスチナと国境を接する立憲君主制国家です。西側にヨルダン地溝帯が走り、その東方にゆるやかな高原が広がります。東部は砂漠なので耕地はヨルダン渓谷の付近を中心とした地域に集中しています。ヨルダンは、人口は約1,193 万人(2025年ヨルダン政府発表)で公用語はアラビア語、国民の大半はイスラム教徒です。
天然資源や水資源に乏しく、経済は周辺地域の政治や経済情勢の影響を受けやすい一方で、比較的安定した社会を維持してきました。そのため、これまでパレスチナ、イラク、シリアなど近隣諸国から多くの難民を受け入れてきた歴史があります。
シリア危機発生以降、多くのシリア難民がヨルダンへ避難しました。シリアの政変により、一部帰還が進んでいるものの、現在も多数が国内で生活しています。難民の多くは難民キャンプではなく都市部や地方都市で暮らしており、教育、雇用、社会サービスなどへの負担が続いています。こうした状況の中で、ヨルダンでは多様な背景を持つ人々が共に暮らす社会づくりと、将来を担う子どもたちへの教育の充実が重要な課題となっています。
| 正式名称 | ヨルダン / Jordan |
|---|---|
| 国旗 | |
| 面積 | 8.9万平方キロメートル(日本の約4分の1) |
| 人口 | 1,143.9万人(2023年、世界銀行) |
| 首都 | アンマン(Amman) |
| 言語 | アラビア語(英語も通用) |
| 宗教 | イスラム教 93%、キリスト教等 7% |
| 時差 | 日本との時差は7時間。ヨルダンが正午のとき、日本は19:00。 サマータイム期間(4月から10月頃まで)は時差6時間。 【地球の歩き方】 |
| 政体 | 立憲(世襲)君主制、元首は国王 |
| 元首 | アブドッラー2世・イブン・アル・フセイン国王陛下(1999年即位) |
| 民族 | アラブ人(98%)。パレスチナ難民が多い。 【地球の歩き方】 |
| 気候 | 四季があるが、春と秋が非常に短い。冬場は雪が降ることもある。 1年を通して乾燥している。 【地球の歩き方】 |
| 主な産業 | 製造業,運輸・通信業,金融業,観光業 |
| 名目GDP | 509.7億米ドル(2023年、世界銀行) |
| 一人当たりGDP | 4,455.5米ドル(2023年、世界銀行) |
| 通貨と為替レート | ヨルダン・ディナール(JOD) 1JOD=約1.41米ドル=約198円(2025年4月) |
| 「こんにちは」 | アッサラームアレイコム |
| 「さようなら」 | マッサラーマ |
| 「ありがとう」 | シュクラン |
国と子どもに関するデータ
| 出生数 | 236千人 | 2024年 |
|---|---|---|
| 5歳未満児年間死亡人数(1000人当たり) | 13人 | 2023年 |
| 学習貧困率(男子) | 67% | 2001-2023年(R) |
| 学習貧困率(女子) | 58% | 2001-2023年(R) |
| 初等教育修了率 | 98% | 2000-2024年(R) |
| 中等教育修了率 | 93% | 2000-2024年(R) |
| 高等教育修了率 | 68% | 2000-2024年(R) |
| 児童労働の比率 | 2% | 2010-2023年(R) |
(R): データが、列の見出しで指定されている期間内に入手できた最新の年次のものであることを示す。
学習貧困率: 世界銀行とユネスコ統計局によって定義された指標で、「10歳までに、短い適切な文章を読んで理解することができない子どもの割合。」
児童労働の比率(経済活動および/または家事): 調査時点で児童労働に従事している5~17歳の子どもの割合。以下の条件を満たす子どもは、児童労働に従事しているとみなされる。(a) 5~11歳の子どもで、調査対象週に1時間以上の経済活動および/または21時間以上の無償の家事労働に従事した者、(b) 12~14歳の子どもで、調査対象週に14時間以上の経済活動および/または21時間以上の無償の家事労働に従事した者、(c) 15~17歳の子どもで、調査対象週に43時間以上の経済活動に従事した者。
【出典:世界子供白書2025】






