各地での活動
カンボジア
カンボジアは長らく外国の支配を受けていたという歴史があります。
1953年にフランスから独立しましたが、その後は1991年まで内戦が続きました。国家が崩壊して多くの難民を出し、今もなお国が再建の途上にあります。 アジアの中でも近年まで最貧国とされていたカンボジアは、高い経済発展を遂げる一方、いまだ各国からの援助を多く必要としており、農村部を中心にストリートチルドレンや児童労働、人身売買など貧困家庭に生まれた子どもたちを取り巻く環境はなかなか改善されません。
最新ニュース
- 2020.12.24職業訓練を通じた若者の就労支援/カンボジア、パイリン州
- 2020.11.16東京マラソン2021チャリティ 寄付募集のご案内
- 2020.10.09カンボジアで新規プロジェクトを開始しました
活動概要
支援期間 | 2000年9月~継続中 |
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活動地 | バッタンバン州、パイリン州(2020年~) |
支援内容 | ・自立支援施設「若者の家」における安定した衣食住と教育・訓練機会やコミュニティに開放した教育クラス(識字、英語、図書館)を提供しています。 ・職業訓練や収入創出活動(絹織物、縫製、洋裁)を行っています。 ・職業訓練を通じた若者の就労支援を行っています。 |
支援対象 | ストリートチルドレン、人身売買の被害者、暴力や性的被害に遭った青少年、極貧家庭出身の青少年等【直接裨益者約150名(2019年12月現在)】 |
支援の紹介
若者の家

子どもから大人へと成長する時間と将来の職業選択に向けて努力をする機会を提供し、ひいては彼らが自立し一市民として自立できるようサポートすることを目的に開設されました。
子どもたちは大家族のように共同生活を送り、過去の苦難を乗り越えながら必要な教育や職業技術を身に付けます。
2000年の開設以来、450名以上を受け入れてきました(2018年12月現在)。「若者の家」の卒業生が集う同窓会も年に1~2度行われています。「若者の家」は、卒業生たちがいつでも帰ってくることのできるホームでもあります。
「若者の家」の卒業生 ロウ
「若者の家」で暮らしていた時のロウ
「若者の家」で受け入れる子どもたちの多くは、自立を叶える技術を早く身に付けることができるため、職業訓練を受けることを希望します。しかし、ロウは「若者の家」に来たときから学校に通うことを決心しました。「技術を身に付けてもわずかなお金しか稼げないことが多い。だから僕は学校でいろいろなことを勉強してビジネスマンになるんだ」。そんな夢を持つロウは、6年間一生懸命に勉強して、英語も話せるようになりました。高校を卒業したのち、シエムリアップアンコールワットでガイドをしているロウの大学に進学。経済の勉強をしながら世界遺産アンコールワットのツアーガイドの仕事を始めました。ガイドの仕事に情熱を持ったロウは、プロのガイドとして国家資格を取得。現在は大学を卒業し、一人前のツアーガイドとして世界中の観光客を相手にカンボジアの歴史や文化、遺跡の魅力を伝えています。
職業訓練・収入創出

KnKカンボジアでは「若者家」の生活者や近隣コミュニティの青少年を対象に、就業に有利なコンピュータや英語の他、縫製、絹織物、籐家具などさまざまな職業訓練を提供しています。技術の習得は自立への近道となると同時に、彼らの自信にもつながります。しかし、習得した技術を活かせる雇用に結びつかなければその効果を存分に発揮することはできません。 現在、「若者の家」の敷地内で実施されている縫製、絹織物、籐家具の訓練を修了した青少年には、就職先を探すサポートの他、KnK主導で運営している生産者グループへの参加を呼びかけ、就業機会を提供しています。このグループの作った製品はKO&Co.のフェア・トレードを通じて日本でも販売されています。 また、2008年以降はヘンケルジャパン株式会社とタイアップした美容職業訓練も年に数回開催されています。
刑務所での活動

カンボジアでは、生活のために盗みをしたり、教育が受けられないために善悪を判断する能力に欠け、犯罪に手を染めてしまう子どもたちがいます。一方、刑務所では法に触れ収監された青少年に対し教育面のサポートがほとんど得られないという現状があります。 KnKカンボジアでは、バッタンバンとバンテアイミエンチェイの二つの刑務所において、収監された青少年に対し、
(1)識字や算数などの非公式教育
(2)絵画や縫製などの職業訓練
(3)家族の捜索など出所時のサポート
を行っていました(2015年4月終了)。現在は、出所時の「若者の家」への受け入れなどを通じて、支援の届きにくい状況に置かれる子どもたちのサポートを行っています。
国情報
カンボジアという国
インドシナ半島の南部に位置し、2世紀頃そこに「扶南」(ふなん)という国ができました。 メコンデルタの肥沃な土地もあり海外貿易も盛んでしたが そののち国は盛衰を繰り返します。9世紀頃には国が最も大きくなり大石造建築で有名なアンコール・ワットも造られました。1431年に隣国のタイに敗れ、また周辺国との戦いで国が衰えていきました。そのためフランスの植民地になり、1953年にシアヌーク国王の下で独立するまで90年間続きました。その後もクーデターや内戦などで国土が荒廃します。特にポル・ポト政権の時には自国民が300万人も虐殺され、教育・経済社会・文化など一切のものが破壊されてしまいました。1991年にようやく内戦が終わり国連カンボジア機構によって再建が行われ1993年に統一政府としてのカンボジア王国が誕生しました。2013年の総選挙で人民党の党首、フン・セン氏が首相に再選しました。人口は約1,500万人で大部分が仏教徒です。また人口の約3割は農民で主に稲作に従事しています。
正式名称 | カンボジア王国 / Kingdom of Cambodia |
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国旗 | ![]() |
面積 | 18.1万平方キロメートル(日本の約2分の1弱) |
人口 | 16.1百万人【2017年、IMF推定値】 |
首都 | プノンペン |
民族 | 人口の90%がカンボジア人(クメール人)とされている。 |
言語 | カンボジア語 |
宗教 | 仏教(一部少数民族はイスラム教) |
時差 | 時差は日本の2時間遅れ。日本の正午はカンボジアでは午前10:00となる。サマータイムはない。【地球の歩き方】 |
政体 | 立憲君主制 |
元首 首相 |
ノロドム・シハモニ国王 (2004年10月即位) フン・セン (人民党党首) |
気候 | カンボジアは熱帯モンスーン気候に属し大きく乾季と雨季の2つの季節に分けられる。同じ時期ならシェムリアップ、プノンペンなど地域による大きな違いはない。旅行のベストシーズンは乾季の11~5月で、なかでも11~1月が雨も少なく、比較的過ごしやすい。【地球の歩き方】 |
主な産業 | 農業(GDPの25.0%) 、工業(GDPの32.7%)、サービス業(GDPの42.3%)【2017年、ADB資料】 |
名目GDP | 約223億米ドル【2017年、IMF推定値】 |
一人当たりGDP | 1,390米ドル【2017年、IMF推定値】 |
通貨と為替レート | リエル 1米ドル=4,086リエル【2018年9月末時点、カンボジア中央銀行資料】 |
経済概況 | カンボジア経済は2004年から2007年までの4年間,10%を超える高い経済成長を記録した。しかし,サブプライムローン問題に端を発した世界同時不況の影響を受け,2009年の経済成長率は0.1%まで落ち込んだものの,翌年の2010年には6.1%にまで回復し,2011年以降は7%成長を続けている。経常収支及び財政収支は慢性的に赤字であり,2017年(IMF予測値)では,前者は▲8.8%(対GDP比),後者は▲3.6%(対GDP比)と予想されている。堅調な縫製品等の輸出品,建設業,サービス業及び海外直接投資の順調な増加により,今後も安定した経済成長が見込まれている。 |
「こんにちは」 | チョンム リアップ スア |
「さようなら」 | リア ハェイ |
「ありがとう」 | オークン |
国と子どもに関するデータ
出生数 | 365千人 | 2018年 |
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5歳未満児年間死亡人数(1000人当たり) | 28人 | 2018年 |
若者(15-24歳)の識字率(男子) | 92% | 2010-2018年* |
若者(15-24歳)の識字率(女子) | 93% | 2010-2018年* |
初等教育修了率(男子) | 68% | 2012-2018年* |
初等教育修了率(女子) | 79% | 2012-2018年* |
中等教育修了率(男子) | 41% | 2012-2018年* |
中等教育修了率(女子) | 39% | 2012-2018年* |
高等教育修了率(男子) | 20% | 2012-2018年* |
高等教育修了率(女子) | 20% | 2012-2018年* |
児童労働(5-17歳)の比率(男子) | 12% | 2010-2018年* |
児童労働(5-17歳)の比率(女子) | 14% | 2010-2018年* |
*: データが、列の見出しで指定されている期間内に入手できた直近の年次のものであることを示す。
x: データが列の見出しで指定されている年次もしくは期間以外のもの、標準的な定義によらないもの、または国内の一部地域のみに関するものであり、地域平均や世界平均の算出には含まれていないことを示す。
y: データが標準的な定義によらないもの、または国内の一部地域のみに関するものではあるが、地域平均や世界平均の 算出に含まれていることを示す。
−: データなし。
【出典:世界子供白書2019】