活動ニュース

各地での活動

バングラデシュ

国土の大部分がデルタ地域を中心とする低地であるバングラデシュは、世界でも類を見ない洪水常襲地域と呼ばれるように、自然災害に脆弱だと言われています。2007年11月の超大型サイクロン「シドル」では、死者、行方不明者あわせ て4,000名以上、被災家屋は50万軒にものぼりました。KnKは「シドル」の緊急支援を皮切りにバングラデシュで活動を開始しました。農村地域で貧困からの脱出 を目指し、基礎教育・職業訓練を提供し、組合事業へと発展させてきました。同時に、農村部から首都ダッカへ出稼ぎに出た青少年の保護を目的にダッカで2011 年からドロップ・インセンターを開始しました。
農村部での活動は一定の成果をおさめたため、2015年12月で一旦事業を終了し、 現在は定期的なモニタリングを行っています。

活動概要

支援期間 2008年1月~継続中
活動地 ダッカ県
支援内容 ・ダッカでストリートチルドレンを対象としたドロップインセンターを運営し食事と日中の睡眠場所の提供、教育クラスを実施しています。
支援対象 首都ダッカのストリートチルドレン、貧困家庭出身の青少年
【直接裨益者約750名/月】
※ バングラデシュにおけるKnKの活動は、宗教法人真如苑、株式会社タムラ製作所、レッドソックス(元オリックス・バファローズ)吉田正尚選手と日本の皆さまからのご寄付で成り立っています。

支援の紹介

ほほえみドロップインセンター (ダッカ)

職業ほほえみドロップインセンター

「ほほえみドロップインセンター」は、朝の9時から夕方の5時まで親元を離れ、ダッカの路上で生活するストリートチルドレンに対し、基礎教育、レクリエーション活動、昼食、カウンセリング、メディカルサポート、啓発活動などを提供しています。その他、センター施設内には、シャワー施設設備、私物を保管できるロッカー、キッチンスペースが備わっています。現在センターには6~16歳の年齢の子どもたちが一日約40人訪れています。

青少年の生活改善事業(2019年6月終了)

バングラデシュでは近年高い経済成長を達成し、貧困率は減少傾向にありますが、都市部と農村部の格差は依然大きく、仕事を求めて都市部への人口流出が起こっています。スラムや不法居住地で生活する貧困家庭では、青少年が学業を諦め家庭を支えるため働かざるを得ず、就職できるのはインフォーマルセクターが多くなります。インフォーマルセクターで働く青少年は、雇用契約書がないため解雇されやすかったり、低賃金、給与支払いが不定期、労働環境が劣悪などの問題を抱えています。
KnKはインフォーマルセクターで働く貧困家庭出身の青少年に職業訓練を提供し、より良い就職ができるようにサポートをしました。また、インフォーマルセクターの雇用主やコミュニティの方々に対して啓発活動、能力強化を行い、インフォーマルセクターの労働環境改善を行いました。(2019年6月に事業終了)

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農村部での協同組合活動、教育活動(2015年12月自立)

2007年のサイクロン「シドル」以降、ボリシャル地域で「全ての子どもたちに教 育を提供する」「女性が稼ぐことで、世帯収入の安定・向上」ことを目的にチル ドレン・センターの運営、職業訓練、協同組合活動を続けてきました。
この数年で、女性たちはたくましく成長し、収入は向上、協同組合活動も組織的に運営できる素地が整いました。
このような状況を鑑み、ボリシャル地域での事業は2015年12月で一旦終了し、今後はコミュニティによるチルドレン・センター運営、組合員による組合活動を定期的にモニタリング、フォローアップしていきます。

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国情報

バングラデシュという国

1971年にバングラデシュ人民共和国として独立を果たすまで、この地域はパキスタンの一部をなしていました。当時のパキスタンは、インド北西の現在のパキスタンと、インド北東の現在のバングラデシュからなる、世界でもまれな「飛び地国家」でした。しかし、言語の違いや西側に偏った政策などから東西パキスタンは対立し、また東パキスタンの独立を支持するインドが第三次印パ戦争に勝利したことから、1971年12月に独立しました。 現在の人口はおよそ1億5000万人。シンガポールなどごく面積の狭い国を除けば、世界で最も人口の過密した国と言えます。そして、長らく世界最貧国の一つとされていました。地理的にはガンジス川とブラマプトラ川の支流によるデルタ地帯がその大部分を占め、肥沃ながらも洪水被害の多発しやすい平野が広がっています。国土の大部分は海抜12m以下の低地であり、今後海面が上昇すれば、バングラデシュの国土の半分が水没するとも案じられています。こうした国土の67%は農耕地、その4分の3は稲作地帯ですが、現在この国に最も多くの外貨をもたらしているのは繊維産業です。

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正式名称 バングラデシュ人民共和国 / People’s Republic of Bangladesh
国旗 バングラデシュ
面積 14万7千平方キロメートル(日本の約4割、バングラデッシュ政府)
人口 1億6,935万人(2021年、世界銀行)
首都 ダッカ
民族 ベンガル人が大部分を占める。ミャンマーとの国境沿いのチッタゴン丘陵地域には、チャクマ族等を中心とした仏教徒系少数民族が居住。
言語 ベンガル語(国語)、成人(15歳以上)識字率:75.6%(2020年、バングラデシュ統計局)
宗教 イスラム教徒88.4%、その他(ヒンズー教徒、仏教徒、キリスト教徒)11.6%(2020年、バングラデシュ統計局)
時差 日本より3時間遅れ。日本が正午の時ダッカは午前9時。
政体 共和制
元首 モハンマド・シャハブッディン大統領
気候 熱帯性気候。涼しく乾燥した冬(10月から3月)。暑く湿気のある夏(3月から6月)。涼しく雨の多いモンスーン(6月から10月)
主な産業 衣料品、縫製品産業、農業
実質GDP 2,852億ドル(2021年、世界銀行)
一人当たりGDP 2,503ドル(2021年、世界銀行)
通貨と為替レート 通貨単位はタカ。
1米ドル=84.8タカ(2021年度平均、バングラデシュ統計局)
「こんにちは」 アッサラームレイコム
「さようなら」 コダハヴェス
「ありがとう」 ドンノバッドゥ
【出典:外務省/2023年6月1日】

国と子どもに関するデータ

出生数 3,020千人 2021年
5歳未満児年間死亡人数(1000人当たり) 27人 2021年
若者(15-24歳)の識字率(男子) 94% 2019年
若者(15-24歳)の識字率(女子) 96% 2019年
初等教育修了率(男子) 76% 2013-2022年*
初等教育修了率(女子) 89% 2013-2022年*
中等教育修了率(男子) 59% 2013-2022年*
中等教育修了率(女子) 71% 2013-2022年*
高等教育修了率(男子) 32% 2013-2022年*
高等教育修了率(女子) 27% 2013-2022年*
児童労働(5-17歳)の比率(男子) 9% 2013-2021年*
児童労働(5-17歳)の比率(女子) 5% 2013-2021年*

*: データが、列の見出しで指定されている期間内に入手できた直近の年次のものであることを示す。

【出典:世界子供白書2023】

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