活動ニュース

「ほほえみドロップインセンター」子どもたちが日々過ごしている環境について

報告:KnK スタッフ・バングラデシュ事業担当 三喜 一史

バングラデシュの首都ダッカで実施しているストリートチルドレンを対象としたドロップインセンター(DIC)は、路上で生活する子どもたちの支援を行っています。ダッカに流れる川の汚染とその影響について書いてある記事を読み、出張中に目の当たりにしてきた環境を皆さまにも共有させていただきたいと思ったのと、その環境下で子どもたちの健康維持に努めているDICの活動を紹介させてください。

バングラデシュを流れる多くの河川の一つにブリガンガ川があります。このブリガンガ川はDICの目の前を流れており、子どもたちが主に生活、活動している場所になります。そして、そのブリガンガ川について先日ロイター通信から記事が出ていました。
記事はこちらよりご確認ください。(*外部サイトに移動)

記事では産業の発展に伴い、川の汚染も進んだことが書かれていました。
「この川で沐浴すると、よく皮膚が疥癬(かいせん)になる。目がかゆくなり、ヒリヒリすることもある」とのインタビュー内容も載っていました。

DICに通う子どもたちもこの川沿いを中心に生活している子が多いです。
中には記事に書かれているように川で水浴びをしている子も見かけます。

船着き場にいる子ども

ちなみに、個人的には慣れてしまいあまり何も感じないですが、現地を訪問すると強い異臭も時折感じます。去年友情のレポーターで日本の子どもを2名連れていった際にはあまりの臭いに具合が悪くなるほどでした。

ゴミで埋まった川

生活用水・汚水で悪臭が鼻をつく

他にも道路や河にはゴミも多いですが、どこから出たのか金属のスクラップも多く転がっており、川に入ることでの皮膚病の他、ケガにも気を付けなければなりません。

そんな中DICでは怪我をした子の応急手当をしています。怪我をしてDICにやってきた子に対してスタッフが簡単に応急手当てをしています。もちろん医療の専門知識があるわけではないのでスタッフの手に負えない状況になれば近くの病院に引率する流れになっていますが、幸い、ここ数年そういったケースは発生しませんでした。傷を作ってしまう他に前述のように皮膚病の発生もしやすい環境なので、DICに来る子どもたちに対しては川で身体を洗うのではなく、DIC内のシャワー室で身体を洗うよう教えている他、衣類の洗濯もするようにし身体を清潔に保つように教えています。その甲斐があってか、月平均の応急手当ての対応件数もコロナ前の2018年、2019年は約23人弱/月であったのに対して去年・今年は約12人弱/月と半減しました。ショドルガット近辺も多少整理・整備されている様子もあるので理由は一つでもないと思いますが。

DIC内で手当てをしている様子

汚染された川の裏には色々な問題が潜んでいるのだと思います。記事にあったように工場から適切に処理されていない汚水を流すことも問題でしょう。ただそういった工場によって経済が成り立っており、その経済圏についてもバングラデシュ国内だけで終わる話しでもないのでしょう。問題は大きく、一つのアプローチで全てが解決できない難しいものでもあるのかと思います。大きな問題があるという意識を持ちつつ、ひとつ、我々が子どもたちにできることは子どもたち自身が健康的に生活できるような知識を育める機会を設けることなのかもしれないと考えています。ということで今日も現地スタッフたちは子どもの様子を気にかけてDICで活動しているのです。

 

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