6月12日は、国際労働機関(ILO)が定めた「児童労働反対世界デー」です。
「児童労働」について、あなたはどれだけ知っていますか?
許容できる仕事と許容できない児童労働
「子どもが従事する労働」のうちで、訓練の一環にあたるものや家庭生活の一部となっている軽作業で、勉強と両立可能なものは許容範囲にあると言えるでしょう。
一方で、年齢にそぐわない重労働や長時間にわたるもの、危険な作業などは許容範囲外と考えられます。
国際条約にしたがった定義としては、15歳未満(途上国は14歳未満、つまり義務教育を受けるべき年齢の子ども)の労働と、18歳未満の危険有害労働を指しています。
それでは、世界には「児童労働」に従事している子どもたちは何人ぐらいいるのでしょう?
ILOによる2017年9月の発表では、全世界の児童労働者(5歳-17歳)は約1億5200万人いるとされています。これは世界の子どものうち、およそ10人に1人が働いていることになります。
4年前の発表では、9人に1人が児童労働をしていると報告されていたので、少し改善されています。
このうち、子ども兵士や人身売買など、危険で有害な労働をさせられている子どもは7300万人に上ります。(日本の総人口は約1億2700万人)
世界には、年齢にそぐわない受け入れがたい重労働を強いられている子どもたちがどれほどいるのか、想像してみてください。
地球上から児童労働をなくすために、国連機関や各国政府、そして国境なき子どもたち(KnK)のようなNGOが、さまざまな形で課題解決に取り組んでいます。
児童労働との闘い KnKが行ってきた取り組み
児童労働との闘い —
それは「貧困との闘い」とも言いかえることができます。
2000年~継続:自立支援施設「若者の家」の運営
- 2000年~継続 自立支援施設「若者の家」 in カンボジア
- 2001年~継続 自立支援施設「若者の家」 in フィリピン
- 2001年~2008 自立支援施設「若者の家」 in ベトナム
KnKは2000年以降、カンボジアとフィリピンで自立支援施設「若者の家」を運営し、ストリートチルドレンや人身売買の被害に遭った子どもなど、貧困の犠牲となった青少年に、教育や職業訓練の機会を提供しています。また、安全な衣食住を提供し、彼らが児童労働の被害に巻き込まれず、社会に出て自立できるよう、寄り添い続けています。
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2006年~継続:収入創出活動(IGA) in カンボジア
カンボジアのバッタンバンでは、2006年より絹織物、縫製、籐家具の職業訓練をスタートしました。
2018年現在は、「若者の家」で暮らしている青少年だけでなく、近隣に住む若い女性を対象として絹織物や縫製技術を活かした収入創出活動を行っています。若い母親が手に職を持ち、現金収入を得ることができれば、その子どもが児童労働などの危険に曝されることも防げます。
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2008年~2013年:職業訓練 in バングラデシュ
バングラデシュ南部で前年11月に発生した巨大サイクロン「シドル」の被災地、ピロジュプール県において、チルドレンセンター運営による教育支援を行いました。加えて、貧困による未成年者の出稼ぎ(児童労働)を防止するため、縫製や機織りの職業訓練を実施しました。
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2009年:写真展で国際理解促進 in 東京
「国境なき子どもたち写真展 2009 Against the Wind -バングラデシュで生きぬく子どもたち-」(撮影:フォトグラファー 渋谷 敦志)
約1000名の方が来場し、バングラデシュの児童労働問題に対する理解を深めてくれました。
日本にいる私たちが児童労働の問題を知ることは、課題解決のためにとても必要です。
2010年~2015年:協同組合設立 in バングラデシュ
2008年に開始した職業訓練で培った技術を活かし、現金収入を得られるよう、各村の保護者層から数名が代表となり2010年に職業訓練修了生による協同組合を設立しました。若い母親が手に職を持ち、現金収入を得られれば、その子どもが児童労働などの危険に曝されることを防げます。
日本人を配置し実施した技術訓練・組合運営や組織づくりに関するサポートは2015年まで継続し、翌年以降は運営を組合員たちにまかせ、モニタリングベースで事業を見守っています。
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2016年~継続中:インフォーマルセクターでの労働環境改善支援 in バングラデシュ
バングラデシュの首都ダッカにおいて、劣悪な環境下で働かざるをえない青少年が貧困の連鎖から抜け出し、彼らの生活環境が改善されることを目指して、以下の活動を開始しました。
- 青少年に職業訓練を提供し、フォーマルセクターへの就職や開業をサポートする。
- インフォーマルセクターの雇用主・コミュニティ・青少年自身に対し子どもの権利や労働法などについて啓発・能力強化を行い、インフォーマルセクターの労働環境改善を促進する。
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児童労働に反対の声をあげることは大切です。その上で、KnKは子どもたちひとりひとりが抱える問題や、彼らが暮らす地域社会の課題に向き合い、その場において最善の改善策を積み重ねています。
※ KnKの活動は、日本の皆さまからのご寄付で成り立っています。
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