2015/11/27
報告:プロジェクト・コーディネーター 土岐 三輪
バングラデシュの農村にて、女性の収入創出活動を行っています。
女性が家の外で働いたり、現金を手にすることが少なかった農村地域で、女性がミシンを使って収入を得られるようになることを目指しています。
「一人では難しいことも、数人が集まれば、きっとできるようになる」との思いから、女性による協同組合を設立し、自立した運営を図っています。
組合の設立から6年、女性たちの主体的な「歩み」をご紹介します。
センターでのショールーム
今年8月に、各組合センターに、ショールームがオープンしました!
ショーケースには布やレースが並べられ、周辺に住む村人がやってきて、布を購入します。その際に、組合員に仕立て物をオーダーすることで、組合員は収入(工賃)を得ることができます。
数名の組合員が共同でショールームを管理しており、シフトを組んだり、資材の買い出しや、売上の管理を行ったりしています。
共有資機材の管理
真如苑さまのご厚意で建設された組合センター、助成金により購入したミシン。
これらは組合の共有資産として管理されています。
ミシンは、自宅に所有していない組合員には有料で貸し出され、賃貸料をとることで、センターと資機材のメンテナンス経費をまかなっています。
組合員の中には、遠くに住んでいたり、子育て、家事、農業作業、家畜の世話などで忙しく、センターに来ることが難しいメンバーもいます。ミシンを借りることで、忙しい合間を縫って自宅で作業したり、手が空いた夜間に作業をしています。
共有資金の管理
共有資機材をメンテナンスしたり、共同で行うショールームのお金を出し入れするために、組合の共有資金を管理しています。
毎月の会合では、ミシン賃貸料を集め、ショールームの売上を入金します。そこからセンターのメンテナンス経費を支出し、組合員へ貸し付ける無償融資の貸し出し・返済を行っています。
お金の出し入れは会計帳簿へ記載し、現金は現金ボックスへ入れて保管しています。
会計帳簿を学び始めてから2年、自分たちで資金を管理できるようになってきています。
組合から無償融資を受けた組合員は、ローカル市場で資材を買い付けて自宅で販売するなどして、更にビジネスを拡大させています。
組合会合
これらの組合運営を、毎月の会合によって進めています。組合会合では、組合員が司会進行をして、資金の管理を始め、無償融資を受けたい人の申し出と承認、村人からのオーダー獲得の情報、センター備品のメンテナンス状況などを話し合います。
会合の内容は議事録に残し、先月に何を話し合ったかが分かるようになっています。
今では収入があることが当たり前のように話し、「先月は風邪を引いて、これしか稼げなかったー」と不満気な様子を見せる組合員ですが、2年前に「村人から初めてオーダーをもらったの!」と嬉しそうに報告してくれたことが懐かしく思い出されます。
一歩一歩着実にチャレンジし、できることを増やし、自信を持って話すようになった彼女たちの姿を、私たちも嬉しく、誇らしく見守っています。
※この活動は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」の活用ならびに日本の皆さまからのご支援で成り立っています。
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【バングラデシュ活動概要】