活動ニュース

【パキスタン】世代を超えて広まる女子の学びの機会

報告:パキスタン事業担当 村松さやか

2025年2月25日~2026年2月24日にかけて実施したパキスタン・バロチスタン州における事業の一環として、2025年12月に大竹・村松の2名がイスラマバードのチームと合流し、現行事業の学校を訪問しました。

対象校の4校はいずれも完成また完成間近であり、現地関係者のサプライズで私たちの訪問にあわせて落成式との日程を合わせてくれました。予定にはなかったまさかの学校の完成と落成式に驚きと喜び、同時に子どもたちや地域の方々、学校関係者の皆さんがこの学校の再建をどれほど待ち望んでいたかが伝わる時間となりました。

Gandakha校落成式の様子

最終日に訪れたのは、再建中の学校でした。週末にもかかわらず、完成間近の教室に入ると数名の子どもたちの姿、そして教室の片隅に、一人の年配の女性が座っている姿がありました。話を聞くと、今回来てくれた女の子のお祖母さんでした。女の子が住んでいる家は学校から離れているため、地域の人たちが利用する乗合の乗用車で通っているそうです。女の子のお祖母さんは手仕事でつくったものを町で売り、そうして稼いだお金で孫が学校へ通うための交通費などに充てているとのことでした。学校に通いたい女の子、そして孫を学校に通わせたいと支え続けているお祖母さんの気持ちを知り、世代を超えて「女子の学校に行く機会」が大切にされていることを感じ、うれしい気持ちになりました。また休日にもかかわらず、この日のために足を運んでくれたことに感謝の思いが込み上げました。

休日に迎えてくれた子どもたち

学校の視察後、13歳の一人の女子生徒の家庭を訪問させていただきました。対象地は貧困地域で、さまざまな理由から学校に通えない子どもたちも少なくありません。今回訪れた家庭も、日々の暮らしを支えるために、牛糞に土や藁を混ぜて家を補強したり、洗濯をしたりと、家族が力を合わせて生活していました。家庭は再建中の学校のすぐ隣にあり、祖母を含む二世代が同居しています。その日は母親と姉妹、そしてお祖母さんが私たちを迎えてくれました。女子生徒は5人姉妹、弟1人の6人姉弟です。父親は出稼ぎに出ており、姉たちは学校には通わず、母親の家事を手伝っていると話してくれました。限られた敷地の中で、息子が1部屋を、5人の姉妹が1部屋を共有して生活していました。

温かく迎えてくれた家庭訪問

家の敷地内に入ると、日中は洗い物を干したり手仕事をするために外に置いてあるベッドの上に座るよう私たちを案内してくれました。このように日中、外にベッドを出して作業をしたりおしゃべりしたりする風景は、その前に訪問していたパンジャブ州の支援先でもよく見られる風景でした。そこに私たち日本人2名と女子生徒を囲むように教員、女子生徒の母親と姉妹が座り、少しのあいだ話をしました。

事業開始前の学校の校舎は、老朽化や洪水被害により危険な状態にあり、母親は娘を通わせることを途中からやめ、姉たちのように家の手伝いをさせていました。しかし、再建されていく学校を見ながら、その女子生徒は「もう一度学校に通いたい」と勇気を出して家族に伝えました。話をするたびに感情が込みあげ涙をこぼす彼女の姿に、私たちはそれ以上、直接質問を重ねることを控えました。

母親もまた涙を見せながら、家事を手伝ってくれる娘たちの存在と、「学びたい」という娘の思いとの間で葛藤していたことを語ってくれました。学校の先生方や周囲の女子生徒の支えもあり、彼女は再び学校に通うことになりました。これから新校舎で新学期を迎えるにあたり、先生方のサポートを受けながら、これまでの学習の遅れを取り戻していく予定です。

今回の事業を通じて、女の子たちが「また学校に行きたい」と声に出せるきっかけが生まれました。貧困という大きな壁はあるものの、保護者が安心して娘を通わせられる学校環境を広げていくことができれば、より多くの女の子たちが学ぶ機会をつかめるのだと強く感じました。

本事業は2月24日に終了しました。新学期の登録は3月から4月頃に始まります。
次回は、ご支援いただいた皆さまへ、新しい学校で学ぶ子どもたちの笑顔をお届けできればと思います。

学校完成を喜ぶ子どもたち

完成したAli Abad Jamali校

※ パキスタンにおけるKnKの活動は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」の活用、ならびに日本の皆さまからのご寄付で成り立っています。

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