活動ニュース

パキスタン:社会課題の解決に向けて変化を起こしていく人々

報告:パキスタン事業担当 大竹 綾子

8月下旬、女子の中等教育へのアクセス改善に取り組んでいるハイバル・パフトゥンハー(KP)州の事業地を訪問してまいりました。今回は4ヵ所の地域・学校を昨年に続いて再訪することができ、活動への新しい視座も得られたように思います。対象の学校を訪れると必ず目を見張るのは、女子生徒たちのエネルギッシュで前向きな変化です。新しい校舎で学びたくて仕方がないといった態度や、知識・スキルを身に着けて自信に満ちた彼女たちの姿にはいつも驚かされます。それに加えて、今回の訪問では、これまで間近に感じたことのなかったような、各学校の教師やPTAの方々の日々の奮闘ぶりを垣間見ることができました。

将来の夢を劇にしてくれました

PTAのお母さんたち

「お元気でしたか?また会えてとっても嬉しいです」という挨拶のあと、男性スタッフや村の長老たちが席をはずすと、先生やPTAのお母さん方がお喋りに花を咲かせてくれます。

「この学校では教員の半数が校内の部屋に住み込みをしながら教えてくれています。遠くから子連れで赴任してくる先生もいます」「生徒がしばらく学校へ来ないと、担任の先生が我々PTAと一緒に山向こうの生徒の家まで家庭訪問に行ってくれるのですよ」東京の事務所でパソコンに向かう毎日からは見えていなかった先生方の顔や風景が見えてきました。

「生徒たちは今、実に忙しい毎日を過ごしています。家事や弟・妹たちの世話、家畜の餌やりに畑仕事や水汲みまでしながら、学校に通い、勉強も頑張ります。だから、生徒が昼間の授業に出られないときは、夕方まで教室を開けておくのです」(Thakot校の先生)

「近所に住む女の子が落ち込んでいたので話を聞くと、旦那から暴力を受けていることがわかりました。離婚後、高校に通えるようサポートをしたら、以前のような愛らしい笑顔が戻ってきました」(Shamdara校のPTAメンバー)

あの山の麓にあるひっそりとした学校や村の中で、先生やお母さんたちがどんなふうに生徒に心を砕き関わりあっているのかを今は具体的にイメージできるようになりました。何気ない日常の中で、小さいけれども代えがたいそうした女性たちの一つひとつのアクションがコミュニティ・ワークへとつながっているようにも思えます。

生徒が先生の子育ても手伝う

パキスタンの現地チームは、「社会課題の解決に向けて変化を起こしていく人」や「変革推進者」を「チェンジ・エージェント」と呼んでいました。アドボカシーを行うコミュニティの有力者グループやガールズユースアンバサダーとして活躍する女子大学生がその代表です。同時に、山間の辺境の村々においては、女の子たちに最も身近なところにいる教師やPTAのお母さん一人ひとりが「チェンジ・エージェント」としてコミットしてくださっている、その事実にあらためて気づかされた出張でした。

ガールズユースアンバサダーの女子大学生と

 

※ パキスタンにおけるKnKの活動は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」の活用、ならびに日本の皆さまからのご寄付で成り立っています。

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50en imakihu
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