活動ニュース

パキスタン:バロチスタン州で女子の安心・安全な学校づくりを開始しました!

報告:パキスタン事業担当 大竹 綾子

パキスタンにおける女子教育向上を目指したKnKの活動は、今年から、北西部のハイバル・パフトゥンハー(KP)州から南部のバロチスタン州へ事業地を移しています。

バロチスタン州は、国土の3分の1が水没した2022年の大洪水で壊滅的な被害に見舞われた地域です。災害後、KnKは、テントや生活用品を配布、さらに2023年には、引き続き生活の場を失い家計の切迫していた人々に対してシェルターや家屋の修理資材を提供するとともに、水のろ過装置をコミュニティに設置して人々が安全な飲み水を確保できるよう支援しました。

ですが、バロチスタン州は従来から食糧不安や栄養失調、困窮する家庭が多い地域で、そこに大洪水が追い打ちをかけたため、影響は依然深刻です。特に、教育インフラは、塩水等の影響も強く既に老朽化していた校舎が水害により破壊され、授業を受ける子どもたちの校舎は、基礎から屋根に至るかなりの部分が劣悪な状態にあります。バロチスタン州にある全22,000の集落のうち、約10,000ヵ所に学校がありません。特に女子の退学や休学がこの1-2年で大幅に増加しているのが現状です。

塩水の影響で校舎の老朽化が激しい

安全な学習環境の整備が喫緊の課題

今年2月から、KnKは、小学校2校、中学校1校、中高一貫校1校の計4校の校舎を建設、衛生インフラを整備して女子が安心・安全に通える学校環境を支援しています。バロチスタン州では、施設不備の問題のほか、身体的な暴力を受けた経験のある女性の割合が約50%と高く、GBV(Gender-based violence: ジェンダーに基づく暴力)の問題も数多くあるといわれています。女性が家庭内で決定権を持てる割合は10%という報告を目にしました。こうした数字をこれから少しずつでも変えていくことができればと思います。

それには、コミュニティだけでなく、女の子たち自身もGBVに関する知識を得たり、自分の権利を守ってよいのだと知ることも大切です。KnKの対象各校では、女子生徒10名から成るStudent Clubを立ち上げ、仲間同士で学び合っています。学校を中心に、大事なことに気づき、地域が変わっていくよう心を砕く女子や女性たち、コミュニティの人々が増えていくよう期待します。

Students Clubに選ばれた生徒たち

グループディスカッションで学び合う

パキスタンは、気候変動の影響が非常に大きい国です。所得格差や難民の受け入れ、経済危機や政情不安などの問題も複合的に絡み、人々のウェルビーイングが奪われます。KnKがこれからどう力になれるかが試されていると思います。

※ パキスタンにおけるKnKの活動は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」の活用、ならびに日本の皆さまからのご寄付で成り立っています。

子どもたちを支えるために、あなたのサポートを必要としています


50en imakihu
5,000円で、5人の青少年が1ヵ月間、学校に通えます。
KnKへのご寄付は寄付金控除の対象となり、税制上の優遇措置を受けられます。

【パキスタン活動概要】

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