活動ニュース

一人の少女の決意 ~逆境に立ち向かう強い意志~

こんにちは。
パキスタン事務所のマリアムです。女子教育向上事業のモニタリングを担当しています。
私たちが活動を行うハイバル・パフトゥーンハー州の事業地では、逆境の中でも強い意志を持って伝統や規範を変えていこうとする女子の姿が見られ、私自身も沢山のインスピレーションをもらっています。
今回はマンセラ郡のある女子校に通う女の子ファリハさん(仮名、18歳)のストーリーをご紹介します。

ファリハさんは、小学校入学当時からとても勉強熱心で成績もよい生徒でした。ファリハさんが7歳のとき父親が亡くなりましたが、彼女のポテンシャルを伸ばそうと、家族はファリハさんの通学をずっと応援していたそうです。ですが、在宅でテーラーとして働く母親の稼ぎは、ファリハさんと妹弟の5人を育てるにはぎりぎりで、親戚からも援助を受けられず、ファリハさんが14歳のとき、とうとう彼女の結婚が取り決められました。

この時から、いくつもの困難がファリハさんの前に立ちはだかったといいます。
〇アクセスの制限: 夫の家族と別の村に暮らすことになり、通学を続けられなくなりました。
〇家事の負担: 幼くして結婚したため、一人で家事をすべてこなすのは大きな負担になりました。
〇自主性の欠如: 結婚とその後の人生において、ファリハさんは決定権を失いました。
〇社会的偏見: 社会的なプレッシャーにより、結婚後は伝統的な女性の役割に従わざるを得ませんでした。
〇家庭内暴力: フルタイムの使用人のような扱いで、夫と義母から暴力を受けていました。

こうした課題にもかかわらず、ファリハさんはあきらめませんでした。2年間の結婚生活の後、ファリハさんは勇気を出して、夫や義理の両親に復学の相談をするも即拒否されたそうです。それでも、ファリハさんの決意は揺らがず、コミュニティの調停制度のもと訴えを出しました。そして最終的に夫との離婚が成立したのです。今では中学校の9年生として元気に通学し、将来はファッションデザイナーになりたいと考えています。

ファリハさんのストーリーは、逆境においてもセカンドチャンスを掴めること、また、これまで機会を制限されてきた様々な壁に果敢に挑戦する勇気を象徴していると思います。彼女の歩みは、一人の少女の決意が変革をもたらす力になることの証でもあり、村の他の若い女性、ひときわ花嫁たちにとっての希望になると思います。

※ パキスタンにおけるKnKの活動は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」の活用、ならびに日本の皆さまからのご寄付で成り立っています。

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50en imakihu
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