2020年初頭の新型コロナウイルス感染拡大から2年が経ち、日本でも授業や仕事、アーティストのライブまでオンラインが導入されるなど、様々な変化がありました。この変化に慣れてきた側面もあれば、まだ慣れない側面もあるかもしれません。
「若者の家」でアクティビティを実施
2022年1月に入り、新型コロナウイルスの感染拡大が再び瞬く間に広がっているフィリピンにおいて、昨年末、感染拡大状況に比較的落ち着きが見られたため、10月から11月にかけ、数日にわけて「若者の家」でアクティビティを実施しました。その報告が届いたので、写真と共にお送りします。
子どもたちは世界でもっとも価値のある財産であり、また未来への一番の希望でもある
政府によって定められた安全手順を遵守
新型コロナウイルスのアラートが一時的に下がったため、屋内外での様々な活動を通して「子ども月間」をお祝いしました。
新型コロナウイルスが私たちの生活に大きな影響を与えていることはみんなが感じていることだと思います。新型コロナウイルスは私たちの生活、活動、仕事にまで影響を与えました。特に、厳しい生活環境に置かれている方々にとってはこの日々を生きていくことは大きな課題でもあり、困難でもありました。そして子どもたちもこの気の滅入る日々の例外ではありません。
そのため、私たちは新型コロナウイルスがなかったころのように子どもたちが遊び、歩き回り、息ができるようにしようと考えました。子どもたちが、なんの心配もなく以前のようにもう一度友だちと交わり、社会生活を楽しめるよう、政府によって定められた安全手順を遵守しました。
様々な活動を心から楽しむ子どもたち
2021年10月から11月にかけ、「若者の家」の子どもたちがオンライン授業に出席した後、バドミントン、卓球、バスケットボール、チェスなど様々な活動を行いました。初めて卓球をする子どもも、最初は上手にできなくても、その表情から楽しんでいる様子がうかがえました。また、スポーツを通して子どもたちの関係性が良くなっていることも感じました。我慢強さや、協力すること、お互いの意見を聞くことなどを学んでいるようでした。
お祈り、国歌斉唱から始まり、「若者の家」の子どもの一人が、初めて人前でピアノを披露しました。
子どもたちが作ったスローガン
その後、子どもたちは一人一人、自分たちが考えた「子ども月間」や子どもの権利に関するスローガンを発表しました。最初は恥ずかしがったり不安そうにしていた子どもたちも、立ち上がり、自分の考えや意見を自由に表現しました。子どもたちが考えたスローガンをいくつか紹介します。
〇 “新しい日常(ニューノーマル)”において子どもはどんな虐待もハラスメントも経験するべきではない
〇 感染拡大は子どもの幸せを脅かす理由にはならない
〇 子どもの権利を死守する
〇 “新しい日常(ニューノーマル)”:愛情やケアから取り残される子どもがいない
その後、各地域の子どもたちがジングルベルを使った発表をしたり、外でいろいろなゲームも行い、子どもたちにとって、とてもエキサイティングでもあり、リラックスでき、そして楽しい日になりました。
今回の活動が重要であったことを確認
新型コロナウイルス感染拡大が始まってから、子どもたちは退屈し、ストレスを感じ、同じ日々の生活に嫌気がさし、何かすることを探している様子が見られました。対面授業や友だちとの社会生活を恋しく思い、外出したいと願っていました。
今回のような活動は、感染拡大の日々の中で次のような理由から重要だったと思っています。
〇 子どもたちの心身をいやす機会になりました。ゲームをしながら動いたり考えたりすることで彼ら自身の緊張をほぐすことができました。
〇 アクティビティを通して、自分を表現し、コミュニケーションもよくとっていました。
〇 彼ら自身、家の隅に閉じ込められてかわいそうな自分たちという認識から、守られ、健康でいられる恵まれている自分たちへと視点を変えることにつながりました。
〇 友だちとの協力や調整を学びました。
〇 ポジティブな思考になり、明るい未来を楽しみにし始めました。
〇 音楽や絵画における子どもたちの才能を披露する機会にもなりました。退屈でストレスがある日々に、子どもたちが楽器を練習する励みにもなりました。
〇 そして、彼らはまだ子どもで、スタッフのサポートを受けて遊んだり、歌ったりしていいんだということを彼らが思いだす機会にもなりました。
感染拡大による規制や制限はまだ続きますが、子どもたちの健やかな成長を守れるよう、引き続き尽力していきます。
子どもたちを支えるために、あなたのサポートを必要としています
5,000円で、5人の青少年が1ヵ月間、学校に通えます。
KnKへのご寄付は寄付金控除の対象となり、税制上の優遇措置を受けられます。
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