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対面によるノンフォーマル教育が1年ぶりに再開

2021年5月6日、マニラ首都圏のスラム地域パヤタスにある国境なき子どもたち(KnK)のチルドレンセンターで、約1年ぶりに対面でのノンフォーマル教育クラス(※)が再開されました。昨年3月のロックダウン以来、久々に顔を合わせての授業とあって、この日を待ちわびた若者たちから喜びの声が聞かれました。

マニラ首都圏パヤタスにあるKnKのチルドレンセンターにて、授業再開の様子

パヤタスで、パートナーと子どもと三人で暮らすローダリン(19歳)もその一人です。彼女は小学校しか卒業しておらず、現在は高校卒業の資格を得るため、KnKで学んでいます。

インタビューに答えてくれたローダリン

Q:KnKの対面授業の再開を知った時どう思いましたか?

すぐに今の仕事をやめて授業に出席することを決めました。学業を終えて資格を得る方が、よりまともな仕事に就け、家計を維持できるようになるからです。
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Q:現在の生活はどうですか?

パートナーは建設現場で働いていましたが、コロナ禍で仕事がなくなりました。以前はパートナーが一人で家計を支えてくれていたので、今は収入がなく、親戚の家に間借りしている状況です。私は最近までフィリピンの地元のお菓子を売り歩いていましたが、収入は1日140~180ペソ(約300円~400円)程度でした。
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Q:対面授業とオンライン授業と、どちらが良いですか?

私は対面授業のほうが良いです。説明が分かりやすいですし、分からないことがあればその場ですぐ質問し解決できるからです。
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Q:どうして学業を続けたいですか?

貧しいまま死にたくないからです。家族がまともな生活を送れるようにしたい、そして自分たち家族の家を持ちたいです。
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Q:将来の夢を教えてください。

KnKのノンフォーマル教育を受け、高校卒業認定資格の試験に合格して、大学でコンピューター技術を学びたいです。
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KnKのノンフォーマル教育クラスに出席する若者は、ローダリンのように学業から離れて数年が経過していたり、出生届がなかったために進学できなかったり、家庭が貧しく自身が働くために学校へ定期的に通えなくなったりと、さまざまな事情を抱えています。
加えてこのコロナ禍で家計はますます厳しくなり、またオンライン授業が当たり前となりつつある現在、インターネット環境やパソコンなどを持たない家庭の若者たちは教育機会をさらに失ってしまいました。

KnKでもコロナ禍が始まって以来、ノンフォーマル教育を継続できるよう、対面授業の代わりに携帯電話のアプリケーションを使い、先生が投稿した課題を生徒が解答する方法で活動を継続してきました。現在でも17歳以下の外出はまだ許されていないため、同じ形式でオンライン授業を継続したり、携帯電話を持たない子どもに対しては家庭訪問を実施したり、タブレットを貸し出したりと、さまざまな工夫をして教育活動を続けています。

ですが、対面授業に勝るものは今のところないようです。クラスを受け持つマリリン先生は、「スラムの子ども・若者の大半はオンライン授業に参加するための通信機器を持っていないので、対面授業を再開できて本当に良かったです。学習から遠ざかっていた生徒たちに夢や目標を改めて思い出してもらい、学業に励むよう応援していきたいです」と、語ってくれました。

ローダリンにインタビューするマリリン先生(右)

気持ちを新たに、再出発した若者たちの目は真剣そのもの

コロナ禍で学ぶ機会を突然失ってしまった若者たちは、対面授業の再開で、また学べることを心から喜び、新たな気持ちで再出発しました。コロナ禍によって一進一退の状況はまだまだ続くと思われますが、若者たちの再出発を心から応援、支援したく、この記事を読んでくださった皆さまにもKnKと一緒にフィリピンの若者たちを応援いただきたく、これからも一緒に見守ってください。よろしくお願いいたします。

(※)フィリピンのノンフォーマル教育について
フィリピンでは通常、6月に新学年がスタートしますが、その前に年に一度、ノンフォーマル教育(フィリピンでは、Alternative Learning System、略してALSと呼ばれる)の学業修了試験が全国で実施されます。これに合格すると公立学校と同等の修了資格を得られます。試験は初等レベルと中等レベルの2種類があり、決められたカリキュラムを一定時間学ぶと受験できます。現在KnKは、パヤタスに加えバゴンシーランのチルドレンセンターでこのノンフォーマル教育を実施し、約200名の子ども・若者たちが登録しています。

 

2021年夏のご寄付のお願い 例えば5000円あれば、フィリピンのスラム地域の若者30名が約2週間、高校卒業認定の資格を目指す授業を受けられます。

 

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