3月3日は「桃の節句」。
日本ではこの時季お雛さまを飾り、女の子の健康と幸せを祈る習わしが江戸時代から続いています。
KnK活動各国における女子中等教育純出席率を比較
私たちKnKは、女子の幸せに教育は必要不可欠だと考えます。
現在、活動している日本を含む9ヵ国(地域)においても、男女の分け隔てなく教育機会を提供しております。
今回は、活動している各国の女子中等教育純出席率*(=中等教育を受け、実際授業に出席できている女子の割合)に注目し、活動内容とあわせてご紹介します。
カンボジア
カンボジアで中等教育を受けられる女子は、10人中4.5人。半数以下です。
カンボジアにおけるKnKの活動
(バッタンバン州、バンテアイミエンチェイ州/ 直接裨益者数約400名)
- 自立支援施設「若者の家」における安定した衣食住と教育・訓練機会の提供。
- 収入創出活動(絹織物、縫製)。
- 職業訓練(絹織物、縫製、コンピュータ、英語)。
フィリピン
フィリピンで中等教育を受けられる女子は、10人中7人です。
フィリピンにおけるKnKの活動
(マニラ首都圏ケソン市、カラオカン・ノース市/>直接裨益者数約500名)
- スラム地区(2ヵ所)で青少年と保護者へ非公式教育や課外・啓発活動。
- 自立支援施設「若者の家」における安定した衣食住と教育・訓練機会の提供。
- 職業訓練(コンピュータ、縫製、手工芸)。
- 非行青少年収容所の訪問、教育活動。
パキスタン
パキスタンで中等教育を受けられる女子は、KnK活動国の中では最も少なく、10人中3.8人です。
パキスタンにおけるKnKの活動
(アーザード・ジャンムー・カシミール地域ムザファラバード郡、ハティアンバラ郡/直接裨益者数974名)
- ムザファラバード郡およびハティアンバラ郡の3村で、2005年の大地震で被災した6校を再建。
- 再建校の教師や生徒会、地域の保護者に対し教育に関する研修、およびそのフォローアップを実施。
バングラデシュ
バングラデシュで中等教育を受けられる女子も半数以下の10人中4.7人です。
バングラデシュにおけるKnKの活動
(ピロジュプール県 、ダッカ県/直接裨益者数約950名)
- ビロジュプール県5村で職業訓練(縫製、機織り)修了生対象の協同組合運営、縫製製品販売、就学前教育をフォローアップ。
- 首都ダッカでストリートチルドレン対象のドロップインセンター運営。
ミャンマー
ミャンマーで中等教育を受けられる女子は、10人中5.9人です。
ミャンマー(ビルマ)におけるKnKの活動
(カレン州コーカレータウンシップ/直接裨益者数生徒1,238名、教師67名)
- カレン州少数民族帰還民支援として、コーカレータウンシップの村にて学校修復事業を実施。同時に教師や生徒会、地域の保護者に対し修復箇所の維持管理についての計画作りワークショップも実施。
ヨルダン/シリア難民支援
ヨルダンで中等教育を受けられる女子は、10人中7.7人です。
シリアで中等教育を受けられる女子は、10人中6.3人です。
ヨルダンにおけるKnKのシリア難民支援活動
(アンマン、マフラック県)
- ザアタリ難民キャンプの中学校3校にて、基礎力向上を目指す授業を実施。
- ヨルダン首都アンマンの公立校10校にて、シリア難民およびヨルダン人生徒に対する補習授業を実施。同時に教員研修およびヨルダン教育省の能力強化も実施。
パレスチナ
パレスチナで中等教育を受けられる女子は、10人中7.6人です。
パレスチナにおけるKnKの活動
(パレスチナヨルダン川西岸地区エルサレム県アルザリア村、アブディス村、アルサワフラ村、シェイケサッド村/直接裨益者数750名)
- 現地NGOと共に地域の公立学校における課外教育活動の実施支援と、ユースセンターで青少年向けのワークショップを実施。
イラク
イラクで中等教育を受けられる女子は、半数以下の10人中4.5人です。
日本
日本における女子中等教育純出席率データはありませんが、女子中等教育純就学率は99%、つまり10人中9.9人の女子は中等教育を受けられる環境にあるとされています。
日本におけるKnKの活動
(主に岩手県)
- 2011年3月の東日本大震災で被災した岩手県山田町、釜石市、大船渡市で19のコミュニティセンターおよび公民館の再建・修復。
- 職業体験や自己表現を行う子ども向けワークショップ事業実施。
- 陸前高田市でバスを使用した移動型子どもセンター「走る! KnK子どもセンター」運営。(2016年2月終了)
(全国)
- 日本在住の11歳から16歳を対象に一般公募を行い、国内外のKnK活動地へレポーターとして派遣。取材後は報告会やビデオレポートを通じ、日本の人々に支援を必要とする子どもたちの現状を伝え相互理解を促進している。
- KnK活動地について日本の人々の理解を深めてもらうことを目的に、国内外各地で実施している。
- 写真展などを通じた国際理解促進活動。
KnKが活動する各国の女子教育を比べてみて、何が見えてきましたか?
日本の女子教育に関しますと、江戸時代には寺子屋が普及しており、江戸時代末期の初等教育就学率は7割を超えていたそうです。女子限定の寺子屋もありましたが、ほとんどは男女共学(寺子屋によっては席を分けるなどの配慮はあったようである)で、多くの女子が「読み・書き・そろばん」などの初等教育を受けていました。
今から100年前、1916年(大正5年)の日本の女子中等教育を取り巻く環境は、現在KnKが支援している国々とさほど変わらないかもしれません。ですが、日本初の女子大学校も既に開設されており(1901年・明治34年)、学ぶ喜びを手に入れた女子が一気に増えた時期とも考えられます。
*出典:世界子供白書2015