皆さんがこのメッセージを読むころ、私はパキスタンへの出張から戻り、今度はヨルダンとイラクへと出発していることでしょう。

地球上で最も標高が高いヒマラヤ山脈の麓に位置するパキスタンで、私は学校を訪問し、たくさんの少年少女に会いました。彼らが通う学校の中には、私たちKnKが建設を支援した学校もあります。パキスタンでは2005年に大きな地震が発生し、多くの学校が倒壊してしまいました。そのため新しい学校が完成するまで、子どもたちは木陰や青空の下で、美しくも厳しい山の気候に耐えながら勉強を続けてきました。生徒の中には、２時間以上かけて学校に歩いて通う子どももいるそうです。それでも子どもたちや教師たちは、私を温かく迎えてくれ、教室で学べることがいかに重要で素晴らしいことかを教えてくれました。

中東では、現在戦争が起きています。ヨルダンでは、住む家を追われ、世界最大規模の難民キャンプで生活しながら、仮設の学校に通うシリアの子どもたちを訪ねます。イラクでは、惨殺から命からがら逃れ、家も故郷も失い、今学校に通えない子どもたちを訪ねる予定です。彼らが、再び安全に家に戻るには、まだ数年以上かかるかもしれません。その間、この子どもたちのために手を差し伸べられるのは、私たちのようなNGOだけなのです。

このような場所を訪問するたび、私は自分の子ども時代が、そして現在がどれだけ恵まれているかに、気づかされます。KnKの活動は、学校を建て、教育機会を提供し、最も困難な状況にある子どもたちに寄り添うというシンプルなものですが、私はこのような活動を通じて、子どもたちに自分自身の幸せを届け、共有したいのです。

私たちは今、皆さんの力を必要としています。
皆さんが私たちと同じ思いを持ってくれること、「友との絆」や「自由」を信じ、より良い世界を夢見ていることを、世界の子どもたちに伝えていきたいのです。
私たちと同じように、皆さんも「決してあきらめない」ということを伝え、彼らを勇気付けたいのです。

たとえあなたが「子ども」と呼ばれる年令であっても、できることはきっとたくさんあります。

例えば、学校で良い生徒であること。一生懸命勉強してください。夢を追いかけ、家族や友だち、地域の役に立ち、この社会の一員となってください。

また、パキスタンやシリア難民キャンプ、そしてイラクの子どもたちに手紙を書くこともできます。私にメッセージを送ってくれれば、KnKが子どもたちの元に届けることを約束します。

さらに、世界の子どもに手を差し伸べ、彼らの現状をより知ってもらうため、キャンペーンを行うこともできます。「友情の５円玉キャンペーン」に参加するのはどうでしょう？もしくは、写真展や報告会などイベントを企画してKnKをお手伝いをしてみませんか？

どの方法を選んだとしても、決して途中で投げ出さないことが一番大事です！

私はもう学校に通う少年ではありませんが、それでも皆さんと同じように「自分には世界を変えることができる」と強く信じています。

皆さんの力があれば、決してひとりではありません。

2015年が、皆さんにとって幸せで友情や愛に満ちた素晴らしい1年となるよう祈りを込めて、中東の地からこのメッセージを送ります。

心を込めて。

国境なき子どもたち事務局長
ドミニク・レギュイエ