KnKをご支援くださる皆さまへ
当ウェブサイトやニュースレターでもご報告いたしましたように、皆さまの温かいご支援によりパキスタンとフィリピンでは医療や食の緊急支援を一部実施することができました。日本においても新型コロナウイルスの拡大が収まらない中で、私たちの活動にご理解とご声援をくださる皆さまに、スタッフ一同大変励まされております。心より感謝申し上げます。
本日は、新型コロナウイルス(COVID-19)に関する各事業地の7月30日現在の状況についてご報告いたします。
【過去のお知らせ】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するKnKの対応と方針について(3/27)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する各事業地の状況について(4/7現在)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する各事業地の状況について(5/11現在)
【緊急支援/新型コロナウイルス対応】KnKの子どもたちへの食料配布や遠隔教育に、ご支援ください!(5/15)
【コロナ緊急】パキスタンで医療物資の配布支援を行っています (5/27)
【コロナ緊急】フィリピンのスラム地域で食料など配布支援を実施しました(6/12)
カンボジア
国内は通常生活に戻りつつも学校再開に向けた正式発表は未だ出されていません。日本からは入国できるようになり、7月中旬に新しい派遣員2名が現地に赴任しました。ただし入国者は全員PCR検査が必須、結果が出るまで指定の場所で待機が求められるなど厳重に管理されています。【*感染者数:226人、死者数:0人】
- 日本人派遣員:現地当局の方針に従い、渡航後2週間は自主隔離。2度目のPCR検査で陰性であれば通常業務が開始可能。体調に異常なし。
- 現地職員:通常勤務。
- 「若者の家」:運営継続。
→子どもたちと職員の検温、マスク着用、消毒。子どもたちの終日敷地内待機など感染予防教育実施、訪問受入停止などの対策をとりながら運営。
→学校が休校のため、子どもたちは政府によるオンラインの学習教材を使用するなどして学習を継続。 - 収入創出活動(IGA):運営継続。→感染予防対策実施。
フィリピン
一部では地域隔離(ロックダウン)が6月1日に緩和されたとの報道もありましたが、実際は都市間の移動制限もあり、完全解除には至っていません。マニラ首都圏の学校再開は8月24日の予定です。ロックダウンの影響で経済的ダメージ加えて、保護者のストレスによる子ども虐待の増加が懸念されています。【*感染者数:85,486人、死者数:1,962人】
- 現地職員:6月下旬より通常勤務(日本人派遣員不在)。
- 「若者の家」:運営継続。
→「若者の家」は最小限スタッフが勤務し、家族の訪問制限、衛生管理および体調管理を徹底し、子どもの保護を継続。ストレスが心配される子ども、スタッフに対し、ビデオ通話を利用して遠隔で外部専門家によるカウンセリングを実施している。 - コミュニティ活動:政府の方針に従い3月16日からパヤタスとバゴンシーランのチルドレンセンターは活動休止している。対面での授業ではなく、ノンフォーマル教育(ALS)登録者に対するSNSを利用した課題添削、読み聞かせ教室の代わりとして本の貸し出しグループなどの活動を5月から実施。
- 緊急食料支援:5月下旬に上記2地域において収入源を失った計200世帯を対象に食料などを配布。一世帯当たりに20kgのお米、ミルクパウダー4袋、緑豆1kg、卵1ダース、石鹸、マスクを支援した。現在、配布第二弾に向けて準備中。
- 青少年収容所:移動制限により、KnKによる訪問活動休止中。
パキスタン
5月下旬から段階的に地域隔離(ロックダウン)が解除されましたが、6月以降感染拡大が深刻な20~30都市で移動制限措置がとられています。KnKが活動するKP州他全土で重症患者が増大し、病院はほぼ満室な上、医療物資が不十分です。経済悪化による貧困層へのダメージは深刻なままです。公立学校は8月末まで休校となりました。【*感染者数:276,288人、死者数:5,892人】
- 現地職員:頻度を抑えて事務所勤務(日本人派遣員不在)。
- 公立学校:8月末まで休校。
→学校建設事業を9月に開始すべく準備中。あわせて衛生施設の整備や衛生啓発活動の実施なども計画中。 - 緊急医療支援:5月上旬よりマンセラ郡の病院、検疫所、保健所に勤務する医療従事者を対象に、防護用具115セット、高機能医療マスク440枚、医療手袋11,000セットを支援。
- 緊急食料支援:5月下旬にマンセラ郡の貧困層(ご主人を失った女性、両親を失った子ども、そしてトランスジェンダーの家庭)180世帯、約780人を対象に小麦粉20kgの他、お米、豆類、お茶、砂糖、塩、料理油などを配布。
バングラデシュ
5月末より政府機関、公共交通機関、民間企業(銀行業務)などの限定的な業務が再開されましたが、6月9日以降1日3000人のペースで感染者が増え続けています。【*感染者数:232,194人、死者数:3,035人】
- 現地職員:5月末より出勤再開、最少人数で運営(日本人派遣員不在)。
- ほほえみドロップインセンター:5月末より再開。来所者数は通常時の半数(約20人)程。
→配布用マスク、消毒液、体温計を購入し、入室前に子どもたちの体温確認を実施。
→ロックダウン時に備え、ランチボックスでの昼食テイクアウトを実施。
ヨルダン
政府は6月上旬から危険レベルを引き下げ、外出禁止時間は短縮されレストランやカフェも再開、越県移動も許可されています。国内フライトも再開しました。7月下旬にはさらに外出禁止時間が短縮されています。教育省は、9月1日から公立学校を再開すると発表しています。【*感染者数:1,187人、死者数:11人】
- 日本人派遣員:現地当局の方針に従い、在宅勤務。体調に異常なし。
- 現地職員:在宅勤務。
- アンマン公立校における特別活動:政府による教育機関閉鎖措置を受け、3月15日から8月末まで閉鎖。
→SNSや動画を活用して、学級ごとの日直や異学年で構成される縦割り班活動などをオンラインで継続している。 - ザアタリ難民キャンプ:公立学校は市内同様に3月15日から8月末まで休校。
→6月中旬よりサマーアクティビティを開始。女子シフトでは教員がアプリを使用して音源や歌詞を配信し、生徒たちが歌の練習を実施。教訓となる物語の配信や紙工作の配信、クイズの紹介など各教員が工夫している。男子シフトでは、保護者と子どもを対象としたアクティビティとして家族の絵を描く活動や工作や物語の紹介を配信している。
パレスチナ
3月5日に発出された緊急事態宣言が8月5日まで延長されました。一時期、都市間移動などの規制が緩和されていたものの、6月下旬から感染拡大が急速に進み、各地で再び数日~数週間のロックダウンとなっています。【*感染者数:11,284人、死者数:80人】
- 日本人派遣員:現地当局の許可が出て5月末に出勤を再開したが、7月に入り再びロックダウンとなり在宅勤務。体調に異常なし。
- 現地職員:現地当局の規制に従い、在宅勤務もしくは事務所勤務。
- 子ども支援センター:政府の方針に従い閉館中。
→3月下旬から、子ども向けに家庭でできる工作や演劇、保護者向けに子どもとのコミュニケーション方法などに関する情報をSNSで紹介。
→6月下旬から保護者ワークショップを再開したが、感染拡大に伴い再び実施を見送っている。 - ジェリコ市内公立学校:教育省発表によると学校再開予定は9月6日。
→学校教員とセンター職員に対する研修も休止中。学校教員とセンター職員に対する対面による研修は休止、5月中旬からオンライン研修を実施。
以上が7月30日現在のKnK取りまとめ情報となります。
*各国のCOVID-19感染者数と死者数は、7月29日現在の累計データです。(https://www.worldometers.info/coronavirus/)
事業地ごとにスタッフが熱意をもって工夫を凝らし、子どもたちに教育機会を提供し続けております。
引きつづきKnKの子どもたちへの教育支援を途絶えさせることのないよう、皆さまのご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。
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