この予断を許さない中、パキスタン政府は今月、これまで実施してきた都市封鎖の解除を決定しました。経済的な打撃があまりに大きく、貧困層がこれ以上生活できないことを一因として挙げていますが、解除によって感染がさらに拡大し、医療が崩壊するリスクがさらに高まっています。KnKは、学校再建と女子教育普及活動を展開する北部ハイバル・パフトゥンハー州マンセラ郡において、新型コロナウイルス感染拡大の防止に対応しています。現地からの要請を受け、医療物資の配布支援から開始しました。KnKパキスタン代表のジャベッド・イクバルが、現地の支援活動についてご報告します。
日本からの支援で、医療活動を安心かつ迅速に行えるようになりました
パキスタンの医療システムは脆弱で、普段から医療物資は輸入に頼っています。地方であればなおさら何もかもが不足していることは、ご想像できるかと思います。マンセラ郡の新型コロナウイルス感染は、3月下旬にイギリスから一時帰国した出稼ぎ労働者とその家族から始まりました。当初は医療用マスクや防護服がない中、医師や看護師は自分たちの身を危険にさらしながら患者に対応していましたので、日本へ支援をすぐにお願いした次第です。
日本からの迅速な支援のおかげで、病院や検疫所、保健所に医療用手袋、マスク、ゴーグルなど防護服一式の配布を開始できました。おかげさまで、感染治療に携わる医師や救急隊員たちの不安がやわらぎ、感染リスクを下げることができました。また、病院から遠く離れた地域で暮らす住民を訪問して検査を行い、陽性者はすぐに病院へ移送するなど、精力的、効率的に仕事をこなせるようになり、感染の早い段階で治療を開始できるようになりました。
住民や子どもたちへ啓発活動も実施中です
私たちは医療支援の他に、新型コロナウイルス感染に関する正しい知識と予防の仕方を広めるため、ポスターを製作し、公共の場所やバス停やモスクに貼って啓発活動も展開しています。ハイバル・パフトゥンハー州は特に女性の識字率が30%しかなく、情報に触れる機会が少ないため、このような啓発も必要となってきます。文字を読めない人へは、学校に通う子どもや周りの人がポスターを見ながら教えてあげたり、サポートしています。
現在のところ、パキスタン全土で7月まで休校が延長されることになりました。子どもたちは、ここ数ヵ月家の中だけで過ごし、自発的に学習の機会を持たなければ、何もしないか、以前のように家事労働をするだけの生活に戻っているのではないかと心配です。これが習慣化してしまって、子どもたちの学習の習慣が崩れているのではないか、学校が再開しても戻ってこない子どもたちもいるのではないか、とも危惧しています。
これまで皆さんと積みあげてきた、特に女子教育の普及活動の努力と、就学率の向上の成果を無駄にしないためにも、現地スタッフや地域住民一丸となって緊急支援に取り組んでいます。次回は、食料支援についてもご報告します。どうか、パキスタンの子どもたちのために緊急支援のご寄付をひき続きお願いいたします。
ご支援の方法
KnKインターネット寄付
※KnKへのご寄付は寄付金控除の対象となり、税制上の優遇措置を受けられます。
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例えば、
- 5,000円あれば、医療従事者10名に医療マスクを提供できます。
- 10,000円あれば、医療従事者8名に防護服、ゴーグルなど防護具一式を提供できます。
- 15,000円あれば、5世帯に米、小麦粉、砂糖などの食料品を配布できます。
Yahoo!ネット募金
パキスタン 山間部の医療崩壊を防ぎ、子どもたちの命を守ろう
クレジットカード、Tポイントからもご寄付いただけます。
※ご寄付受領書発行対象外となります。予めご了承ください。
◎支援に関するお問合せ先◎
メール:shien@knk.or.jp ファックス:03-6279-1127 サポーター専用電話:03-6279-1128
(職員の在宅勤務を一部継続する場合、お返事に時間を要しますことを予めご了承ください。ご連絡手段がお電話のみの方は留守電にメッセージをお残しください。)
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