KnKをご支援くださる皆さまへ
国内の状況もまだ先行きが見えない中ではありますが、パキスタンから支援要請があり、4月下旬より緊急支援クラウドファンディングを開始しました。パキスタンの感染者数は3万人以上(日本の約2倍)に急増し、今後の医療崩壊と死者数増加、経済へのダメージが深刻さを増しています。被害の大きなフィリピンからも支援要請が入りました。KnKとして何ができるか、まとまり次第お知らせいたします。
本日は、新型コロナウイルス(COVID-19)に関する各事業地の5月11日現在の状況についてご報告いたします。
【過去のお知らせ】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するKnKの対応と方針について(3/27)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する各事業地の状況について(4/7現在)
カンボジア
州間の移動について4月9日から制限されていましたが、現在は解除されました。20日間ほど新規感染者の報告もないため、マーケットなど市内での人々の外出が増え始めました。【*感染者数:122人、死者数:0人】
- 現地職員:通常勤務(日本人派遣員不在)。
- 「若者の家」:運営継続。
→子どもたちと職員の検温、マスク着用、消毒。子どもたちの終日敷地内待機など感染予防教育実施、訪問受入停止などの対策をとりながら運営。
→学校が休校のため、子どもたちは政府によるオンラインの学習教材を使用するなどして学習を継続。 - 収入創出活動(IGA):運営継続。→感染予防対策実施。
フィリピン
地域隔離(ロックダウン)が5月15日まで延長となりました。マニラ首都圏の学校はこのまま休みに入り8月24日に再開される予定です。政府から世帯ごとに米や缶詰などの食料品配布がありましたが、十分ではないという声も届いています。【*感染者数:10,794人、死者数:719人】
- 現地職員:外出自粛しつつ事務所勤務を再開(日本人派遣員不在)。
- 「若者の家」:運営継続。
→「若者の家」は最小限スタッフが勤務し、家族の訪問制限、衛生管理および体調管理を徹底し、子どもの保護を継続。ストレスが心配される子ども、スタッフに対し、ビデオ通話を利用して遠隔で外部専門家によるカウンセリングを実施している。 - コミュニティ活動:政府の方針に従い3月16日からパヤタスとバゴンシーランのチルドレンセンターは活動休止中。スタッフがSNSなどで子どもたちの健康状態などを確認。
→子どもたちに軽食、マスク、アルコールなどの配布の他、新型コロナウイルス衛生教育などを行うべく準備中。 - 青少年収容所:移動制限により、KnKによる訪問活動休止中。
パキスタン
4月25日までの間で予定していた移動制限措置が5月9日まで延長されました。経済的な影響が甚大で、特に日雇い労働者などが日々の糧を失い、多くの子どもたちが飢えや栄養不良に苦しむ可能性が懸念されています。5月末までの公立学校休校措置は、7月15日まで延長されました。KP州ではコロナ感染症患者対応の病院が2ヵ所指定されていますが、医療物資が不十分です。【*感染者数:30,334人、死者数:659人】
- 現地職員:在宅勤務(日本人派遣員不在)。
- 公立学校:3月末~7月15日まで休校。
→現行事業の学校建設は99%程度完了。
→集団感染予防のため、イベントやフォーラム、PTAの実施を当面休止。
→スタッフがSNSを利用してコミュニティや学校と連絡通信。事業で形成されたCAG(コミュニティアドボカシーグループ)が、自主的に食料や衛生用品の支援を地元で行っている。 - 緊急支援:「パキスタン 山間部の医療崩壊を防ぎ、子どもたちの命を守る」クラウドファンディングをスタート。
バングラデシュ
政府機関、医療やインフラ関連など一部の業種以外は3月26日より自宅待機要請が出ており、事実上活動禁止とされています。この措置は5月16日まで延長されることが先日発表されましたが、5月4日には一部政府機関や小規模商店、ショッピングモールなどの短縮営業が一部緩和されました。5月21日から26日のイード(イスラム教最大の祝祭)期間中は県および市を超える移動、帰省は自粛するよう政府から要請が出ています。【*感染者数:14,657人、死者数:228人】
- 現地職員:3月26日から自宅待機(日本人派遣員不在)。
- ほほえみドロップインセンター:政府の方針に従い3月26日から休館。
→再開後に備えて、センター内の消毒や人数制限、滞在時間制限、感染予防教育を準備中。スタッフが子どもたちの集まるエリアの地域リーダーや住民と電話でコンタクトを取り、子どもたちの状況把握に努めている。
→再開後は最少人数で運営し、スタッフはマスクやグローブの着用、センター内消毒を徹底し石けん等を補充予定。
ヨルダン
3月18日から移動制限、3月21日から全土で外出禁止となっています。現在、国内移動は制限されていますが、県内移動については、10時~18時までの外出が可能となりました。難民キャンプ含め、公立学校ではe-ラーニングサイトおよびテレビを通じた形での遠隔教育が、5月末まで継続されます。(ただし、各家庭のネット環境や学習環境には課題有)。【*感染者数:540人、死者数:9人】
- 日本人派遣員:現地当局の方針に従い、在宅勤務。体調に異常なし。
- 現地職員:在宅勤務。
- アンマン公立校における特別活動:政府による教育機関閉鎖措置を受け、3月15日から5月末まで閉鎖。
→SNSや動画を活用して、特別活動(日直や縦割り班活動など)をオンラインで継続している。 - ザアタリ難民キャンプ:公立学校は市内同様に3月15日から5月末まで休校。
→教員がアプリを使用し、生徒や保護者向けのメッセージを配信。基本的な衛生教育、外で遊ばないように、どうやって家で過ごすか、またストレスの解消法、簡単なエクササイズなどを紹介。
パレスチナ
3月5日に緊急事態宣言を発出、3月22日から外出禁止(イスラエルは3月20日から外出禁止)でしたが、4月21日に規制が緩くなり、都市間移動が可能、小売店、洋服店などが曜日限定で開店可能になりました。ただし、教育機関はいまだ閉鎖しており、パレスチナ、イスラエル間の移動も禁止されています。【*感染者数:375人、死者数:2人】
- 日本人派遣員:現地当局の方針に従い、在宅勤務。体調に異常なし。
- 現地職員:在宅勤務。
- 子ども支援センター:政府の方針に従い閉館中。
- ジェリコ市内公立学校:政府による緊急事態宣言発出にともない3月6日から休校。
- 学校教員とセンター職員に対する研修も休止中。
→保護者向け、また子ども向けに家庭でのストレスマネジメント方法、親子でできる遊びなどを発信している。オンライン研修に向け、調整を進めている。
以上が5月11日現在のKnK取りまとめ情報となります。
*各国のCOVID-19感染者数と死者数は、5月10日現在の累計データです。(https://www.worldometers.info/coronavirus/)
事業地ごとに可能な限り工夫を凝らして教育機会を提供し、またコロナ収束後に向けて準備を進めております。
引きつづき途上国の子どもたちへの教育支援を途絶えさせることのないよう、皆さまのご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。
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