活動ニュース

【ヨルダン・ザアタリ難民キャンプ】2025夏季アクティビティ報告

報告:ヨルダン プロジェクト・コーディネーター 磯部 香里

夏季アクティビティに参加した青色チーム

強い日差しと砂埃が舞う真夏のザアタリ難民キャンプ。40度近い気温で思わず顔をしかめたくなるような暑さの中でも、学校には子どもたちの元気な声が響いています。
KnKでは毎年、7月〜8月の夏休みの期間中に「夏季アクティビティ」を実施しています。活動場所はザアタリ難民キャンプ内にあるKnKが長年活動を実施している学校で、家以外の場所でも学び、楽しめる機会を子どもたちに届けることを目的としています。日本の学校で行われている「縦割り班活動」を取り入れ、学年を超えたチームをつくり、チームをベースとしたアクティビティを行っています。

教室でカード作り

応急処置の仕方も学びました

グラウンドでサッカー

日本の鬼ごっこ「ことろことろ」に初めてチャレンジしました

今年は、2年生から7年生(おおよそ8歳から13歳)まで、男女合わせて約60人の子どもたちが週に2日の5週間、計10日間にわたって参加してくれました。アクティビティは、チームごと教室内で取り組むものと屋外でのチーム対抗戦を組み合わせて実施。チームの中で協力すること、年上の子が年下の子の面倒を見ること、そして仲間を応援することで他者との接し方や協力の大切さを学べるよう工夫しました。

子どもたちの変化

チームの出欠席をとるキャプテン

スタッフの代わりに活動について説明するキャプテン

アクティビティの回を重ねるごとに子どもたちの行動に変化が出てきました。最初は順番を守れなかった子が並んで待てるようになったり、やりたいことが我慢できなかった子が仲間と協力し合う姿が見られました。
さらに、チームキャプテンを務めた上級生の中には、過去に夏季アクティビティに参加していた子もいました。彼らは以前のリーダーを思い出しながらでしょうか、スタッフに言われる前に率先して手伝いをしてくれており、その頼もしい姿に、成長を強く感じました。

また、以前ご紹介した振付演出家の南流石さんと津軽三味線奏者の小山豊さんに作っていただいた体操も、今年のアクティビティに取り入れました。低学年から高学年まで一緒にリズムに合わせて体を動かす光景はとても印象深く、高学年の子が前に出てお手本を示すなど、自ら役割を果たそうとする姿もみられました。

アクティビティの終盤には、難民キャンプで活躍するウード奏者の方をお迎えしました。楽器のことや、新しいことを学ぶ大切さについて語っていただいた後、子どもたちとKnKスタッフが一緒に歌い、踊りを楽しみました。一体感に包まれる、忘れられない時間となりました。

シリアへの帰還の動き

今年の夏は、これまでとは少し違った夏でもありました。昨年12月のシリア前政権崩壊を受け、シリアへ帰る人々が増えています。UNHCRによれば、8月下旬までにザアタリ難民キャンプからすでに約2万人が帰還したといいます。これは、政権崩壊前の同キャンプ人口の約4分の1にあたります。
実際、アクティビティに参加していた子どもたちの中にも「明日シリアに帰る」と話してくれた子もいました。一方で、シリアに戻らず、引き続きキャンプで暮らす方たちもいます。友だちが帰ってしまい寂しさを感じる子、帰還を羨ましく思う子など、子どもたちの心にはさまざまな感情が生まれています。
私たちKnKは、夏季アクティビティをはじめとする活動を通して、こうした子どもたちの心の変化に寄り添い、一緒に歩んでいきます。

男子青色チーム

女子黄色チーム

男子黄色チーム

今年も無事に夏季アクティビティを終えることができました。活動を支えてくださる皆様のご支援のおかげで、子どもたちに楽しく学び合う時間を届けることができています。心より感謝申しあげます。

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