活動ニュース

ヨルダンのアンマンとザアタリ難⺠キャンプの学校で新規事業を開始しました

報告:KnKスタッフ・ヨルダン事業担当 佐々木 恵子

2023年1月より、ヨルダンの首都アンマンおよびマフラック県ザアタリ難民キャンプの学校において、日直当番や学級会、学校行事等といった特別活動の実施と、活動の理解促進、継続性担保を図るための保護者参画やインストラクター養成に取り組む事業(※)を開始しました。

ヨルダンは、パレスチナ、シリア、イラク、スーダンなど周辺国から難民、移民を受け入れ続けている国であり、多様な背景を持つ人々を理解し、互いに違いを受け入れることのできる社会作りが不可欠となっています。子どもたちが、このような社会で生きていく力をつけるには、学校内の教育だけではなく、保護者や地域との協力のもと、多様な学びを経験する機会が大切です。しかし、学校と保護者含む地域の関係は希薄であり、保護者や地域の中では、学校が子どもの社会性育成を担う場でもある、という理解も十分に進んでいません。

KnKは国際協力機構(JICA)の協力を得て、2018年6月から2022年1月まで、3年8ヵ月に渡り、ヨルダン教育省との協働で、アンマンの公立学校12校において日本の教育の大きな特徴の一つである特別活動を導入しました。異なる国籍の子どもたちが学校という集団生活を送る場で、共に学び、互いを知り、豊かな社会性を育むことを目指し、日直当番や学級会などの実践を通して、ヨルダンの学校で取り入れやすい特別活動を先生たちとともに整理し、教員用の活動事例集や視聴覚教材を作成しました。

(参考)草の根技術協力事業の好事例として紹介されました。(11ページ目)
https://www.jica.go.jp/partner/kusanone/ku57pq00001yv155-att/successful_case_2022.pdf

今回、新しく始まった事業は、2025年7月までの2年6か月で、前事業の成果をもとに、さらに対象地域を広げ、アンマンの学校に加え、ザアタリ難民キャンプ内の学校でも特別活動を導入し、計32校で実践を重ねていきます。また、新たに、特別活動への協力や参加を通じた保護者や地域の学校への関わりを増やす取り組みも進めていきます。そして、これらの取り組みがヨルダンのどの地域でも学校に取り入れられるよう、アンマン内の2地域とマフラックの1地域の教育局の職員と学校教員から特別活動を指導できるインストラクターを33名養成していきます。

前事業で日直や学級会、縦割り班活動といった活動に取り組んだ学校では生徒の9割が以前より学校が好きになったと回答し、子どもたちが学校への愛着を深め、学校環境の良い変化を感じていることが分かりました。
新しい事業でも、ヨルダンに暮らす多くの子どもたちがこういった経験ができるよう、教員や保護者、行政職員と協力しながら活動していきます。

学級会の様子

(※)本事業「特別活動の継続的実施と普及のための基盤整備事業」は、国際協力機構(JICA)より草の根技術協力事業として業務委託を受け、実施するものです。
https://www.jica.go.jp/partner/kusanone/partner/ku57pq00000x9tkg-att/jor_03_p.pdf

 

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