シリア危機:止まらない難民流出、疲弊する周辺国

シリア危機:止まらない難民流出、疲弊する周辺国

2015.08.12

 

シリア紛争が勃発して4年が過ぎました。この間の死者数は22万人以上、そして周辺国に脱出した難民の数は400万人を突破しました。国境なき子どもたち(KnK)が緊急教育支援を展開するヨルダンでは、総人口の約1割に匹敵する63万人のシリア難民が避難しており、うち約8割は難民キャンプ外の、ヨルダン人が生活する町や村で息をひそめて暮らしています(*)。一方、難民の受け入れによる物価や家賃の高騰で生活を圧迫されたヨルダンの人々も不満やフラストレーションを抱えており、シリア難民との軋轢が高まっています。

「おなかが空きすぎて、勉強に集中できない・・・」

調査によると、キャンプ外に暮らす難民家庭の約3分の2は深刻な貧困状態にあり、平均で家計の支出が収入の1.6倍も上回っていることが明らかとなりました。国際社会からの支援もじょじょに減る中、難民家庭では貴金属や持ち物を売り払ったり、借金をするなどして何とか暮らしてきましたがそれももう限界です。生計を立てるために、労働や物乞い、早期結婚を強いられる子どもたちが増えています。KnKが支援する子どもの中には、せっかく学校に来たのに、朝ごはんを食べられなかったため授業に集中できず、空腹で今にも泣き出しそうな表情を浮かべる子どもがいます。それほど貧困が子どもを脅かしています。
(*)文中の難民数は2015年7月UNHCR調べ。貧困調査はUNHCR報告書”Living in the Shadows”(2014)による。

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貧困のしわ寄せが子どもたちに

シリアとヨルダン、2つの国の子どもを教育で笑顔にしたい!

ヨルダン政府は現在、就学年齢にあたるシリア難民の子どもを公立学校に無償で受け入れています。これにより該当する約23万人のうち13万人が学校で勉強できるようになりました。その一方で残りの10万人はいまだに教育の機会を得られていません(**)。受け入れ対象校では授業時間を短縮し、午前はヨルダン、午後はシリアの子どもを教える二部制を敷いていますが、勉強の時間や教育の質が落ちたことにより、学校から遠ざかっていたシリア人だけでなくヨルダン人の学力低下も危ぶまれるようになりました。
このためKnKは、ヨルダン教育省の要請を受け、難民が多く暮らす北部地域と首都アンマンの公立学校20校で、約2,000人のシリアとヨルダンの子どもを対象に補習授業を実施しています。授業では両国の子どもが机を並べ、アラビア語・数学・英語を学び、授業の合間にはスポーツや演劇、植樹といった課外活動にも参加して、いじめなどの問題を克服し友情を育んでもらっています。
またさらなる支援として、少しでも空腹を満たし栄養を摂れるよう、軽食の提供を始めました。これは、シリア難民の子どもたちが継続して授業に出席する点でも重要な支援となります。私たちKnKの難民支援にご賛同いただけましたら、ぜひ皆さまにご寄付のご協力を賜りたく、よろしくお願いいたします。
(**)UNHCR報告書”3RP Regional Progress Report”(2014年6月)による。

両国の子どもたちの勉強に対する思いは強い

両国の子どもたちの勉強に対する思いは強い

あなたもアクション!

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シリア難民の現状について、写真を見ることでさらに理解を深めてみませんか?
2015年9月17日から新宿で開催される写真展にぜひご参加ください。
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資料請求をしていただいた方には、安田菜津紀さんのお手紙と写真展DMをお送りいたします。

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現在、シリア難民を擁するヨルダンは35度を上回る日が続き、40度近くになることも少なくありません。乾期で2~3ヵ月雨が降っておらず、砂埃による被害も出ています。熱中症の危険が常につきまとうことから、KnKでは暑さ対策として、各学校に冷たい飲料水の設置を開始しました。
皆さまのご寄付を必要としております。

1,500円で50名の子どもたちに水を配れます。

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KnKへのご寄付は寄付金控除の対象となり、税制上の優遇措置を受けられます。

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