友情のレポーター(2023)としてバングラデシュを取材し、帰国した松元夏和(まつもと かなみ/17歳)さんより、滞在中の取材レポートが届きました。
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バングラデシュ滞在5日目
今日は、町工場が軒を連ねるバッダ地区を取材した。ここではKnKが工場で働く子どもたちの労働環境の改善や職業訓練が2019年まで行われていた。当時のプロジェクトに参加していたCommunity Watch Group (雇用主同士で地域を見守る活動や、問題点・改善点を話し合う活動)で工場のオーナーの方々と、そこで働く若者たちを取材した。
ここからは、インタビューした内容の一部を紹介していきたいと思う。
まず、環境改善事業に参加した、雇用主さんたちへのインタビュー
Q:なぜこの事業を受けてみようと思いましたか?
KnKの事業が行っていた職業訓練を見に行ったり、話を聞いたりした時に、自分たちにとって、(事業に参加することは)プラスになることだと思ったため。
(この事業に参加するということは、これまでの自分たちの当たり前をある意味壊すことにもなると考えたのでこの質問をした。)
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Q:参加して変化したことはありますか?
参加するまでは、労働環境や、ルールについて考えたこともなかったが、それを学ぶことができた。
(バングラデシュでは、子どもだけでなく、やはり大人も学ぶ機会が少ないのだなと、改めて考えさせられた回答だった。この変化は、彼らにとって大変重要だったと思う。)
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Q:参加してよかったと思うことはなんですか?
従業員との接し方を学ぶことができたので、従業員と雇用主の距離が近くなったこと。
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次は、KnKの環境改善事業に参加した子どもたちへのインタビュー
Q:事業を通して自身の性格や、生活習慣で、変わったところはありますか?
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Q:この事業で学んだことの中で印象に残っていることはありますか?
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Q:今現在で、改善してほしいところはありますか?
大体のことは、雇用主と解決できるようになったが、仕事をするときの制服が欲しい。仕事に行き帰りする時の交通費も出るといいな。
(このように改善して欲しいことを考えることも、環境改善事業が始まるまでは、少なかったと思う。なぜなら、どんなに過酷な労働環境でもそれが昔から当たり前だったからだ。でも、こうして、自分たちの働く環境が少しでも良くなるように何が必要かと考えていることだけでも、素晴らしいことなのではないかと思った。)
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今回のインタビューを通して思ったのは、yes,noで答えられない質問をすることがとても大切と言うこと。私が、具体的な答えが欲しいと思っていても、yesかnoかで応えられてしまう質問では、具体的な答えは、得られなかった。いい回答は、いい質問から生まれることを痛感した。明日からは、なるべくyes,noで答えられない質問をするように心がけよう。
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4年振りの実施となった「友情のレポーター」プロジェクトは、日本の皆さまからのご寄付と以下の皆さまのご協賛、ご協力と助成により実現しました。
<主催>認定NPO法人国境なき子どもたち(KnK)
<協賛>シンガポール航空、国際ソロプチミスト東京-広尾
<協力>認定NPO法人Dialogue for People
<助成>公益財団法人三菱UFJ国際財団