報告:KnKスタッフ 清水匡
アブドゥラコソ村には25世帯の家族が生活していますが、泥とブロックで建てられた家は記録的な大雨に耐え切れず多くの家が全壊してしまいました。現在はKnKが支援したテントに村の人たちが身を寄せ合うように生活しています。
洪水で被災した村の多くは水路の濁った水を飲料水とする生活を強いられており、物資不足による栄養不足に加え下痢や感染症など、人々の生活は困難を極めています。この村を中心に複数の村が隣接しているため、KnKはここに給水システムを設置し、より多くの世帯が清潔で安全な水を手に入れられるようにしています。
ハイディアデュラーさん(25歳)は、以前は小作人として農業の仕事をしていましたが、村の田んぼが壊滅的な被害に遭い、今は荷物卸など日雇いの仕事をして一家を支えています。「水が引いても、すぐには田んぼを再開できません。稲を植えても収穫までに時間がかります。田んぼの仕事を再開したとしても収穫までに時間がかかるので、日雇いの仕事も続けながら生活しなければならないんです」と、食料や収入などが不足している現在だけでなく「これからもこの生活苦が続く」と今後の厳しい状況を話してくれました。
ハイディアデュラーさんの息子、アルフェネリ君(9歳)が倒壊した家の前で洪水が起きた時のことを話してくれました。
「何日も雨が降り続いて畑にだんだん水が溜まっていきました。ある日の夕方、突然水が押し寄せてきたんです。怖くて家の中でじっとしていましたが、家がだんだん崩れていったんです。お父さんが『ここにいては危険だ!』といったので家族みんなで外に出ました。あたり一面が水浸しでした。日も陰ってきてうす暗い雨の中、服などを持って1キロくらい先の幹線道路まで歩いて避難しました。道路わきで何日も暮らしましたが、雨がやんだら、次は日差しが強くて暑かったです。大人たちが屋根になるようなものを作ってくれました」。
学校には行っているのかと尋ねたところ「僕は学校に行ったことがありません。でも、この子ヤギが僕の友だちです」と、腕に抱えたモフモフの子ヤギを紹介してくれました。
まだまだ支援が不足しています
パキスタンの子どもたちへの支援を拡充するために、皆さまのご理解とさらなるご支援をよろしくお願いいたします。
皆さまのご寄付でできること
- 9,000円で、子どもを含む7世帯が安心して蚊帳の中で眠ることができるようになります。(1世帯あたり蚊帳2張を分け合います。)
- 30,000円で、60人の子どもが感染症を予防し健康に暮らすための衛生用品を手にすることができます。
衛生用品は具体的に石鹸、洗剤、タオル、歯磨き粉、歯ブラシ、生理用品などです。 - 90,000円で、400人の子どもが衛生促進の知識を得て、避難中も安全な生活が送れるようになります。
ご寄付の方法
下記サイトよりクレジットカード決済画面に進み、メッセージ欄に「パキスタン」とお書き添えの上、お申込みください。銀行からもお振込みいただけます。
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②【Tポイント】をご寄付いただけます
Yahoo! ネット募金を通じて【Tポイント】をご寄付いただくことも可能です。
https://donation.yahoo.co.jp/detail/5045006/
※パキスタンにおけるKnKの洪水支援は、Yahoo! ネット募金を含む日本の皆さまからのご寄付、そして認定NPO法人ジャパン・プラットフォームの助成により実施されています。
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