報告:カンボジア事業担当 三喜 一史
カンボジア事業ではバッタンバンで実施している「若者の家」事業でも、バンテアイミエンチェイ州で実施している「ライフ・ロング・ラーニング・センター(LLLC/CLC)のアクセス拡大を通じた子ども・若者支援」事業でも様々な職種のスタッフが携わっています。裨益者と直接関わることの多いスタッフもいればそうでないスタッフもいます。そしてこの子どもや若者と直接関わらないスタッフのお仕事が事業を進めていく上で大事だったりするのです。経理、総務、建設エンジニア、そして運転手。
今回はバンテアイミエンチェイ州で一緒に活動に従事してくれている運転手を紹介させていただきます。
現在、バンテアイミエンチェイ州の事業では車3台を使用して活動にあたっていますが、もちろん運転手も3人います。内二人は本事業の前身となるパイリン州での事業からもう今年で6年目の付き合いになります。彼らは直接の雇用では無くあくまでサービス契約なのですが、チームの一員として活動をサポートしてくれています。
当初は目的地から目的地までの移動をお願いするだけかと思っていましたが、カンボジアはまだネットの地図に載っていないような細かい道が多くあります。また日本のように何丁目、何番地、何号と細かく住所が別れていないところも多く、例えば村の家庭に初めて訪問する時は探すのに一苦労です。多くの地域で色々なご家庭を訪問していると、また2回目に訪問する際に似たような道ということもありますが、記憶が不確かになることがよくあるのですが、そんな時もドライバーさんたちはちゃんと覚えていてくれます。もちろん今の時代、インターネットの普及で遠距離でのコミュニケーションも可能となりました。カンボジアも意外と思われるかもしれないですが、農村地域で中心街から離れている地域でもインターネットがつながっていることが多いです。なので、携帯などを使ってオンラインで繋いで話しすることもできますが、必ずどこかで直接会う必要性が出てきます。そんな中、現地スタッフが直接子どもや保護者と関わるのにも、我々が関係者と話し、調整を行うのにしても、そこに行けなければ何もできません。それを可能としてくれるのがドライバーさんたちです。
バンテアイミエンチェイ州の面積は約6,600㎢だそうです。日本で言うと栃木県が約6,400㎢高知県が約7,100㎢なのでその間くらいの大きさと考えられるでしょうか。その中を家庭訪問や職業訓練修了後の就職先への訪問をしたりするとどうしても一日がかりの仕事になってしまいます。ただそんな中でも効率的に移動してくれるので大変助かります。職業訓練や同等性教育クラスに関連する移動だけはありません。細かい話し、銀行にも行かなければなりませんし、各種支払いもあります。教材や家具などの資機材の購入もあり、移動の理由は多岐にわたります。
突然ですが、日本の公共交通機関は素晴らしいですね。一番は基本的に時間通りに運行されるのでなんでも計画が立てやすいということでしょうか。いつ来るかわからない、いつ出発するかわからない、という時間を考慮する必要が無いので移動時間以外の時間を最大限使えることも可能ですし、万が一の遅れを想定して早目に自分の移動を開始すればどこかで時間だけでなく心の余裕も出るでしょうか。まあ、海外ではそうもいかないことが多いと考えたほうが良いでしょうか。アメリカに住んでいた時の話しですが、バスでも電車でも待っている時間が長いのもありますが、もはやいつ来るのかさえ不安になりながら『何待ちだろう』と何度も思ったのを思い出します。
一緒に次のステップに踏み出すために多くの子ども、若者に出会い努力したいと考えていますが、無駄な時間を使わず、一人でも多く会えるように、それを可能としてくれているのがドライバーさんたちなのだろうと思う今日この頃です。
子どもたちを支えるために、あなたのサポートを必要としています
3,000円で、カンボジアの青少年1人に「若者の家」での生活と街の高校で学べる教育費10日分を提供できます。
KnKへのご寄付は寄付金控除の対象となり、税制上の優遇措置を受けられます。
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