報告:カンボジア プロジェクト・コーディネーター 下宮 秀斗
カンボジアでは、11月から若者向けの職業訓練がスタートします。今年度は、首都プノンペンから約400キロ北西に位置するバンテアイミエンチェイ州(Banteay Meanchey)のポイペト市(Poipet)とマライ郡(Malai)の2か所で、美容とエアコン修理の2つのコースを開講予定です。
本職業訓練は、学校を退学した約15歳の若者を対象にしています。彼らは家庭の手伝いをしたり働いたりしていますが、特に地方では求人が少なく、不安定な日雇い労働や近隣国への出稼ぎを強いられていることもあります。このような状況にある若者に基礎的な技術を身につける機会を提供し、さらに継続的に働くために適切な就労観を育むことを目指しています。
職業訓練コース開講のために、チームは準備に奔走しています。現在行っていることとして、①講師の選定、②必要資材・機材の準備、③参加希望者集め(アウトリーチ活動)があります。
①講師の選定
現在は、応募者と面接を行い、講師の選定を進めています。ポジションに関連する専門性やコミュニケーション能力、約20人の若者に対してクラスマネジメントができそうかなどを考慮して判断します。どの応募者も熱意があり、選定にも熱が入ります。
②必要資材・機材の準備
必要な資材と機材のリストを作成し、店舗で見積もりを行っています。美容の場合、鏡やシャンプー椅子、ヘアドライヤー、ネイルキットなどをすべて揃える必要があります。
③参加希望者集め(アウトリーチ活動)
まずは学校を中途退学した若者を見つける必要があります。その一つの方法として、ロングライフラーニングセンター近隣の学校を訪問し、退学者リストを取得することがあります。また、近隣の村を訪れ、一軒一軒中途退学した若者がいないかの確認も行っています。退学した若者の多くは、タイや国内で親と出稼ぎに行っているケースが多いですが、10月14日時点で、各郡・各コースに約10人~15人の参加希望者がいます。まだ訪問していない地域もあるため、今後も参加者は増える見込みです。
最初は興味なさそうに話を聞いている若者もいますが、職業訓練の意義や内容、訓練後の仕事のビジョンを説明すると、彼らの態度が変わり、最後には笑顔で「職業訓練に参加したい!」と言ってくれます。
彼らが、本職業訓練を通して安定した仕事に就き、より充実した人生を送ことができるように、引き続き準備を進めていきたいと思います。
※この活動は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」の活用ならびに日本の皆さまからのご支援で成り立っています。
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5,000円で、5人の青少年が1ヵ月間、学校に通えます。
KnKへのご寄付は寄付金控除の対象となり、税制上の優遇措置を受けられます。
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