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元ストリートチルドレンの真実/友情のレポーター(2017)

2017年フィリピン「友情のレポーター」の栁田峰雄(やなぎだ ねお/13歳)です。

熱はすっかり下がっていたので、ジュンジュンさんというKnKのスタッフで、元ギャングのメンバーにインタビューをしました。ジュンジュンさんが僕の病室まで来てくれ、僕はベットに寝たままで取材をしました。

病室でのインタビュー

ジュンジュンさんへのインタビュー

まずジュンジュンさんは、家族のできごとによって路上で生活しなければならなくなりました。

ジュンジュンさんの家族は、みんなが闇の組織で働いていて、お父さんもその一人でした。しかし何かが原因で誰かに28発撃たれて死んでしまったそうです。

ジュンジュンさんのお母さんは、お父さんが死んでから義理の父と付き合い、この人が子どもに対して暴力を激しくふるったそうです。暴力をふるわれたジュンジュンさんは「お父さんが負けたのだったら僕が強くなる!」と湧き上がるとても強い怒りから、路上で暮らそうと思ったそうです。
しかしそのような家族でもジュンジュンさんは大好きだったそうです。

路上でのギャングの活動は盗みだったそうです。ジプニー(日本でいうバス)で客をナイフで脅しお金を取っていたそうです。僕が「怖くなかったのか?」聞くとジュンジュンさんは「憎しみがいっぱいで怖くなかった」と言っていました。

まだジュンジュンさんが路上にいた時に、KnKフィリピン代表のアグネスさんが話しかけてくれました。アグネスさんは、「子どもを死刑にしてもいいという法律ができてしまうのでデモに参加しよう」と誘ってくれました。ジュンジュンさんは自分たちのために戦おうと思いデモに参加し、そのことがきっかけでKnKの「若者の家」に来るようになったそうです。

なぜ子どもを死刑にするのかと言うと、悪い事するのはお金持ちが人身売買で子どもを買ったりして子どもを使う犯罪をおこすようになり、それに警察が気付いて年齢の幼い子どもでも死刑にすると言うようになったからだそうです。フィリピンにそんな法案があったと知って驚きました。

「自分の過去に後悔していないか?」という質問に「後悔していない。なぜなら、路上生活していなかったら、アグネスさんやKnKに出会えなかったし、今の自分もない」と答えていました。一つ一つの出会いが人生を変えてくれる。しかしそれが悪い方向に転がってしまう時もある。それでも、悪いことをそのままするのでは無く、輝く未来への光を見分けてチャンスを自分のものにすることが大切なのかなと僕は思いました。

KnKフィリピンでお母さん的存在のアグネスさん

ストリートチルドレンに必要なのは『愛情』だと気づいてほしい

「路上での生活を思い出して辛いことは?」という質問には「特別ではない。普通のことだよ」と答えました。

そして「日本の子どもたちにひとこと」を聞くと、「ストリートチルドレンに必要なのは『愛情』だということに気づいてほしい」と言いました。今、子どもたちに必要なのはお金ではなく、「家族のような関係の人から愛情をもらうということ」だそうです。家族からの愛情は僕にとっては普通のことなのに、それがここでは欠けていることに愕然としました。そして、ジュンジュンさんは「ストリートチルドレンは悪いと決めつけるけど、同じ子どもだよ」と教えてくれました。

「同じ子ども」僕もそして出会った子どもたちみんな同じ「子ども」です。普通に子供として暮らすために守られるべき権利。それが通らない。それがフィリピンにはいまだあるということ。世界中どんな国の子どもも、子どもとして、子どもらしく暮らせる権利は守られなくてはならない。そのことをジュンジュンさんは言いたかったのかもしれません。

路上で聞き取り調査をするジュンジュンさん

自分の経験を生かして子どもたちに話しかけるそうです

ジュンジュンさんの夢は「ストリートチルドレンをゼロにすること」です。でも実際には抱えている問題が多すぎるし、時間的にもなかなか難しいようです。でも、もし20人ストリートチルドレンがいたら5人を前向きにする、それを6、7、8人と増やしていく活動を続けていく。それがこの現状を変えていくためにできることだそうです。僕も一人一人が働きかけをすることで世界は少しずつだけでも変わっていくと思いました。

子どもたちにとってお兄さんのような存在です

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