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家族を支える14歳の少女、ラタナー/友情のレポーター(2018)

友情のレポーター(2018)としてカンボジアを取材した落合愛友海(おちあいあゆみ/16歳)さんより、2本目のウェブ取材レポートです。

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バッタンバン州最大のゴミ集積所

カンボジア滞在5日目、私たちはバッタンバン州の中で一番大きいゴミ山へ訪れました。
そこには山のようにあるゴミの中から使えそうなものや売れそうなものを探している人が性別、年齢を問わず沢山いました。鼻を覆いたくなるような臭い...。ガラスの破片や汚染された液体がそこら中にある道...。新しいゴミを運んできたトラクターに我先にと集まる人々...。見たことのない悲惨な光景に言葉が出ませんでした。

そんな中、同行してくださっている方が幼い男の子に声をかけました。その方が男の子に年齢を聞くと「産まれたときからここにいるから自分が何歳なのか分からない。」とうつむきながら答えました。男の子の険しい表情は何も変わることがなく私は何と声をかけたらいいのか分かりませんでした。

近くにいた別の男の子が集めたゴミを運び出し始め、どこに行くのか知るためについていくことにしました。男の子が向かった先は彼の家でした。窓や扉のない小さな家に大勢の家族と住んでいました。

家族を支える14歳の少女、ラタナー

家の中にいた14歳のラタナーちゃんという女の子にインタビューをすることにしました。
彼女はゴミ山の近くにあるNGOが運営している学校に5年前まで通っていましたがお金が足りなくなってしまい、ゴミ山で働いたり親の代わりに兄弟の面倒をみなくてはいけなくなってしまい、大好きな学校に行けなくなってしまいました。学校の先生と過ごした時間は彼女にとって特別なもので、もし叶うなら自分も先生になりたいと話してくれました。

インタビューをしている最中、彼女の手の中にはオレンジ色のマニキュアがありました。
聞いてみると「これはここにあるゴミの中から拾ったの、私は爪にマニキュアを塗るのがあまり好きではないのだけどお母さんやお姉ちゃんが好きだからプレゼントしようと思って拾ったのよ。」と答えてくれました。1日中働いても彼女の収入はたったの2.5ドル、そんな過酷な状況にあるにもかかわらず彼女は優しく家族への感謝を忘れません。

「ラタナーちゃんは過酷な環境のなかでも希望をもって一日一日を大切に生きている。でも、私はどうだろうか彼女を見習わなくてはいけないことが沢山あるのではないだろうか。」そんな思いが私の中から離れませんでした。もしラタナーちゃんが学校に行くことができ、好きなことができる時間があったなら彼女はどのように一日を過ごしていたんでしょうか。

さっきまでゴミ山で働いていたラタナーの足には、たくさんのハエが集っていた

私にできることは何だろう?

高校生の私がラタナーちゃんのために現時点でできることは「学校に行けずにゴミ山で住み込みで働いている子どもたちがいる」ということを皆さんに伝えることです。これは実際に彼女たちと会って、会話をした私だからこそできることなのだと思います。

ウェブ記事を通して皆さんにカンボジアで経験したことをお伝えできるのはこれで最後の予定です。しかし、この一生ものの経験を様々な形で皆さんに届くように声をあげ続けていきます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

<主催> 認定NPO法人国境なき子どもたち(KnK)
<協賛> 国際ソロプチミスト東京-広尾
<助成> 公益財団法人三菱UFJ国際財団

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