報告:プロジェクト・マネージャー 吉崎 翠
国境なき子どもたち(KnK)は、ミャンマー(ビルマ)の南東部に位置するカレン州・コーカレータウンシップで、教育環境の整備事業を行って参りました。この度、2016年6月23日に全5校をカレン州教育局に引き渡し、同年6月30日をもって事業の終了を迎えました。
共に事業を走らせてきたローカルスタッフ・ミャンマーチームは、日々KnKの本事業を通して、支援を届けるコミュニティの方々のために、常に最善の働きを続けてきました。
教育環境整備事業の成果やミャンマー・カレン州教育局への引き渡しについて、前後編でご報告いたします。
事業の背景や概要などはこちらからご覧ください。
老朽化した校舎の新築と増築
過密状態での学習を余儀なくされていたり、校舎の傷みが激しく安全性が危ぶまれるといった明らかなニーズを受け、4校の新築および1校の増設*を行いました。以前の校舎と、KnKが新築・増設した、現在の校舎を写真でご覧ください。
(*当初6校の予定を変更して計5校を支援しました)
全5校建築による裨益者数(2016年6月末時点)
生徒(直接裨益者) | 計924名 |
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教員(同上) | 計35名 |
保護者および5村コミュニティの方々 | 計5,415名 |
・Htee Ka Lay(ティッカレイ)小学校/新築
・Kyar Inn(ジャイン)サブ・プライマリー校/新築
・Nyaung Kone(ニャンゴン)ポスト・プライマリー校/新築
・Naung Ta Man(ノッタマン)小学校/新築
・Tha Main Dut(タメインデュ)中学校/増設(2階部分)
全ては、新しい校舎を何十年も使い続ける生徒や教員、そしてコミュニティのために
建築に対する私たちの方向性・目指すものは、「コミュニティのために、質の良い校舎を建てる」というシンプルかつ明確なものでした。本格的に工事を開始してからの約半年間以上もの間、その軸が一切ぶれることはなく、スタッフは40度を超える炎天下でも毎日のように建築現場に向かい活動を続けてきました。
騒音が鳴り響く現場で、職人気質でもあるエンジニアスタッフが「こんな低い質はKnKとして認められない。全てやり直せ!」と、工事を行う建築会社に対して怒鳴り声をあげることも少なくありませんでした。スタッフが一丸となり、校舎が一からでき上がる様子を見届け、無事に全5校の竣工を迎えました。
※ ミャンマーにおけるKnKの活動は、認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム助成金(ミャンマー少数民族帰還民支援)の活用ならびに日本の皆さまからのご寄付で成り立っています。
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