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友情のレポーター報告会~たくさんの人に自分の経験を伝えたい~

 

第30代友情のレポーターの菅拓哉です。
帰国してから、ぼくは2回ほど報告会を開きました。
直接話を聞いてもらえたら、身近な問題として考えてもらえるんじゃないかなと思ったからです。
そして話を聞いた後には、何が印象に残ったか、どんなことを感じたのか、などお互いに話ができるともっと考えが広がるだろうなと思って、対話の場をつくりました。1回目に聞いて下さったのは、お母さんたちです。
小さい子には難しい話かもしれませんが、お母さんから話してもらえればきっと伝わるんじゃないかな。それに、自分と同じくらいの子がどんな暮らしをしているかを知る良いきっかけになればと思ったからです。終わった後は、言葉も出ないほど衝撃を受けていましたが、今の生活に感謝したい、帰ってから子どもに必ず伝えたいとみんな言ってくれました。2回目は、中学生から大学生、社会人までです。同年代の子もいて、興味のない話はあまり聞いてもらえないかもと思っていました。だから最初は照れくさかったのですが、みんなすごく真剣に話を受け止めてくれました。
フィリピンの子どもたちの様子を心配して、自分のことのように考えてくれたり、日本に生まれたことを改めて振り返る機会をもつこともできました。
みんなの「聞かせてくれて本当に良かった。ありがとう」の言葉が大きな励みになりました。150904_001

第一回 未来をつくる哲学対話~The Future Talk(TFT)~

この経験を活かし、次は夏休みに報告会を兼ねた対話の場を開催することになりました。
「第一回 未来をつくる哲学対話~The Future Talk(TFT)~」
8月2日(日)に東京大学駒場キャンパスの21KOMCEE 303で、中学生・高校生・大学生、社会人のみなさんが集まって、対話を楽しみました。
まず始めに、土屋先生から今回の趣旨の説明がありました。土屋先生は、僕がやってみたいと思ったときからずっと相談にのっていただいている先生です。
次に、今年の春フィリピンへ取材に行った報告と映像を共有していただきました。
NPO法人国境なき子どもたちの「友情のレポーター」として、現地で出会った子どもたちの様子を3つの観点からお伝えしました。

1, マニラにいるストリートチルドレン
2, サマール島の子たち(ハイエン台風により一番被害があった場所)と一緒に取り組んだ自然災害ワークショップ
3, パヤタスにあるゴミ山で暮らす子どもたちです。

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実際の生活をありのままに伝えたいから、パワーポイントで35枚のスライドを用意しました。かなり時間をかけて、どの写真にするか選びました。
もう一つは、音楽に合わせて写真がたくさん映し出される映像です。
みなさんにこの体験を共有してもらうためにどんな工夫をすればいいかを考え、ちょうど映画を見終わった後に流れてくるシーンをイメージして作りました。
タイトルは「ぼくの見てきた世界を一緒にご覧下さい」です。
それを見ていただいた後に、大きな輪になって感想を伝えながら、みんなで何を話し合いたいか哲学対話の問いを出していきました。
その中から5つを決めて、それぞれ話し合いたいテーマに分かれて話を始めました。

哲学対話の問い

5つのテーマは、
1, 社会問題の解決に哲学対話はなりうるのか。
2, 日本は豊かな国なのか。(特に子どもたちに対して)
3, このような人々に対して、日本はどんな責任を負っているか。
4, 物質的に貧しいけれど心は豊かということがあるがそれを豊かだと言って良いのか。やっぱり貧しいのでは・・・。
5, 先進国にいる私たちは何かをする必要があるのか。
どれも興味深いテーマでした。

各グループ5人~15人くらいの輪になって話をしているのですが、僕は5のテーマに参加しました。そこではたくさんの意見が飛び交いましたが、例として3つ挙げます。
1, 彼らにとって金銭的な支援は本当に必要なのか
2, フィリピンの政府をもっと変えた方が良い
3, その場限りの支援にならないよう国際機関の援助を頼った方が良いのではないか
参加された方の経験やエピソードからも話が広がっていきました。
その中で「大人はどう考えているのか」という話も出ました。ぼくは現地で友だちになった子の取材をしていたから、子どもの視点で見ていて気づかなかったところです。
こういう自分では思いつかないような質問が出るのも刺激になります。
いろいろな年代の人が集まって話ができると、考えが広がりました。

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その後、輪になって全体で振り返りをしました。どのグループも活発なやり取りで、たくさんの意見が出ていたようです。
終わった後に、哲学対話を初めて体験した方に感想をお聞きしました。
さまざまなバックグラウンドを持つ人と深く話せる機会は新鮮だった。いろいろな意見を聞いて考えさせられた。幅広い年齢の人と話すと視野が広がる。非常に満足感があった。他にも、次回やるときも声をかけてほしいと言われ、もっとこういう場を増やしていきたい。そして、いつか世界中の人と哲学対話ができる場をつくりたいと思いました。

このような報告ができたのも、フィリピンでの貴重な経験を伝えるレポーターになれたからです。
現地で会った友だち、またKnKスタッフやKnKをご支援くださるみなさんのおかげだと感謝しています。
ありがとうございました。
これからも学生が中心となって企画し、さまざまな年齢の方と話していきたいです。

菅 拓哉

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