2016/10/31
報告:KnKスタッフ 久野 由里子
1月からバングラデシュダッカで新たに事業を開始したことを5月に報告させていただきました。
前回も報告させていただいた通り、KnKでは、インフォーマルセクターで働く青少年が貧困の連鎖から抜け出し、その生活環境が改善されることを目指し、以下の活動を行っています。
1.インフォーマルセクターで働く貧困家庭出身の青少年(15~24歳)に職業訓練を提供し、より良い就職ができるようにサポートします。
2.インフォーマルセクターの雇用主、コミュニティの方々、また青少年自身に対して子どもの権利や労働法などについて啓発活動、能力強化を行い、インフォーマルセクターの労働環境改善を目指します。
今回はまず、「1.インフォーマルセクターで働く貧困家庭出身の青少年(15~24歳)に職業訓練を提供し、より良い就職ができるようにサポートします。」について報告させていただきます。
インフォーマルセクターで働く貧困家庭出身の青少年(15~24歳)に職業訓練を提供し、より良い就職ができるようにサポート
本事業では、職業訓練を受けたはいいけれど、就職先がない、、、ということにならないよう、ニーズアセスメントを実施し、フォーマルセクターで採用ニーズがある職業訓練コース以下6つを5月から開始しました。(1コースのみ7月開始)
・工業ミシン稼働コース
・携帯電話修理コース
・家庭電気配線と軽家電コース
・電子基板・機器修理コース
・冷蔵庫・エアコン修理コース
・バイク修理・メンテナンスコース
現在、1日3時間×6ヵ月間のコースを205名が受講しています。
また、職業訓練の内容が、就職先が求める技術レベル・内容に合致するよう、カリキュラム開発にもフォーマルセクターの方々にご協力をいただきました。
どの職業訓練も参加者は真剣な顔つきで課題に取り組んでいます。
そんな中でも特に目を輝かせて授業を受けていた青年、シャザッドさん(24歳)に話を聞きました。
シャザッドさん(24歳)
彼は携帯電話修理コースの受講生で、12年生を修了し、英語も話すことは難しいようですが、聞き取りはかなり理解できるようでした。
お父さんが2011年に他界し、今はお母さん、お姉さんと3人で生活、彼が携帯電話のカバーやデイスプレイ、ヘッドフォンなどを販売する仕事をして家族を支えているそうです。「収入は?」ときいたところ、「月3,500タカ(約4,550円)」という答えが返ってきました。一般的な露店でお昼ごはんを買っても、50~80タカ(約65円~100円)はします。12年生まで修了し、英語が理解できても就職は厳しい現実を目の当たりにし、3,500タカでどうやって家族3人生活しているのだろうと、私たちの方が戸惑ってしまいました。
しかし、そんな私に向かって彼は「職業訓練に参加して、今までは知らなかった携帯電話の部品の機能やトラブルシューティングも身に付けたし、将来はフォーマルセクターの会社に就職していい技術者になりたいんだ!」と目を輝かせて話してくれました。
職業訓練6コースのうち5コースは今月末で授業が終了します。
履歴書の書き方や面接の受け答えなどの練習も授業で実施し、1人でも多くの青少年が望む就職が得られるよう、今後もサポートしていきます。
※この活動は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」の活用ならびに日本の皆さまからのご支援で成り立っています。
子どもたちを支えるために、あなたのサポートを必要としています
3,000円で子ども2人が1ヵ月間職業訓練を受けることができます。
KnKへのご寄付は寄付金控除の対象となり、税制上の優遇措置を受けられます。
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