バンテアイミエンチェイ州で若者向けの職業訓練がスタートしました！

報告：カンボジアプロジェクト・コーディネーター　倉持真弓

私たちが活動を実施しているカンボジア北西部のバンテアイミエンチェイ州で、若者向けの職業訓練を先月11月から開始しました。

カンボジアにおける中学校の純就学率は43.6％（2021年-2022年・カンボジア教育省発表）と大変低く、いまだに多くの子ども・若者たちが教育を受けられていないのが現状です。また学校を退学してしまった若者たちのほとんどは家の手伝いをするか、仕事しているのですが、特に都市部から離れた地方には仕事自体が少ないため、日雇い労働や近隣の国での出稼ぎなどに従事しており、危険で不安定な就労状態にあることが少なくありません。

そこで私たちは、彼ら若者たちが技術（スキル）を身につけ、安全かつ安定した仕事を得られるよう職業訓練の開講を準備してきましたが、その中で特にこだわったのが職業訓練コースの「選定」と「参加促進」です。職業訓練コースの選定は、参加する若者たちに人気のあるコースということだけでなく、どのスキルを身に着ければ訓練を実施する地域で安定した仕事につくことができるのかという事も踏まえて検討しました。また、職業訓練への参加促進ではコミュニティ（地域）に住む若者たちに向けて訓練が受けられることをアピールするだけでなく、なぜスキルを身につけた方がいいのかを若者や若者のご家族に丁寧に説明していきました。

職業訓練への参加促進を行うスタッフ

そして11月、エアコン修理と美容の2コースの職業訓練を開始し、現在も多くの若者が毎日訓練に通っています。美容コースの講師が説明している髪の毛のセットの仕方について熱心にメモを取ったり、エアコン修理コースの講師がエアコン機器を分解して中の様子を見せるとその近くによって観察したりする訓練生たちは、自分たちの将来を自ら開拓していこうというパワーにあふれているように見えます。彼らがこの職業訓練を通してスキルを身に着け安定した仕事に就き、よりよい生活ができることを想像しながら、私たちは日々の活動に従事しています。