活動ニュース

カンボジアのスタッフが語る「若者支援」の難しさとやりがい

報告:カンボジア事業担当 三喜 一史

国境なき子どもたち(KnK)がカンボジアで運営している自立支援施設「若者の家」から、今回は、過去に「若者の家」で支援を受け、今はスタッフとしてKnKに勤務しているフェー・ソヴァンナリのメッセージをお送りします。皆さまからお受けましたご支援でカンボジアの若者がどのように成長したのかを彼女の話を通して少しでもお伝えできれば幸いです。

ソヴァンナリより

皆さま、はじめまして。フェー・ソヴァンナリと申します。私は現在バッタンバン州にあるKnKカンボジアで収入創出活動(IGA)/若年女性のためのエンパワメント事業(YWE)と「若者の家」のスタッフとして勤務しています(事業の詳細は、本記事の下にあります)。

カンボジアと聞くと皆さんは有名な寺院、アンコールワットを思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが、私の故郷でもあるバッタンバン州はカンボジアでも重要な州の一つで、お米の生産が国内で一番多いという理由があります。東南アジア最大である湖、トンレサップ湖に流れ着くサンカー川という流れの穏やかな川が州を横切る安らぎがあり快適な地域で、絵に描いたように美しい場所です。他の地域と同様に、バッタンバンの中心街ではフランス様式の建物が多く見られるのも素敵なところだと思います。有名な歌の中でバッタンバンという地名が出るほど多くの人々が訪れたいと思っている場所なのです。

そんなバッタンバンで育った私ですが、15歳の時に中学校を辞めました。学校を辞めたあとも学校に戻る気になれなかった私は何か働くための技術を身に着ける必要がありましたが、KnKで職業訓練があることを知りました。この職業訓練に参加しようと思い、2009年に機織り技術を学ぶ職業訓練に参加しました。1年半ほど訓練を受け修了した後、機織りの生産者としてIGAチームに参加し、バッタンバンを訪問する観光客や日本に向けてのシルク製品をはじめとする商品製作に携わりました。

IGAチームでリーダーの役割を任されてからは少しずつチームメンバーの「卒業」もサポートするようになり、就職や個人開業の支援をKnKスタッフと共にサポートしました。そして、2019年よりIGAのメンバーだけでなく「若者の家」の子の職業訓練のコーディネーションなど自立支援を担当するYWEコーディネーターとしてKnKで勤務し始めました。

機織りの生産者として活躍していた頃(2013)

IGAや「若者の家」には、家庭内暴力、性的被害、人身売買、労働に従事させられた子、孤児、ストリートチルドレン、貧困など様々な背景を持った子がやってきます。もちろん、それに伴い、学校・教育から離れてしまった子も多くいます。若者支援は何が『正解』なのかがわからなくなり、不安も多く、難しいです。子どもたちが抱える問題・課題に対して、もう少し違う方法で接することができたのではないか?こうしたほうが良かったのではないか?と悩みます。毎日の業務は大変ですが、それでもKnKで一緒に働く同僚らのサポートも得ながら、スタッフと共に子どもたちを家族のように想い、接しているので疲れはしないです。

私も、訓練講師、ソーシャルワーカー、そして他のKnKスタッフから優しく、励ましてもらうなど支えてもらいながら訓練を修了でき、その後の活動も頑張ることができました。私がこれまでの数年間KnKからのサポートを受けてきたように、次の世代をサポートしていきたいと考えています。色々な人と出会い、自分の道を切り拓き、難しいことに挑戦し成功できるような経験を一緒に共有していきたいと思っています。

最後になりましたが、これまでKnKをご支援いただいた皆さまには感謝してもしきれません。私自身2009年から数年間ご支援いただきましたが、皆さまのご支援は私だけでなくカンボジア人すべてにとって希望を与えてくださっています。

次の世代をサポートするソヴァンナリ(2021)

「若者の家」の子どもたちと共に(2021)

カンボジア事業

国境なき子どもたち(KnK)では2000年よりカンボジアの西部に位置するバッタンバン州において、支援が行き届きにくい15歳以上の未成年を主な対象とし、自立支援施設「若者の家」を運営しております。「若者の家」では、居住している子に対して学校への復学から大学進学までの支援と、様々な事情から復学ではなく、手に職をつけて働けるようになるための職業訓練につなげる支援を行っています。職業訓練は当初、男子好みの訓練が多く、女子の居住者が興味を示すような訓練先が少なかったため、女子が受講しやすい訓練として2006年より内部で縫製と絹織物(機織り)の職業訓練を開始し、「若者の家」の居住者のみならず近隣に住むコミュニティーの方々にも広く開放し参加者を募ってきました。また、当時就職先が少なかったこともあり、若者が学んだ技術を十分に発揮できるように職業訓練と雇用を直結させた収入創出活動(Income Generating Activities, IGA)を2007年末より開始しました。今では、技術習得と収入向上が主な目的であるIGAに加え、現地の労働環境の改善など就職先の選択肢が拡大したことなど社会情勢の変化を受けて、2016年より訓練後の段階的かつ実現可能な自立を目指した若年女性のためのエンパワメント(Young Women Empowerment, YWE)事業を実施しております。

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