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【バングラデシュ】現地スタッフが語る「私が一番忘れられない思い出」

報告:広報/支援者対応 岡田茜

バングラデシュでは、2024年の政変以降、暫定政権を経て、2026年2月12日に総選挙が実施され、新しい政権が発足しました。これからどのような国づくりが行われていくか注目ですが、私としては、KnKが支援する「ほほえみドロップインセンター」の子どもたちも、社会を構成する一員として、その権利が享受できる環境が一刻でも早く整えられることを祈るばかりです。そして、KnKのドロップインセンターで培った経験や知識も、子どもたちにとってより良い社会づくりに役立てられることを願っています。

さて、その「ほほえみドロップインセンター」ですが、2011年9月に開設されてから、今年2026年で15年の節目を迎えようとしています。センターでは現在6名のバングラデシュ人スタッフが日々、路上で生活する子どもたちと向き合いサポートを行っていますが、そのほとんどがセンター開設からずっと働き続けています。

改めて、中央がセンター長のタリク、その両脇がソーシャルワーカーのビプロブ(左)とチョンドン、その右が同じくソーシャルワーカーのシャミマ、左が料理担当のジェスミン

改めて、中央がセンター長のタリク、その両脇がソーシャルワーカーのビプロブ(左)とチョンドン、その右が同じくソーシャルワーカーのシャミマ、左が料理担当のジェスミン

教育係のファルザナ(左)

教育係のファルザナ(左)

私自身、「ほほえみドロップインセンター」の唯一無二の強みは、このスタッフチームの結束とねばり強さ、ストリートチルドレンと向き合って来た経験から得られる知見、そして何より、「子どもたちのために」という彼らの揺るぎない想いと献身だと、胸を張って断言できます。彼らが長くセンターを運営してきたからこそ、子どもたちもスタッフを信頼し、センターへ安心して定期的に通って来ていると考えます。

今回のウェブ記事では、「長年センターの子どもたちと向き合ってきた中で、一番忘れられない思い出」と題して、3名のスタッフが寄せてくれた回答をご紹介します。この回答は、先月2月25日に開催されたオンライン報告会の中でも取りあげましたが、より多くの方に読んでいただければと思い、ウェブサイトにも掲載します。

ソーシャルワーカーのビプロブの忘れられない思い出

ソーシャルワーカーのビプロブ

ソーシャルワーカーのビプロブ

「私にとって忘れられない子どもはサイフルです。彼はとても無謀なことで知られていました。他の子どもたちとよく喧嘩をし、スタッフとさえ口論になることがありました。多くの人が彼と接するのに苦労していました。

そんなある日、サイフルがセンターにやって来て、ひどい体調不良を訴えました。容態がかなり深刻であることがすぐに分かりました。彼は弱々しく、疲れ果て、痛みを感じていました。

私はすぐにサイフルを病院へ連れて行き、医師の診察を受けさせました。それから適切な治療を受け、完全に回復するまでに約1ヶ月かかりました。その間、私は彼を見舞い、連絡を取り続けました。

回復後にセンターへ戻ってきた時、サイフルの何かが変わりました。以前のように攻撃的になったり、喧嘩をすることがなくなりました。職員を尊敬するようになり、他の子どもたちへの思いやりも深まりました。その日から、問題を起こすことはなくなりました。

サイフルが私を尊敬と信頼の眼差しで見つめ始めてくれた時のことは、決して忘れられません。それは単に病気が治ったからではなく、彼の心の変化によるものでした。子どもが悪い行いをするのは、その子が悪い子だからではなく、彼が傷ついているからだということに私は気づきました。大事な時に誰かが思いやりを示してくれると、子どもたちは変わることができるのです」

子どもたちに思い切り抱き着かれるビプロブ

子どもたちに思い切り抱き着かれるビプロブ

教育係のファルザナの忘れられない思い出

いつも優しい笑顔で包み込むファルザナ

いつも優しい笑顔で包み込むファルザナ

「私にとって最も忘れられない思い出は、たった一つの出来事だけではありません。それは、ドロップインセンターの子どもたちが辛さを忘れ、心から笑う瞬間です。

彼らはこれまでさまざまな苦難を経験してきましたが、それでもなお、人を信じ、思いやり、希望を持ち続けています。その姿は私に大きな感動を与えてくれます。物質的なものはほとんど持っていないかもしれませんが、彼らは強さと温かい心を持っているのです。

子どもたちの元で働き始めてから、私は変わりました。私は、彼らを導き、彼らを守るためにセンターで働いていると信じていました。でも実は、子どもたちの方がさまざまな場面で、私に忍耐や思いやり、そして真の喜びの意味を教えてくれていることに気付きました。これらの思い出は、私の中に長く残り続けると思います」

子どもたちのボードゲームの様子を楽しそうに見守る

子どもたちのボードゲームの様子を楽しそうに見守る

ソーシャルワーカーのチョンドンの忘れられない思い出

器用なチョンドンは、子どもたちの散髪も担当している

器用なチョンドンは、子どもたちの散髪も担当している

「路上で暮らす子どもたちの多くは12歳未満です。彼らはよく私のところにやって来て、自分たちの悲しみや喜びを分かち合ってくれます。困ったことだったり、将来の夢だったり、そしてその日の些細な出来事まで話してくれます。

私が現場に行くと、彼らは私を抱きしめ、ちょっとした仕事を手伝ってくれ、彼らなりのシンプルな方法で優しく気遣ってくれます。彼らの愛は純粋で誠実です。それは義務感からではなく、彼らと私とのつながりから来るものだと信じています」

教育クラスで、子どもに文字を教える様子

教育クラスで、子どもに文字を教える様子

 

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