活動ニュース

「ほほえみドロップインセンター」女子支援の現状

報告:バングラデシュ事業担当 三喜 一史

2023年末にドロップインセンター(DIC)近辺での調査の結果、路上で生活する女子の数が増えていることが確認できました。この結果を受け、2024年はより多くの女子がDICで支援を受けることが可能となるように、女性ソーシャルワーカー1名を増員しました。
DICではこれまでに男性プロジェクト・コーディネーター、男性ソーシャルワーカー2名、女性エデュケーター1名、女性調理師1名の5人体制で子どもたちを受け入れてきました。
DICに来れば女性エデュケーターもいるので、安心して過ごせることが子どもたちにもわかってもらえるのですが、毎朝、DIC近辺で子どもたちに声掛けをしている男性ソーシャルワーカー2名が、路上で生活している女子の姿を確認して、DICへ誘導を試みるのはなかなかハードルが高いようでした。男性ソーシャルワーカー自身も周りの目が気になり、DICに誘導するまで活動内容などをじっくりと説明することができないとのことでした。これまでDIC近辺で路上生活する子どものほとんどが男子であったため多くの子に支援を届けられたと考えていますが、増加傾向にある女子を支援までつなげるにはDICの外でいかに安心してもらって話しを聞いてもらうか、が大切だと現場スタッフは感じたようです。

これを受け、2024年4月に女性ソーシャルワーカーを雇用することとし、さっそくDIC開所と共に近隣に出て子どもたちへの声掛けを行っていただき支援につなげる活動に注力してもらいました。

下記のグラフの通り、4月から8月にかけて女子の1日あたりの平均来所者数は3月の1.5名/日から4月~6月が2.0名/日台、7月に4.5名/日、8月も3.8名/日と増えて行きました。一日に4名以上くることはこれまでにも何度かありましたが、平均して4.0名/日を超えたのはDIC開設以来、初めてのことで、女性ソーシャルワーカー配置による効果の表れでもあると考えています。参考として2022年と2023年のデータもグラフに示しました。

しかし、9月以降の女子の来所者数は大きく下がりました。要因として2つあり、1つは、子どもたちは仕事などを求めて他地域に移動する傾向が強いのですが、その中で数か月間定期的に来所していた子どもたちが移動してしまったことがあります。そして、もう一つが女性ソーシャルワーカーの退職です。一生懸命子どもたちのために活動に従事してくれていましたが、どうしようもできない家庭の事情があり、離職せざるを得ず、9月の始めに退職してしまいました。11月に新たにまた女性ソーシャルワーカーを雇用することができましたが、その間、日々新たに移動してくる子へのアプローチができずに女子の来所者数も減少する結果となりました。

年間で見ると2022年の女子の月ごとの平均来所者数は0.98人/日、2023年は2.1人/日、そして2024年は2.0人/日でした。年間で見ると昨年とほぼ同じ数字となりましたが、女性ソーシャルワーカーが入った4月から8月だけで比較すると2022年は0.66人/日、2023年は2.5人/日、2024年は3.0人/日と女性ソーシャルワーカー配置の効果があったと言えるのでは、と考えています。加えて、2024年の折れ線を見ていただくと11月に新たな女性ソーシャルワーカーを雇用したことで12月が、微増でありますが、また数字が上がり始めています。また、改めて年次報告書にて活動の詳細を報告させていただければと思いますが、その際には2025年1月以降の状況も合わせて、女子へのアプローチがどのような結果になっているのかご報告させていただければと思います。

 

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