2015/05/11
報告:KnKスタッフ 清水 匡
30万人ともいわれるストリートチルドレンが今日も力強く生きています。彼らは人が集まるところにやってきます。ここジョトルガット船着場もそのひとつ。毎日何百もの船が行き来をしているアジア有数の港です。前回のニュースでは水売りをしている少年ココンを紹介しました。今回はココンたちが売る水をペットボトルに入れる仕事をしている少年ノイアン(14)のお話です。
ノイアンが生きていくためにやっている仕事
ノイアンは家族でダッカに来たときに迷子になり、ダッカのストリートチルドレンになってしまいました。
信じられますか?これがバングラデシュの現実です。
どの国であろうと、子どもが一人で生きていくのは至難の業です。ノイアンはダッカのギャングたちから身を守るために自らギャングのメンバーになりました。リーダーに逆らうと暴力を振るわれるため、嫌な仕事も逆らわずにこなしています。
彼の朝の役割はペットボトルに水を入れる仕事です。前日集めた空のペットボトルを何列にも並べ、近くの水道からホースを持ってきて水を入れます。それが終わるとリーダーが住んでいる桟橋の下を掃除します。
「おい、ここにもゴミが落ちてるぞ!」いくらゴミを拾っても風が吹くと近くのゴミがすぐに舞ってきます。
KnKほほえみドロップインセンター
朝の仕事を終えたノイアンが楽しみにしていることがあります。「KnKほほえみドロップインセンター」に行くことです。センターではおいしいご飯が食べられ、テレビも見られます。
センターに入ると受付で自分の名前を書きます。しかしノイアンは自分の指にインクを付けて紙に押しました。文字が書けない子どもはサインの変わりに指でスタンプを押すのです。
ある時スタッフが「せっかくだから自分の名前を書いてみようよ」と提案しました。最初は嫌そうな顔をしたノイアンにスタッフが鉛筆の持ち方を教え、一緒に名前を書いてくれました。「これが君の名前だよ」と言うとノイアンは照れくさそうに笑いました。スタッフと何度も何度も一緒に練習をして「今度は自分で書いてごらん」。そういうとノイアンはゆっくり書き始めました。ちょっとぎこちない感じですが初めて自分で自分の名前を書いたのです。そして、ノイアンは紙と鉛筆を持って別の部屋に行ってしまいました。
後で部屋をのぞいてみると、ノイアンは一人で自分の名前を書く練習をしていました。
自分の名前が書けるようになったことが嬉しかったのでしょう。練習した紙を嬉しそうに見せてくれました。
子どもたちを支えるために、あなたのサポートを必要としています
例えば1,500円のご寄付で、KnKほほえみドロップインセンターのストリートチルドレン15人に朝食と昼食を提供できます。「毎日の力!50円」にご参加いただくことで、年間180人のストリートチルドレンを栄養面でサポートできます。
KnKのご寄付は寄付金控除の対象となり、税制上の優遇措置を受けられます。
※ バングラデシュ、ダッカの「KnKほほえみドロップインセンター」運営は、株式会社味の素、フェリシモ地球村の基金からの助成と日本の皆さまからのご寄付で成り立っています。
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