2015/03/23
報告:現地代表 佐藤 健太郎
ユースセンター「希望の家」も地域で定着しつつあり、昨年後半からはVACAへの事業の移管を視野に入れた活動を行っています。今回は事業移管に向けての試みの一部をご紹介させていただきます。
将来の自立に向けた職業訓練
職業訓練では大学生や大学に通っていない18歳以上の若者を中心として、秘書コースやコンピューター技術コースを提供しています。今後、VACAを主体とした運営を目指し、地域との連携の強化とコース内容の質の向上を目指して活動を行ってきました。
地域との連携を強化するために地域の大学との共同講座実施を通し、職業訓練コースの知名度アップと幅広い層の受講生獲得を目指しました。昨年9月から開始したベツレヘム大学との連携講座では、当大学の地域参画センターとのパートナーシップで秘書コースなどを実施しました。現在は、事業地にあり、より相乗効果の高いアルコッズ大学との連携講座実施に向け調整を進めています。
コース内容の質についてはより実践的な内容を目指し、応用秘書コースの内容を中心に授業内容を精査しています。また、日本人派遣員による講義なども実施し、より実践的なコースを提供するなど、現地スタッフとの授業アイディアやノウハウの交換なども行っています。
課外補習で多用な経験を
課外補習でも理科実験の授業などを提供し活動に新たな要素を加えつつ、将来の事業移管への準備を進めました。子どもを対象とした活動としては非公式教育と課外補習の2つを実施していますが、両者の活動対象が大きく異なっているのが課題でした。非公式教育に参加する子どもたちはどちらかというと課外補習を好まない子が多く、課外補習に参加する子どもたちは非公式教育にあまり参加しないことが多いのです。もちろん、これには家庭の方針も影響しています。課外補習に参加している子どもたちの保護者にはあまり音楽や芸術などの教育に関心のない方も多いのです。私たちは子どもたちには学校でのいわゆる勉強はもちろん、音楽や芸術なども非常に重要なものだと考えています。
私たちは子どもたちに多様な経験をしてもらうことが彼らの将来形成に大きな影響を及ぼすと考えています。そこで企画したのが今回の理科実験授業です。パレスチナの学校にも近年理科実験室が整備され、徐々に理科の授業での実験も行われているそうですが、今回は学校ではなかなか実施されないような実験内容も取り入れつつ実施しました。また、できる限り、子どもたちに体験しながら学ぶ機会を作っていくよう努めました。
あいにく、2月は降雪もあるなどとても寒かったのですが、それでも、子どもたちは元気に参加してくれていました。今後もこのような形で新しい活動を企画していきたいと思っています。
今後もエルサレム県の村々を支援し続けます
KnKは引き続き、アルザリア村を中心とするエルサレム県の村々を支援し続けていきます。具体的には地域の学校などを訪問し、課外活動の支援をしていく予定です。これらの活動内容については後日詳しくご紹介させていただきたいと思っております。今後も引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。
子どもたちを支えるために、あなたのサポートを必要としています
5,000円で、5人の青少年が1ヵ月間、学校に通えます。
国境なき子どもたちへのご寄付は寄付金控除の対象となり、税制上の優遇措置を受けられます。
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