2015/03/03
報告:KnKスタッフ 久野 由里子
2013年11月8日にフィリピンで発生した大型台風の被災地支援事業を終了しましたのでご報告します。
事業期間:2013年11月22日~2014年12月16日(調査ミッション含む)
裨益者数:約3,000人
事業地:レイテ島タナワン、サマール島バサイ、マラブット
KnKは、被災前からドロップアウトする生徒や、児童労働の対象となる子どもが多いと言われていたレイテ島、サマール島の3地域で大型テントを用いたチルドレンセンターを運営しました。同地域は、主な生計手段である漁業やココナッツを使った産業(ココナッツオイル、石鹸、シャンプーなど)が台風により大きな被害を受けたことから、家庭の経済状態がより逼迫し、子ども・青少年が働かざるをえないなど通学の継続や、復学が困難になり、人身売買や児童労働などのリスクが高まることが懸念されていました。活動は大きく2014年7月までの第一フェーズと7月以降の第二フェーズにわけられます。
2013年11月に実施した事前調査をもとに、2014年1月からレイテ島タナワン、サマール島バサイ、マラブットの3地域にチルドレンセンターを設置しました。
KnKフィリピンスタッフ、リチャードへのインタビュー
2013年11月に実施した調査ミッションから事業に関わり、事業終了まで約1年間レイテ島、サマール島に駐在したKnKフィリピンスタッフのリチャードにインタビューを行いました。
よくその質問を受けるけど、言葉にならなかったとしか言いようがない。表現できなくて、でも調査ミッションだから、ただただ「数字」で表すようにしていった。亡くなった子どもを抱きながら歩く父親の姿を見て、自分も子どもがいるから気持ちを重ねて吐いてしまったこともある。
Q.どんなことが事業で難しかったですか?
レイテ島、サマール島ではフィリピン公用語のタガログ語ではなくワライワライ語で話すため、地域の方の話すことを理解するのが難しかった。
スタッフ同士で日々感じていることなどをシェアしてストレスを抑えるようにしたけれど、それでもじんましんや頭痛がでたり、数えきれないほど下痢を体験したりした。
Q.一番印象に残っているのはどんなことですか?
自分の人生を彼らとシェアして、同時に彼らからも多くのことを学んだ。
事業終了前にクリスマスパーティーをしたんだけれど、スタッフはみんな泣いていて、ただ「ありがとう」としか言えない人もいた。
子どもから”Through KnK, I learned how to live again.”と言われたのが印象的。彼らは被災直後、笑うことも忘れていた。だけど、KnKの活動を通してどうやって自分の力で生きていくのか、知恵や強さを身につけられたんだと思う。
大きな喪失を経験した子どもたちですが、将来に夢と希望を持って再び歩いていく子どもたちにまた会える日を楽しみにしています。
改めまして、皆さまからのご支援に深く感謝申し上げます。
※この活動は、認定NPO法人ジャパンプラットフォームからの助成と皆さまからのご寄付で実施しました。
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【KnKフィリピン活動概要】