2014/04/08
報告:KnKスタッフ 松浦 ちはる
KnKがチルドレンセンターを設置した、サマール島のバサイとマラブットは前に海が広がる自然豊かな地域です。
人々は、かろうじて残った柱や壁にシートを被いかぶせて海と共に暮らす生活を続けています。
チルドレンセンターで毎日子どもたちに勉強を教え、話し相手となる地元スタッフもまた、その多くが台風の被災者です。
フィリピン大型台風ハイエン(30号)による被害は広範に及びました。国際援助機関の集まりやすい物流拠点から遠くなればなる程、支援対象から外れがちになります。KnKがチルドレンセンターを設置したマラブットは、空港があるレイテ島タクロバンから車で2~3時間離れたサマール島南部に位置しています。アクセスの悪さに加えて人的被害が比較的少ないため、町の被害は大きいにも関わらず、支援に入った団体は他の地域に比べて少数でした。
オイルや石鹸となるココナッツは、フィリピンの農水産物輸出額上位を占める基幹産業です。この地域も被災前は漁とココナッツの収穫で生計を立てていました。しかし台風ハイエン(30号)で舟は流され、また椰子の木々も壊滅状態にあります。30センチほどにもなる太い幹がなぎ倒された光景は、5ヵ月前に起きた台風ハイエンの破壊力と恐ろしさを裏付けています。
大きく育つまで10年程かかると言われている椰子の木。
再びココナッツが収穫できる日まで KnKがこの地に居続けることは恐らくできません。私たちが今できることは、近い将来復興の担い手となる子どもたちに学習や心のケアなどの「機会」を提供し、彼らが夢や希望を持ち続けられるよう手助けすることです。
どうかこの活動を1日でも長く続けられますよう、皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。