活動ニュース

2021年の活動報告と担当者からひと言!~パキスタン~

2021年にパキスタンにおいて取り組んだ活動内容と、担当者からのひと言!をお届けします。

KP州における女子の中等教育の質の向上により、対象中学・高等学校の女子の就学率が大きく改善しました。

■ 実施期間:2017年7月~継続中(2020年11月~中等教育に特化)
■ 実施地域:ハイバル・パフトゥンハー(KP)州アボダバード郡、マンセラ郡、
トルガー郡
■ 裨益者とその数:5歳から15歳の児童・生徒3,154名、PTA32名、教員88名、教育局職員・州議会議員・地域住民
■ パートナー・関連諸機関:日本国外務省、パキスタンKP州政府、パキスタン教育省アボダバード郡支局、マンセラ郡支局、トルガー郡支局、Friends Welfare Association(FWA)

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■学習環境の整備

・2020年末より対象地域をKP州内3郡にひろげ、女子の中等教育へのアクセス向上に取り組んでいます。
・トルガー郡の中学校2校、アボダバード郡とマンセラ郡の高等学校各1校の計4校の校舎施設を建設し、女子が安全な学習環境へアクセスできるよう整備しました。その結果、対象中学校の純就学率が40%から73%、高等学校では15%から79%に改善しました。

新設した手洗い場

・女子の中学校施設が未だ設置されていなかったトルガー郡では施設の拡充が女子の進学の大きな後押しとなり、また、過密状態であった高等学校は、入学を待っていた多数の女子生徒を受け入れることができました。あわせて、女子の就学の阻害要因であったトイレや境界壁などの施設不足を解消するとともに、耐用年数が長く災害時にも備えられる太陽光パネルを設置しました。

■教員・PTA研修、ガールズサークル・アドボカシーグループの組織化
・教員やPTAへの研修と地域のアドボカシーグループの組織化を通じてソフト面の支援を行い、教育の質向上の相乗効果を図りました。教員がピア・ラーニング学習(対話を通して学習者同士が協力しながら学ぶ学習方法)を授業で実践する積極的な様子も確認されています。また、PTAは研修参加以降、定期的に集まるようになり、学校運営計画を作成するなど各校の課題解決に向けて教育局と連携できる体制を作りつつあります。

・全4校でガールズサークルを形成し、青年期に必要なコミュニケーション、問題解決や意思決定、健康管理などをテーマにしたライフスキル研修を実施しました。受講後には、健康増進エクササイズのスケジュールを教室に貼り出すサークルメンバーや、ドロップアウトした友人が復学できるよう家族にかけあった生徒もありました。

・コミュニティでは、アドボカシーグループ(CAG)が4ヵ所で立ち上がり、活発なアクションを展開しました。CAGは、学業継続を希望する女子が地元で進学できるよう、ニーズに基づいた学校の開設を郡教育局へ働きかけました。また、女子教育についてどんなネットワークを通じていかに効果的なメッセージを発信すべきかをメンバー間で話し合うなど主体性も現れ始めています。

海外事業担当/パキスタン:大竹 綾子

2021年のライフスキルセッションの実施を通じて、「生徒同士、生徒と教員がつながる場」や「友だちや先生と話し合って物事を一緒に解決する機会」ができたという生徒たちの感想は、彼女たちの最近の快活な姿にもよく表れていたと思います。2022年は、女子大学生のボランティアと中高生が交わり、女子が日常生活で直面する悩み事から進学、就職にかかる課題までを共有しあうことで、地域の生の声が郡や州政府にも届けられるよう、さらにもう一歩を踏み出しています。

【パキスタン活動概要】

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