2021年にバングラデシュにおいて取り組んだ活動内容と、担当者からのひと言!をお届けします。
コロナ禍の中、ストリートチルドレンのためのドロップインセンターの運営にも大きな影響が出ましたが、様々な工夫を重ね乗り切りました。
■ 実施地域:ダッカ管区ダッカ県ケラニゴンジ郡(ショドルガット船着き場)
■ 裨益者とその数:6歳から17歳までのストリートチルドレン のべ約6,800名
■ パートナー・関連諸機関:株式会社タムラ製作所、Society for Underprivileged Families(SUF)
コロナ禍の影響によるドロップインセンターの運営状況
DICは平日(日~木)の9時から17時まで開所し、1日約40人のストリートチルドレンを受け入れています。2021年は前年に続き新型コロナウイルス感染症の影響を受け、ロックダウンや行動規制が発令され、DICも、4月、6月、7月は完全に活動を停止せざるを得ず、5月と8月についても一時活動を停止しました。
前年、食事提供などの支援が完全に止まってしまった反省を生かし、2021年は、外出できない職員が自宅からDIC近辺で商店を営む地域住民と電話で連絡を取り合い、子どもたちの状況把握に努めました。さらに、センター近くのレストランから協力の申し出を受け、DIC休館中の食事提供を行うことが可能となりました。
・朝食をのべ4,743名、昼食をのべ6,798名に提供しました。加えて、4月、6月、7月の3ヵ月間は1日約30~35名がDIC近くのレストランの中、もしくはテイクアウトで食事をとりました。
・皮膚病やケガの応急処置を82名に施しました。前年に引き続き、DICに通う子どもたちからは新型コロナウイルス感染症に罹った、もしくはその疑いがあったとの報告はありませんでした。
・感染予防をはじめとする保健のワークショップなどを月33回ほど実施し、計649名が参加しました。
・日常的に地域の子どもたちへの声がけを行うと共に、9月には久しぶりに地域の方をDICに招き、啓発活動を実施しました。子どもたちがよく利用するボートタクシーの運転手を招き、子どもたちの状況の共有と引き続き子どもたちの見守りをお願いすることができました。
・子どもたちがコロナ禍で疲れた様子を見せており、身体を休めるため、また、安心して寝られるようマットレスや毛布を準備し、できうる限り睡眠場所の提供を行いました。毎日13人ほどがDICで睡眠をとりました。
・8月以降は、国内感染者数の減少に合わせ、教育クラスの再開や、年末には遠足に出ることも可能となりました。
1.毎日、子ども40名がセンター近くのカフェレストランで食事をとれるように手配する。
2.カフェレストランのオーナーと地域の方々に、子どもたちの見守りとサポートをお願いにまわる。
3.年長の子どもたちと携帯番号を交換し、港で暮らす子どもたちの情報を定期的に収集する。
4.可能な時にはセンタースタッフが子どもたちの様子を見まわりに出る。
5.マスクの着用と手の消毒を徹底して促し、また清潔を保って安全に過ごすよう念を押す。
6.医療施設や薬局に連絡し、子どもたちがケガや病気の場合は治療をしてもらえるようお願いしておく。
海外事業担当/バングラデシュ:三喜 一史
2021年は新型コロナウイルス感染症が更なる猛威を振るい、皆様も大変な思いをされたかとお察ししますが、その中でも継続してご支援をいただけましたこと、心より感謝申し上げます。ドロップインセンター開設時より皆様のご支援もあり活動を10年続けることができました。そして、この10年を通して、子どもたちだけでなくバングラデシュの地域の方々からも活動へのご理解を得られることができコロナ禍での子どもたちへの支援を継続することができました。遠く離れた人々が一つの想いを共有し、子どもたちに手を差し伸べる、その瞬間に立ち会えたことを幸せに感じました。皆様からの想いを届け、形にし、子どもたちの未来に繋げられるよう努力して参ります。今後とも温かく見守り頂けますと幸いです。