活動ニュース

マララさんの故郷でKnKが取り組む「女子教育向上」支援

報告:KnKスタッフ 大竹 綾子

3月末、ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんが、英国からパキスタンへ5年半ぶりに帰郷しました。マララさんがイスラム武装勢力に襲撃されて以来、パキスタンの女子教育は高い注目を浴びているものの、その現状は依然として厳しいといえます。

マララさんの出身地ハイバル・パフトゥンハー(KP)州では、就学年齢の子ども150万人がいまだ学校に通えておらず、そのうち100万人超を女子が占めるなど教育アクセスのジェンダー格差も大きいです。青空教室やテントでの授業など、多くの子どもたちが過酷な学習環境を強いられています。家から学校まで長く危険な道のりを通わなければならなかったり、特に思春期の女子はトイレがなくて困るなど、女子教育向上への課題は山積みです。そうした背景のもと、KnKは現在、KP州マンセラ郡において、ハード・ソフトの両面で学校環境を整備し、女子教育の向上を図り活動をしています。

山を一つ越えた向こう側の家から学校へ通う子どもたち。幼い子どもたちにとって片道2時間の道のりはかなりきつそうです。

ムスリムの社会では特に思春期の女子が青空の下で勉強することに多くの親が反対します。また、山岳地帯では夏は酷暑、冬は積雪も多く、通学や授業の実施は天候にも頻繁に左右されます。

活動地では、男性優位の伝統的な慣習が残る地域も多く、貧困問題もあわさり、女子教育の普及が大きく遮られています。特に女子の早期結婚については深刻な問題として各地で懸念の声を耳にします。法律で結婚可能な女性の年齢は16歳であるにもかかわらず、山間の僻地では12歳程で結婚し家庭に入る女子も少なくないそうです。

貧困家庭では、愛娘を守る一つの手段として娘の結婚を選ぶ親も多いと聞きました。女性差別という一言では括れない両親の想いや現地の事情があるようです。

KnKは、学校の校舎や施設のみでなく、先生方や保護者、生徒会そして行政職員に向けた研修も実施し、女子生徒が学びやすい学校づくりが実現されるよう支援しています。地域の社会的慣習から女性、特に母親層の参加が少ないといった問題もありますが、地域との対話を日頃から丁寧に行うよう心掛けています。若い女性たちの活躍を地域全体が喜んで受け入れてくれるよう今後も引き続きサポートしていきます。

もうすぐ竣工を迎えるバッキパカの小学校

学校はパキスタンの女の子たちの可能性を拡げる場

※ パキスタンにおけるKnKの活動は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」の活用、ならびに日本の皆さまからのご寄付で成り立っています。

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