アッサラーム アライクム!(ウルドゥー語で、こんにちは!)
総務経理担当の後藤です。
KnKでは、外務省「日本NGO連携無償資金協力」を通じて、パキスタン北部山間僻地でハードとソフトの両面から、女子教育支援を行っています。ハード面としては12年前の大地震後、未だ傷跡の残る学校再建が中心となっています。
その事業地を3月に視察訪問してきました。
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今回は、全部で7つの小中学校の訪問です。そして全行程、車での移動です。
各校それぞれ完成間近のところから、まだまだ基礎もできていないところとさまざまですが、
ほとんどの学校が、舗装もガードレールもない、延々と続く山道の先にあるということで、道中は4輪駆動車に乗り換えます。
そして山間部とはいっても、日本のように緑豊かとは程遠く、ところどころに松の木が生えているだけの、厳しい生活環境が伺える悪路を進んで行きます。
4駆車に乗り換え、ガッタンンゴットン1~2時間のその先に、どこまで行っても集落は現れません。
と突然「ここが学校だよ」、と案内されたその先に見えるのは、塀です。
おそるおそる塀の中を除くと、そこにはなんと、100人から200人位の生徒たちが、地域のおじさん、おじいさんたちと共に、私たちを今か今かと待ち構えてくれていました。
塀の中には、完成に近づく建物はあるものの、今はまだ、その横での青空教室。
その教室で、子どもたちは、はにかみながらも、事前に入念に準備をしてくれていたと思われる大歓迎をしてくれたのでした。
その後もあっちの山、こっちの山と、学校を目指して進むのですが、その状況は、学校によって様々です。
塀だけの青空教室、
塀と骨組みだけはあるところ(地域の大人たちが、ここまでは頑張って作ったのだとか)、
雨漏りする隙間だらけのバラック、
極めつけは、斜面かつ、大きな穴が複数空いている敷地で、穴を避けながらの青空教室。
(穴は、12年前の大地震で倒壊した建物の後とのこと)
そんな中、どの学校でも共通していたのは、皆とても活き活きとしていること。
一人一人目を合わせていくと、どの子もはにかみながら、待ち構えていたかのように、
にっこりと笑い返してくれるのです。
そしてどこの学校でも、それぞれに趣向を凝らして大歓迎をしてくれたのでした。
完成間近の学校の備品には、日本の国旗と共に、「From the People of Japan」と書かれたシールがいくつも貼ってあります。
こんなにも日本から遠い国で、しかもとても辺鄙な地域に位置する学校の子どもたちが、これからの毎日の生活の中で、日本を感じてくれるであろうということ。
とても不思議で、かつなんとも、嬉しくありがたい感覚が沸き起こります。
旅の最後に訪れた女子中学校では、世界地図のファイルを持参していた事を思い出し、生徒たちに訪ねてみました。
「これは世界地図なのだけど、パキスタンはどこ?日本はどこ?わかる人は手を挙げて前に出てきて指し示してくれますか?」
皆、はにかみながら、迷いながら、そして嬉しそうに答えてくれました。
そして、「あらっ、パキスタンと日本は、中国を挟んでお隣同士だねっ!」というのを皆で認識し合ったのでした。
聞くところによると、パキスタンでは、中国の支援で南に位置する港湾が整えられたそうです。
今回訪れた街中では、その港から北部を通って中国へと続く、高速道路の建設ラッシュの様相が伺えました。それも中国の支援なのだとか。
ODA外交が、国によってこんなにも違うのだな、というのを改めて実感させられる旅でもありました。
最後に、一つの女子中学校の壁にあった言葉をご紹介します。
年配の女性の校長先生から、生徒たちへのメッセージです。
Education is the most powerful weapon which you can use to change the world!