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「私たち、校舎が欲しい・・・」-パキスタン北部地震で校舎を失って10年-

 

2005年10月8日、ちょうど学校の授業が始まる時間帯に、パキスタン北西部のヒマラヤ山脈に連なる山々で大地震が発生し、7万人以上の尊い命が亡くなりました。また、多くの校舎が倒壊し子どもたちは学校を失いました。あれから10年、学校再建はまだ道半ばにあります。今回は地震の被災地における国境なき子どもたち(KnK)の学校再建事業をお伝えします。KnKは現在、パキスタン北部のアーザード・ジャンムー・カシミール(AJK)地域で学校再建事業を実施しています。2005年の大地震の際、この地域だけでも2,691校が倒壊し、それ以来、子どもたちはいまだ青空の下、もしくは震災当時に設置されたテントで授業を受ける日々が続いています。

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パキスタン北部地震で校舎を失って10年

パキスタンにおけるKnKの活動もちょうど10年が過ぎます。大地震直後の緊急支援を経て、2010年からは北西部のマンセラ郡で学校再建を開始し、2014年までに40校の再建を完了しました。その後マンセラ郡における活動が地元に高く評価され、「ウチでもぜひ学校再建を」と、現在はAJK地域で事業を展開しています。昨年すでに7校の校舎を建て終え、今年から来年にかけさらに13校を再建予定です。

前述の評価された点とは、ただ学校を再建するのではなく、事業を開始する際に支援地域に丁寧な事業説明を行って事業への参画をお願いした点、またPTA研修を行って、KnKがいなくなった後も校舎のメンテナンスや教育への関心の持続を促した点です。地域の方々が自発的に学校周辺の通学路の整備をなさっている姿を目にすることも増えました。

10年間、待ち望んだ学校 -学校再建の前と後を比較します-

Before:ボロボロになったテントを修繕しながらしのいできました。

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震災当初に支給されたテントは数年でボロボロになってしまい、それを地域の人たちが力を合わせて修繕しながら使用してきた仮設校舎。雨や日差しをしのげるだけまだましです。

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After:子どもが、親が、先生が、皆が夢見た新しい学校です!

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待ちに待った校舎が完成しました。地域の様子も皆の気持ちもパッと明るく変わります。ここに通う生徒は全員、校舎で勉強したことがありません。ここは子どもたちのお城です。

Before:暗くて地面がむき出しの教室でも我慢するしかありません。

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テント内の教室に電気はありません。薄暗い中、机もなく、椅子に座れない生徒は地面に直に座ったり立ちっぱなしで授業を受けています。大雨が降ると足元はぬかるんでいます。

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After:電気、飲み水、トイレ、そして机と椅子も!

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新しい学校には電気がつきます。明るい教室で自分専用の机と椅子で勉強できます。のどが渇いたら飲み水もあります。トイレも外の茂みに行かなくたっていいのです。

教育は夢を育む。夢は人を強くする。

改善が見られた一方で、課題も残っています。それは子どもたちが語る夢がまだまだ少ないということです。挙げるとしてもせいぜい「先生」、「医者」、そして特に男の子は「軍人」くらいです。こういった子どもたちに将来の選択の幅を広げてあげられるのが学校そして教育なのだと改めて確認し、新しくなった学校で将来の夢をぜひ描いてほしいと願っています。
そのためにも皆さまからのご支援をお願い申し上げます。

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例えばパキスタンにおけるKnKの取り組みでは・・・

  • 3,000円のご寄付は、教師の能力向上のための研修費1名分に相当します。
  • 5,000円のご寄付は、保護者を対象とした教育の重要性などに関する意識啓発研修の費用3名分に相当します。
  • 10,000円のご寄付は、生徒会の組織強化及び意識啓発の研修費17名分に相当します。

子どもたちを支えるために、あなたのサポートを必要としています


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KnKへのご寄付は寄付金控除の対象となり、税制上の優遇措置を受けられます。

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