活動ニュース

洪水にも負けない子どもたち

 

2015/12/04
報告:プロジェクト・マネージャー 真嶋 忍

今年9月、台風18号の影響による大雨で日本でも大規模な水害が発生しましたが、ミャンマーでもこの夏サイクロン『コメン』とそれに続く大雨により深刻な洪水に襲われました。ミャンマー国家災害対策委員会(National Natural Disaster Management Committee)によると、ミャンマー全土で約160万の人が被害に遭い、120人以上の方が命を落としました。

 

甚大な被害、しかし7年前の教訓を生かして

国境なき子どもたち(KnK)は水害が最も大きかった州のひとつであるエヤワディ管区のインガプ・タウンシップにて支援活動を開始しました。エヤワディ管区だけで50万人以上の避難者が出たと言われ、その中でもインガプ・タウンシップでは1万7千世帯が被災し、ミャンマー国内で被害が最も甚大なタウンシップのひとつとされています。

このように非常に深刻な被害をもたらした水害でしたが、ミャンマーは2008年にも超大型サイクロン『ナルギス』により過去に例を見ない水害に遭っています。その時は実に240万人が被害を受け、10万人以上の方が命を落としました。今回の水害でも深刻な被害に遭いましたが、ナルギスの教訓を生かし、地元の方々が率先して避難したことで今回の水害は低く抑えられたと言われています。

 

支援内容

しかしながら教育への被害は深刻で、エヤワディ管区内にある1,300の学校校舎が水害に遭い、うち125校は全半壊、学校活動の継続が困難となりました。

KnKは皆さまのご支援を受け、10月から支援事業を開始し、小学校11校の校舎(壁、床、屋根など)やトイレ、井戸などを修繕し、同時に3,000人の子どもたちに鞄や筆記用具などの学用品を配布してきました。

中学生が迎えてくれました

中学生が迎えてくれました

ミャンマー人スタッフによる聞き取り調査

ミャンマー人スタッフによる聞き取り調査

 

地元政府の資金が行き届かず、もともと多くの学校が老朽化によって傷んでいたところ、今般の水害で更に損害を受けましたが、地元の大工や村民ボランティアの力を借り、可能な限りの修繕を施しました。

修繕した11校のうち10校は床上浸水しており、その爪痕が痛々しく残っていました。

学校全体が洪水に襲われました

学校全体が洪水に襲われました

洪水の爪痕が残る学校

洪水の爪痕が残る学校

 

水害を直接受けた学校は遠隔地に位置し、非常に貧しい地域です。水害で田んぼや畑はほぼ全滅し、その間農民の方々は氾濫した川で魚を捕って現金を得ていたそうです。保護者は学用品を買う余裕もなく、子どもたちは布袋やビニール袋にノートと鉛筆を入れて通学しています。そのため、今回配布した通学鞄は子どもたちにとってこれまで見たこともないような立派で頑丈なものだったようで、シエン君(11歳)は「新しいバックが嬉しい。ずっと長く使える!」と喜んでいました。各バックには、筆記用具や定規、消しゴム、コンパスなど基本的な文房具が入っています。

シエン君(11歳)家庭の事情から学校を休みがち。まだ1年生

シエン君(11歳)家庭の事情から学校を休みがち。まだ1年生

新しい通学バックに思わず笑顔がはじけます。

新しい通学バックに思わず笑顔がはじけます。

何が入っているのかな?

何が入っているのかな?

 

どんなところ?

エヤワディ管区は、ヤンゴンに隣接し車で数時間の距離ですが、外国人の入域には今でも特別な許可書が必要です。幹線道路には警察のチェックポイントがあり、パスポートと許可書を見せて通過します。エヤワディ管区はエヤワディ川のデルタ地帯に位置しており、多くの場所にはボートでないとたどり着けません。本事業を実施するインガプ・タウンシップも例外ではなく、支援先の学校へはオートバイとボートを乗り継いでの移動です。それも雨量により日々変化し、昨日はオートバイと徒歩でたどり着けた学校も今日はボートでないとたどり着けない・・・という時もあります。

ボートでの移動

ボートでの移動

徒歩で移動。このはるか先に支援先の学校があります

徒歩で移動。このはるか先に支援先の学校があります

 

寺小屋で学ぶ子どもたち

ある学校は水害後、校舎が使い物にならず村の方々が竹で簡易校舎を作りましたが、使用に耐えられるものではなく、子どもたちはお寺の一角で勉強を続けています。「寺小屋」と呼ぶにふさわしいような小さな施設ですが、そんな環境でも元来教育に熱心なミャンマー人の先生らは勉強を教えています。生徒たちは先生の言うことをよく聞き、先生方は子どもたちに寄り添うようにして読み書きや算数を勉強しています。先生を敬い、一生懸命勉強する子どもたち。日本の古き良き教育システムに通じるものがあるかも知れません。ミャンマーでの支援活動を通じて、教育こそ子どもたちの可能性を広げ、社会の発展を底上げしていくのだと改めて感じています。

皆さまの温かいご支援を、KnKはこれからも現地の子どもたちへ伝えていきます。

 

子どもたちを支えるために、あなたのサポートを必要としています


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KnKへのご寄付は寄付金控除の対象となり、税制上の優遇措置を受けられます。

 

※この活動は、認定NPO法人ジャパンプラットフォームからの助成と皆さまからのご寄付で実施しています。

 

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【ミャンマー活動概要】

 

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