活動ニュース

カンボジア事業15周年、夢をかなえた一人の青年の話

 

2015/10/28
報告:KnKスタッフ 熊本 晃順

国境なき子どもたちは、2000年9月カンボジアでの支援活動を開始しました。
事業開始から15年、私たちは経済発展の裏で広がる格差や貧困により苦しむ子どもたちに、手を差し伸べサポートし続けています。

ストリートチルドレンや人身売買の被害に遭った子どもへの支援

この15年間で、カンボジアは大きく変化しました。
私たちが運営する自立支援施設「若者の家」では、以前は「ストリートチルドレン」の受け入れが多かったのに対し、最近では「人身売買の被害者」や「隣国で出稼ぎ労働する子ども」の割合も増えています。
国境を越えて出稼ぎをすることが以前よりも容易になり、その影響は子どもにまで及んでいるのです。

私たちは、何万人もの子どもたちを一度に支援することはできません。
しかし「今」支援を必要とする子どもたち一人ひとりに向き合い、教育や職業訓練、安全な生活環境を通じて、将来を生き抜く力を身につけられるよう共に歩むことはできます。

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夢をかなえた一人の青年、ソクンの話

今日は、私たちの支援を通じて自立を果たした一人の青年ソクンについてご紹介します。

ソクンは、1987年ベトナムとの国境に近いプレイヴェン州に生まれました。
家族は貧しく、10歳のころ親元を離れ地域の仏教寺院に身を寄せることになりました。
カンボジアでは、このように貧困家庭の子どもを預かるお寺は多く、ソクンは僧侶としてではなく、掃除や料理の準備などお手伝いをしながら生活することになりました。

「家族と離れて暮らすのは寂しかったけど、学校に通えたのでお寺での生活はつらくはなかった」
とソクンは振り返ります。

しかし、2004年ソクンが高校に入学し17歳になったとき、自分より小さな子どもたちを預かるためお寺を出て生活しなければならなくなりました。

かつての自分がそうであったように、貧困を背景に、より弱い立場にある子どもたちが途切れることなくお寺に預けられていたそうです。
お寺を離れたソクンは、17歳で自分の人生を選択しなければならなくなりました。

彼は、学校に通い続けることを希望しました。
そしてその時KnKと出会い、2002年に開設した「若者の家プノンペン」*で生活することになりました。

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2004年「若者の家プノンペン」に来たばかりのソクン

(*「若者の家プノンペン」:2002年9月~2008年11月まで運営。首都プノンペンにおいて、主に高等教育を受ける青少年のために開設された。)

 

「若者の家」では同年代の男子5-6名と共に生活し、彼は新しい高校に編入しました。
学校では勉強に励み、厳しい卒業試験にも合格し、見事名門である王立プノンペン大学の学生となりました。

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高校卒業時

 

大学では経済を勉強し、多くの若者と同様にビジネスでの成功を将来の夢として抱くようになりました。

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王立プノンペン大学の前で

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大学でも、他の学生と共に勉学に励んだ

 

そして2009年大学卒業と同時に「若者の家」を卒業し、一人の社会人として自立の道を歩みだしました。

ビジネスマンとしてグローバルに活躍中!

現在は、国際貿易を営む会社に所属し、シンガポールやマレーシア、中国にも出張し、事業の拡大を担い、グローバルに活躍しています。

ソクンのようなケースは、皆さまのご支援により、15年間活動を続けられたからこその成果といえます。

「KnKと出会わなければ、高校も卒業できず、大学にも行けず、今の自分にはなりえなかったと思います。KnKは私に多くの機会を提供してくれました。大事なのは、その機会を大切にして、自分で努力し続けることだと思います」とソクンは言います。

もちろん大学に行き、就職をすることだけが成果であるわけではありません。

私たちは、一人でも多くの子どもが、ソクンのように「教育により自分の将来を実現できること」を一番の成果と考え、目標としています。

今後も、夢を追いかけるカンボジアの子どもたちの姿を報告してまいります。

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28歳になった現在のソクン

子どもたちを支えるために、あなたのサポートを必要としています


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10,000円で、カンボジアの青少年10人が1ヵ月間、学校に通えます。
KnKへのご寄付は寄付金控除の対象となり、税制上の優遇措置を受けられます。

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【KnKカンボジアの活動概要】

 

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