活動ニュース

収入向上を目的とした協同組合活動刺繍のポーチができるまで(後編)

2013/02/26
報告:プロジェクト・コーディネーター 清水 恭代

2009年より、農村の女性の収入向上を目的に始まったバングラデシュ、ボリシャルにおける”協同組合”の活動。開始から3年が経ち、これまで提供してきたさまざまなトレーニングにより、協同組合員の刺繍や縫製などの腕は確実に向上してきています。通常、ここで作成される製品は、事務所の一階に併設してあるショールームと日本にフェアトレードという形で販売しています。今回は、彼らが作成している刺繍のポーチがどのような過程を経てできているのかご紹介したいと思います。

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ステップ5. トレーシング
デザイン画に沿って、針で丁寧に穴をあけたトレーシングペーパーに塗料を滑らせ、刺繍をする布にデザインを載せていきます。このプロセスは刺繍のでき不できを左右するため、慎重に行っていきます。

何枚ものデザインを描きます

何枚ものデザインを描きます

ステップ6. 刺繍
いよいよ刺繍の時間です。デザインが一番きれいに見えるよう、糸の太さやさまざまな刺繍のテクニックから最適な種類を選び刺繍していきます。長時間の同じ姿勢や一点を見続ける作業が続きます。

センターで刺繍をしている様子

センターで刺繍をしている様子

刺繍が終わったら、トレーシングで付着した塗料やそのほか生地についた汚れを落とすため、一度手洗いをします。その後、薄い生地の場合は、接着芯を生地に当てます。

ステップ7. 縫製
足踏みミシンを使って縫って行きます。まっすぐ縫えなかったり、ジッパーのとりつけ に苦労したり、時には、何度もやり直し、製品を仕上げていきます。

センターで縫製をしている様子

センターで縫製をしている様子

ステップ8. 仕上げ
縫製が上がってきたら、汚れや無駄な刺繍糸がないか最終チェックをします。その後、 アイロンをかけ、最後にタグ付けを済ませ、これで終了となります。

アイロンがけをする組合員

アイロンがけをする組合員

でき上がり!

でき上がり!

それぞれの工程では、刺繍の質が一定でなかったり、前回できたことができなくなっていたり、指定したデザインを途中で変えてしまったりとクオリティーを一定に保つには、まだまだ課題があります。しかし、何より、お客さまに素敵な商品を届けたいというメンバーの思いは強く、みんな向上心をもって製作に励んでいます。 そんな組合員の思いの詰まった製品が首都ダッカ在住の日本人、外国人、バングラデシュ人に届く機会がありましたので、最後にそのお話をご紹介。ダッカにて2月某日行われた、年に一度の日本人会のお祭りにて村の女性が作った製品を出店させていただきました。また、翌日には、ハンディクラフトの生産者や団体が一堂に会したダッカ・クラフトバザール(*)でも商品を販売しました。さまざまなお客さまに我々の製品を披露することができ、多くの製品に対するフィートバックをいただきました。このような経験を積むことで、今後多くの方に我々の村の女性が作った製品を届けていければと考えています。

人気のあった刺繍入りエコバッグ

人気のあった刺繍入りエコバッグ

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バザーの様子

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(*)ダッカ・クラフトバザール:
素晴らしい製品はあるのに、販売ルートを持っていない、小規模な手工芸品の生産者や団体が、自ら直接販売をする機会を得る目的で開催。バングラデシュのNGO、Prokritee(プロクリティ)が中心となり毎月1回ダッカ市内で開催。

 

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